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――居るさ。
――お前が在るようにだ。
[外に集う狼の遠吠えは、呼ぶ者と
応える者の声を隠すように、紛れさせるように――]
[集められた面々の、互いを見る眼が変わるのを感じる。
村を、互いを守るための、まなざし――]
…好い村だ。
あたしは、だいすきだよ。
必ず滅ぼさねばならぬ。
にんげんに。…文明に滅ぼされる*前に*
……文明に滅ぼされる前に、か。
確かに文明の炎がやってくれば、少なくとも――我々は終わるだろうな。
大砲はいとも容易く狼の群れを吹き飛ばす。
[取り囲む群れを率いるモノのひとりは、からからと面白そうに笑った]
同じ滅びならば、より美しく凄惨な滅びを。
ふむ――…何と、呼ぶべきであろうか?
炎も波も、すぐそこさ。
すっかり、取り囲まれている。
保護区域、などと称しつつも
そのうち見世物小屋と変わらなくなる。
[狼の声は高く低く――相手の声音も届かせる。
蛇ばかりでなく意を通じる遣い手は、淡い憂いを
極光のくれないに包む如く揺らめかせ応じる。]
在るがままに。
名は――要に応じて好きに呼ばわるといいよ。
うつくしく、凄惨な滅び…か。
ああ。衝動の行き先も来し方も、酷く狂おしい。
[少し間を置いて――ふと添えたのは相手への、]
…お前の笑い声は、骨鈴の音に似ているな。
[――――いつか呼ばわりに通じる、その欠片。]
骨の鈴か。興味深い例えだ。
[笑い声は遠吠えの海に沈み、淡々とした声がオーロラの幻に揺らめく。
しばし黙していたが、ふと、思い出したように]
…あの供儀の娘を、お前はどう思う?
…興味深いかね。
ひとつ、つくってみるのもいい。
[橇が並ぶ丘の上で、顔を合わせる。
身体の前へ毛皮をかき寄せ、俗な会釈をひとつ。]
据え膳。
[答えはごくごく、みじかい。付け足すに―――]
群れに喰わせるのは、惜しいな。
確かに。わざわざ、長老殿が我々のために用意して下さった娘だ。あれの死をもって、天の赤を雪の上に映す――…悪くない趣向ではあるな。
[狼達の遠吠えは、程無く歓喜のそれに代わるだろう。
――喰わせるのは惜しい。片割れの言葉に、声は少し揺らぐ]
ならば、お前が喰うか。
対たる遣い手殿は、
凄惨にも、趣向を求めるらしい。
――あたしが、貰おう。
[玲瓏たる声音が、応じて確と主張する。]
思惑通り、時間稼ぎをさせてやる代わりに、
そのぶん群れは飢えるというわけだ。…お前も。
「次」が愉しみではないかね?
そうか。
[確として響いた声に、静かに同意する。
群れの歓喜が、そして飢え。意識せずともそれが強まっているのを感じられる。
それは――己の歓喜と飢えでもあるのだから]
…素直に、愉しみに飢えておくとしよう。
より明瞭に、「死」の存在を感じておくためにも。
ああ。
飢えに悶えて、歓喜に焦がれていろ。
[歩みゆく背の主を見送る眼差しは、険しい。
けれど口元は確かに、確たる声を吐いた儘に在る。
身の裡へ、いのちを抱き取る時を想うあわい笑み。]
「未熟なまじない」とやらに*留意せねばな*。
…? 誰と話した?
[群れからはぐれた仔トナカイを一頭、自身へ
通じる狼に襲わせながら、対たる者の驚きを聴く。]
ひとは、己の裡にすら神を見出すよ。
"我々"とは…我々かね。それとも、おおかみ?
――いや。
漂白の民と、少し。
[対なるものの声と共に、一つの魂が死に招かれたことを知った。
小さく苦笑しながら、付け加える]
お前も、流れてきたのだったな。
私はこの地しか知らぬ身であるが故……
[言葉を濁してから、かけられた問いに答えた]
『おおかみ』、さ。
――だが、私の心は常に狼と共に在る。
…イェンニか。
あれは夢見がちだが、夢が毒を隠さん奴だな。
[苦笑のいろを帯びた相手の声に、日頃想う評を
加えて返答をした。己のことはみじかく肯定を]
ああ。… 他者の在りように
他所を垣間見れば戸惑う、か?
