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[ああ、と息を吐いて]
ケナーシェフのごはん美味しかったですもんね。
あたしは、上で探し回りたくて仕方なかったです。
自分とまん次郎さんが連れ去られるなんて直感だけ当たって、他はこれからだったのに。
[ホットミルクを一口飲んで、ニーナに答えて]
ニーナちゃんは誰が劇団員だと思う?
俺はカミーラじゃないかと思ってるんだけど。
トリックは……いくら考えても、
[アーヴァインを指差して]
アーヴァインが階段を上って来て脱落者にそう伝えて一緒に階段を降りてくる、っていうアーヴァイン犯人説に勝てなかったんだよな。そうでない必然性がないっていうか。
[マフィンに巻かれている紙をくるくると剥がしながら]
あたしは、ギルバートさんかと思ってました。
違うなら――メイちゃんだったりして。
[根拠のないことを口にした]
素直に考えるなら、リューちゃんとトビー君が、睡眠薬で寝てしまったあたし達を、台車か何かで運んだとか。
ここで目覚めたとき、あたし手がちょっと痛かったんです。どういう運び方されたらこうなるんだか。
[マフィンにかぶりついて、アーヴァインを見ると]
アーヴァインさんは、どちらかというと安楽椅子探偵気取りか、悪の総裁って感じですけどね。
昨日も、停電起きたときにここにいましたし。
[ニーナの口からメイの名前が出て驚く]
俺が疑われるのは驚かないけど、メイちゃんはないだろ。
メイちゃんは俺と同じように睡眠薬で眠らされてたって言うんだからあの日、ニーナちゃんとまん次郎を連れ去るのは無理だよ。
それに引き換え、カミーラは本当に寝てたのかどうか怪しい口ぶりだったんだよな。歯切れが悪いっていうか。
犯人が一人なんだったら、メイちゃんは違うんでしょうね。
[カフェオレを飲み干すと、ふぅ、とあたたかな息を吐く]
仕掛けてるのは、アーヴァインさんじゃなくて、アクターと劇団員なんじゃないかな〜。
誰がアクターかわからないとか言ってるの嘘なんじゃないかと思ったこともあるけど、ホントに知らないんだと思います。
アーヴァインさんの演技力がすごいのかもしれないですけど?
[笑みをこぼし、肩をすくめた]
[モニターに映るメイの姿と声に]
(そんなお前を見てる方が俺には痛いよ……メイちゃん……)
[ホットミルクの入ったマグを持つ手が震え、ミルクに白い波が立つ]
[ニーナの声に我に返って]
あ、あぁ。
ただ上ではかなり混乱してたからな。
ゲームだっていう確信が持てたらまた違ってたのかもしれないが、アクターや余所の劇団員たちが知らされていないだけで、何かやばいことになってる可能性が怖かったんだよ。
[アーヴァインの演技力、という言葉には]
たしかに、狸おやじって面構えだよなぁ。
う〜ん…。
あたしは、上の人たちの様子のが違和感覚えてました。
何かあるなら、それこそあんなパフォーマンスじみたことしてる暇ないと思うし、スタッフの人だって慌てるもんじゃないですか。
血痕が見つかったとかならともかく、抵抗のあとも見えずにいなくなったってなら、どっか裏の部屋にいるって推測出来ると思うんですけど…。
[ニーナの指摘には面目ないという顔をして]
頭ではわかってても不安になるんだよ。
自分ひとりならともかくさ。
結果的にはかき回しただけだったんだよな…。
一人じゃないなら、それこそ落ち着かなきゃダメです。
[じっと、ギルバートの横顔を見つめた]
自滅して、踊らされてるっていうんですよ、それ。
でも落ち着いて考えれば、ほぼ間違いなく危険はないってことになるんだよ。
でも万が一、ってことがないとも言い切れないじゃないか。
スタッフが慌てないのだって、人が居なくなるのは手はずどおり、下との連絡は参加者を考えたら基本的にできない、ってことならおかしくないだろ?
[必死の抗弁もニーナの直視と、止めの一言に押し負ける]
自滅は今いやってほど自覚してる。
アーヴァインさんも連れ去られた人も、全員海に投げ込まれてたりしてね。
今ここにいるのは、本当は亡霊なんですよ。自分でわかってないだけで。
[膝を抱えて、静かにモニターを眺める]
[こんこんとモニター室の扉をノックした音と、
叫び声が重なる]
まだ起きていたのか。
夜更かしは肌によくないぞ?
…昨日はギルバートが来たんだな。
[扉を押さえたまま、モニターに目をやって]
そんなに後悔するなら、離れなきゃよかったじゃないですか。
[呟いて、静かに立ち上がる]
おやすみなさい。
[お盆を持ち上げたところで、モニタールームの扉が開いた]
…おはようございます?
[動きを止めたメイの様子を認めて、机に手をつき息を吐く。そこにまん次郎の声が届き]
よぉ、お前も元気そうで良かった。
[入れ違いに出て行くニーナにおやすみ、と声を掛けて見送り……俺に明日を見る力がなかったんだ、と声にならない声で呟く]
>>+36
ですよね〜。
[くすくす笑いながら、ドアへ近づいて]
それじゃ、おやすみなさい。
[2人に会釈すると、部屋を出て行った]
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