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─廊下─
ああ……考えてもしょうがないかな。
[ふいと視界の端に黒い影がよぎり窓の外を見ると>>2:113ラウルが居た]
!?
[窓から身を乗り出すがそのときはもう見えず]
あいつ……何?
[赤毛をくしゃりとかきあげると、唇を強くかみ締める]
一号車の方……か?
[ややあって小さくため息をつく]
誰なら入れるかって言えば、やっぱりミズノフスキー閣下だろうかね。
[そうして手洗いから出てくるのは、どこからどう見てもミズノフスキー閣下。オリジナルと変わらないはずなのに、怪しい]
>>5
人違いかな? レディ。
[尊大に腹を揺らしながら振り返ったのはミズノフスキー閣下]
何か黒くて小さい物が飛んでいきましてね──…気のせいかもしれないがね。
[窓の外を見やる]
イヤな予感がする。
[>>7ウルスラの言葉に、太い眉を上げて満足げに笑う]
ラウルは落ちて行ったようだよ。
まったく、役に立たないものだね。
[いやみなどではなく、本当に嬉しそうな笑顔]
彼のあんな姿が見れて、わしは満足だよ。
>>9
君は追いかけなくていいのかね?
[窓の外を見やり、懐に手をやるが、別に武器まで準備できるわけが無く、指先に触れるのは厚い脂肪層のみ]
あちらのほうだよ。
[列車の後部を示した後]
ではわしは、部屋に戻らせてもらう。失礼。
[ウルスラに背中を向けて一号車の方へ歩き出す]
─→一号車・先頭車両─
[一号車に入ると、警備のものたちがわらわらと寄ってくるが、鷹揚に片手を上げる]
いやぁ、惰眠って、ほんっとに良いもんですねぇ〜。
[いつもの調子でそう答えた。
曰く、気が付いたら三等車最後尾の貨物室で寝ていた、というものである]
『閣下!』『閣下!』『閣下が無事で』『ハラショー!』
黙りなさい。
─ 一号車・ミズノフスキーの部屋─
荒らされているな。
わしの居ない間に誰が来たのか分かっているのかね──いない?
わしの部下はいつから無能に成り下がったのかな。
わしが惰眠をむさぼっているうちに、徹底的に調べたまえ!
それから、ディナーを持って来るように。
眠っている間、何も食べていないからおなかがすいてね。
[ソファにふんぞり返りつつ葉巻をくゆらせ、うとうと**]
─ミズノフスキー閣下の部屋─
[ボルシチを食べながら、眉間にシワを寄せ、釈然としない顔]
(どこかでバカにされているような気がする……?)
うぉっほん!
[考えを振り払うと、ミズノフスキー閣下の部下に相応しく、通りいっぺんの調査をしている警備員に咳ばらいをした]
ええいまだ見つからぬのか!
─ミズノフスキー閣下の部屋─
まだ見つからんのか!
私自らが探してくれる。武器を持て!
[手渡されたのは黒鞘の軍刀]
ええい刀ではなく、銃だ!
[そうして一丁の小銃を渡される。
肩から小銃を下げ、ものものしいいでたちになると、部屋から出て、前方へ進んで行く。
車掌室などを通り抜け、たどり付いたのは運転室]
─運転席─
ここはわし一人で入る。
[兵士たちを押し止め、運転席に入って行く
──10分後。なかで大きな物音]
貴様なにやつ? なにをするやめろー!
[自作自演の後、扉を開けようとしても開かず]
ミズノフスキー 一生の不覚!
[中から若い男の声がする]
『ミズノフスキー閣下とこの列車は、我々モスクワの白い鷹が乗っ取った。
列車内に知らせろ。
"ロマネス家の財宝"と交換だ。
持っている奴は早く名乗り出ないと、仲間の用意した爆弾が爆発する。
運転席は押さえたから、列車が暴走して止まらないかもしれないぞ!
命が惜しければ早く持って来い!
ミ……ミズノフスキーの命が惜しくば探してくるんだな!』
─その頃の運転席・10分前─
[運転士のおじさんと、ミズノフスキー閣下が、ウンコ座りで紙巻きタバコをくゆらしている]
でね。わし取られちゃったのよ。護衛対象のお宝。もう面目丸つぶれ。部下は使えないしさ〜
[愚痴は続き、運転士が涙を浮かべ始めた頃]
だからさ、ひと芝居打とうと思うわけ。
協力してくれない? ぜぇぇったい迷惑掛けないから!
[運転士と固くハグ]
いやぁ、人情って、ほんっとに良いもんですねぇ〜。
[そうして、入口にレンチを引っかけ、自作自演が始まる。
入口はふさいだけど、窓はあるし、線路下からも天井にもハッチはあるし、いろいろ穴だらけではある**]
─運転室─
そう思わないかね。君。
[運転士の向かいにしゃがみこんで、笑顔のまま小銃を向ける]
「おかしい」そう、顔に書いてあるよ。
「ミズノフスキー閣下がこんなおかしなことを言うわけが無い」その通りだね。
[実に楽しそうな表情]
ミズノフスキー閣下の部下は無能ぞろい。
ロマネス家の秘宝を持ってくるものも居なければ、突入するものも居ないし、主人すら守れない。
[銃口を運転士に向けたまま、ゆらりと立ち上がる]
──少しは楽しくなるかと思ったが。
[引き金に指をかけた所で>>44>>46が耳に入る]
『残念だが、すでに奪われた後のようだ。
今は、どこぞの悪漢の手にあるようだよ』
[低い声で外に向かって応える]
あの声はじゃないな……誰だ?
>>53
ようこそ悪漢君。
[一瞬だけ目を丸くした後、銃口をアマルウェルに向けようとする]
ロマネス家の秘宝を持ってきたのかね?
>>57
ないのか。
[大げさにため息をつく]
まったくいまどきの若いモンは……わしが若い頃は、押し寄せる兵をちぎっては投げちぎっては投げ……。
秘宝はどこかの誰かが持っていった。嘆かわしいことにな。
[>>59にイラっとしたように怒鳴り返す]
静かにせんか!
……。
[外から聞こえてくる声たち]
仲間同士というわけでもなさそうだし……正義の味方というわけでも無さそうだな。
ええい、これだけ悪党が居て、誰もロマノフ家の秘宝を持っていないとは何事だ!
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