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[夕暮れ時、学校帰りの少女が一人。
あたりにカラスの鳴く声がいくつも聞こえる]
カラスさん、なぜ鳴くの……不思議。
捕獲して、分解。
[カラスが一斉に飛び立つ羽音]
いなくなった。
[飛び去る黒い影を残念そうに見つめた後
再び歩き始める。
やがて一軒の日本家屋へと*入っていく*]
[長身の男が森の中を歩いている。眼鏡のレンズに、薄い色のシャツに、橙の光が反射していて]
……。
[かさり。革靴の底が、葉を踏みしめる]
[男は紐で縛った数冊の本とノート、そして布製の薄い筆入れを小脇に抱えていて。その緩慢な歩みが、ぴたと止まり]
……、迷った。
[静かな調子と声色で、ぽつり。目線の先に一軒の日本家屋を見つけると、首を傾げた後そちらへ向かう事に]
[やがてすぐ前まで辿り着くと、空いている手で扉の辺りを叩きかけて、少し逡巡。扉を小さく開き、薄暗い中を覗き込んで]
――すみません。
どなたか、おられますか?
[穏やかだがよく響く声で、中に呼びかけ]
そう。
じゃあ、この辺りに……
[言いかけた言葉を、途中で途切れさせ。何か考える素振りをしてから]
……通りがかりですまないけれど。
一杯、水かお茶を貰ってもいいかな?
なんだか喉が渇いてしまって。
[後ろからついてくる足音を聞くと]
そこで、待ってて
[広間を指差した後、台所へ。
きりんの図柄の入ったマグカップを手に戻る。
それにお茶を入れて、来訪者の前へ置き]
粗茶ですが。
[じっと顔を見つめている]
[示された通り広間に入ると適当な所に正座して。軽く挨拶をした後、餅肌の笑顔を控えめに眺めていたが]
どうも。
[戻ってきた少女からマグカップを受け取り、礼を。一口飲んで、ふう、と息を吐き。ふと少女の方を見て、数秒]
……私の顔に何かついているかい?
[目が合えば数秒見つめ合い、首を横に振る]
……ううん。
普通の人と、変わらない。
[興味を失ったように、自分の湯飲みに手を伸ばす]
よんじゅうはち、度
[温度を確かめた後、お茶を啜る]
そう、なら良かった。
[中指で眼鏡のブリッジを押して、少々のずれを直し。温度を確かめる様子を傍観し、それから静かに茶を飲んでいたが、ふいに広間を視線だけ動かして見渡し]
……
[隅にある古めかしい戸棚に目を留める。戸棚の中がぼんやりと光っているのが、男のいる場所からでもわかっただろうか]
[お茶を啜り、湯飲みを置いて、ふと顔を上げる]
……どうかした?
[男の視線が一点に止まったのを見て、その視線の先へと目を向ける。
ぼんやり光る戸棚に気づくと、首を傾げる]
ん、いや……
何だろうと、思って。
ランプか何かが入っているのかな?
[最後は半ば独り言のように。マグカップと、膝上に置いていた本などの束を卓に置くと、その方へ歩いていき]
……?
[幾らか前で、不思議そうな顔をして足を止めた。戸棚の中には火の灯る蝋燭があり]
[男は戸棚に顔を近付けると、眼鏡のレンズの横を片方つまむようにして、観察するように蝋燭を見]
……フユキ。
[その一つに刻まれた文字を、呟くように読み上げる。イシダ、フユキ。――後、何を言うでもなく先程いた所に戻って座り]
ああ。
その戸棚は……
[少女に向かい聞きかけた言葉を、途中で切り]
――フユキ。
私の名前だよ。
お茶を貰った後で、今更だけれど。
[男は、名を*名乗る*]
リウ、ね。
[少女の名を復唱してからまた茶を飲みかけて、ごほり。口元を押さえ、ごほごほとむせながら]
……や、泥棒では、ないよ。
うっかり道に迷って、ね。**
大丈夫?
[むせる姿をわずかに心配の色の混じった瞳で見つめ]
迷子さん、可哀想な人。
……泊まってく?
[小首をかしげて、*フユキに問う*]
あ……れ?
[不思議そうに顔を上げ、身を起こす。
走ってきた方向をじいっと見やる]
誰も追ってこない……。
[自分の発した言葉に首を傾げる]
誰が追ってくるんだろう?
オレ……追われてるんだっけ……?