…お前に通じる群れは、お前は何を想うかな。
[深い雪に覆われた森の中で、狼たちの一団が
ひたりと鳴き交わすのをやめたのを感じる。>>170
――村の男たちが、雪原に。
供犠たる娘が捧げられる祭壇をつくっている。]
あたしと意を通じるおおかみたちは…
嘆いているよ。
[『おおかみ』たちは…円い瞳にその態を映す]
濃い情と飢えとの狭間で、…「行く末」をね*。
戸惑う。
…そうか、戸惑っているのかもしれない。
この雪と闇の外には何も要らない筈なのに……いつの間にか、気がついたら興味を惹かれている。結局帽子を捨てられないのも、そういう事なのかもしれぬな。
[成程、と解を得たとばかりに呟く]
[森の中、湖の縁、そして雪原の影。己と意を同じくする狼達は、ただ静かに黙し、生贄の娘を運ぶ列を眺めている。
その瞳は確かに輝いてはいたが、何かの色を映すことはない。今の己の瞳と同じように]
嘆く……
嘆きながら、村の娘にその牙を突き立てるのか。
私は――我々は。在るがままが在るのなら、それで良いと思っている。お前のように、感慨など抱いてはいないさ。
だが、結果が同じならば…過程については、好きなように手を出してしまいたい。その欲求だけは、あるのだ。
…興味も、抗えぬ本能というわけだ。
戸惑っても、厭わずいられればよいな。
[対たる者が得る解は、己にも厭わぬもの。
すこし瞼を下ろして、付近のおおかみの眼を借り
しばらく彼の姿を眺め遣る間を置くと、口にした。]
この地の暮らしにそぐわずとも――
その帽子は、お前に馴染んでいるぞ。
…それから、その頬の火傷も、な。
[灼けた樹脂で狙いうちした、些細なそれ。
音無き笑みは揶揄とも悪戯ともつかず燻らせ]
本当、よくやってくれたよ。
[うっすらと紅い跡が、頬には残っているのだろうか。
悪戯じみた笑みの気配に、返すのは諦観の響きを伴った笑い]
[垣間見た瞳を、映すものへのいろ添えぬ瞳を、
己が思うものに喩えたら――相手は戸惑うだろうか。
少しばかり浮かぶ想いは遠く交わす笑みに途切れる。]
仕返しの仕返しは、なしだぞ。
[そんな戯れ言。
先の>>*19語尾上げぬ問いへは声にて答えないと
相手が飲み込めるだけの沈黙を置いてから口を開く]
では…
お前の欲があらわとなるときを、愉しみに。
別に、気にするほどのものでもないさ。
放っておけば治る。治らないときは、私が死ぬ時だ。
[数日では引かないだろうから、そう付け加えて。
沈黙には何も返さない。唯一つ、息を吐くだけ]
欲か。
…ああ、愉しみにしていればいいさ。私自身も、そうなったらどうなるのか見当がつかんからな。
[己が率いる狼たちの気配を感じる。
どこか虚ろなそれ。小さく笑って、――今は伏せておけと、そう、送る。
己に連なる狼達は、ただ影のような視線を、じっと送り続けるだろう。
村に、雪原に、森に、極光に、供儀に、――そして、対となるものと、彼女が率いるおおかみ達に**]
…
狼使いに味方する者が、ひとり――
いるとかいないとか。
[目の前のビャルネの言をなぞって、ぽつり]
妙な話になっているな。…
[向けられる視線の先、意の先を辿り頬傷を想う。]
…それが治らなくとも、気にはしないが。
お前が死ぬと、あたしが死ねなくなって困るな。
[蛇を連れた遣い手は、諸々へと無頓着に嘯く。
…"どちらかが遣り遂せられれば、それでいい"。
必ず滅ぼさねばならぬ。長老の言に重ねた望み。]
――狼使いは、人の心を利用するのだそうだよ。
[ウルスラから聞いた話を、他人事めかし口にする。
様子には憤りも落胆もなく…珍しごとを教える*態*]
うむ。ウルスラ先生もそばに居たのでな。
その場で嘘だと言ってやるのもよかったが…
せっかくの誘いだ、
近く用向きを聴くのもいい。
[死なれれば困るといった主旨への相手の反応は、
蠢きの微かさに幾分物想うひとときを置く。頷いて]
勝手に疑い合ってくれて、殺し合ってくれて。
…ああ。
「そうなる」ことが多いのは知っているが、
「仕向ける」というのはひとならではの発想か。
…言葉は弱い。疑いは、言葉を簡単に突破する。
だが、ちからのない人間はそれに頼るしかない。
疑いの矛先が、言葉しか持たぬ人間に向かったら――それは、悲惨だろうな。
[疑い合うことで、村が自滅していく。
狼の輪で押し潰すまでもなく。想像することしか出来ないが。
故に、他人事のように淡々と語る]
仕向けているのは、時に人間同士であるのにと、そういう事なのだろうか。
……力のない人間のやることは、どうにも理解できず、予想できん。注意せねば……
[囁きではなく、それは自身に向けた呟きなのかもしれなかった]
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