[膝をぽんぽんとはたいて立ち上がり、
帽子とサングラスを拾い、身に着ける]
頭うったかな。
[帽子の上から軽く頭を叩く]
家だ。誰か居るかな。
[古い日本家屋が目に入る]
で──さ。逃げるって誰からだろうね?
[冗談めかして呟きながらも、
周囲を慎重に確認し、
小走りに日本家屋に*向かった*]
[森の中、荷物を引きずり歩いている]
もうやだ……。
[湿っぽい臭いがする地面に置いた白いトランクに腰を下ろして、うなだれた]
はぁ。
[ため息混じりに顔を上げると、明かりの燈る家屋が目に留まる。
やや逡巡してから、亀の歩みでそこへ*向かい出した*]
大丈夫。少しむせただけだ。
[心配げなリウに、首を縦に振って答え。続く問いに]
私は……
ん。それは、有難い話だけれど。
[言いかけたのをまた、忘れてしまったかのように止め。新しく人の気配や声があれば、ふと廊下の方を見やった*だろうか*]
[引き戸の前で、どこか懐かしさを覚える。
けれど、具体的な記憶には結びつかない。
首を横に振っると、なれた様子で引き戸に手を掛け、無造作にがらりと開けた]
ただいまー!
……あれ。オレんちじゃないよ……な。
[自分の言葉に首を傾げて、もう一度背後を確認し──]
わぁ!!!
[大きな荷物を引きずる女性に驚いて声を*上げた*]
[言いかけて言葉を止めるフユキに首をかしげ
引き戸が開く音を聞くと、緩慢に首を玄関の方に向けて]
……誰か来た
[立ち上がり、ゆっくりと玄関へと向かう]
何か?
[疲れきった様子で尋ねる声には、僅かな抑揚しかない]
隣村に行きたいのだけれど。
[言って、右手をひねり腕時計の*文字板を見遣った*]
それじゃあ、また明日ね。バイバイ。
[友達と別れて森の中を歩きます。
木の枝を拾い藪をかきわけて進みます]
近道近道。えいっ。
[草だらけの姿で日本家屋の玄関脇にひょいと出ます]
[冷静なソラに目を丸くする。
どうやら自分を追っている人ではないようだ]
あー。びっくりした。
何でもない……よ。たぶん。
[続いてやってくるリウに小さな悲鳴を上げる]
……隣町ってどこか知ってる?
[小さな声で尋ねた]
[服についた草を手で払います]
お母さんのお客さん?
お兄さん、お姉さん、こんばんは。
お姉さん、大きな荷物ね。
[ソラの荷物を目を丸くしてみつめ、引き戸の隙間に飛び込みました**]
迷子は大変。
二度と戻れないかも。
[レンの背後を見やる]
大きな荷物……家出?
このへん、村しかない。
町だと……歩くのは、無理。
隣村でも、歩いて2日はかかる。人の足なら。
大切なものなの。
[トランクについて、意にそぐわぬ与えられたセリフを諳んじるように言った]
バス停、探してたのに。
乗り遅れちゃった。
[笑う声もまた、嫌々の演技のように]
[視線をトランクに向けている合間に、気付かぬまま頭をなでられていた。
慌てて振り向く]
な……
[口を『に』の形に開いたまま茫然とレンを見つめ、表情を見て取ろうとした]
宿、ない。一番近くて、隣村。歩いたら、二日。
夜通し歩けば、宿要らず……
[手をぽんと叩いて、家の中を指差し]
今日から、宿屋。
開店記念で、宿賃サービス。
[リウのおかえりという言葉に少し首を傾げたものの]
ただいま、お姉、ちゃん?
[玄関で靴を脱ぎ捨てて廊下に走って行き、また戻ってきて靴を揃えました]
[広間から賑やかな玄関の方を見。此方を見られれば、一たびの礼を。床に手をつき立ち上がりかけるが]
……う。
[足が痺れていたのか、一寸よろけた。ふう、と溜息]
じゃあ、お邪魔させて頂戴。
何だか不安だけれど。
[小声で言って、トランクを運び込もうと持ち上げた。
遠く、カッコーの鳴き声が聞こえて振り返る]
不気味。
[当たり前の用に動くリウとルリを不思議そうに見ながらも、ぼんやりと眺めている]
……宿屋?
[建物は宿というより民宿といったたたずまいで]
あー……。
[蝋燭の中で、【タカハル】という名前を見つけると、顔をしかめ、【レン】と書き直す]
これで、よしっ。
[部屋の中だけれどもサングラスと帽子を取る気配は無い]
[迷う様子もなく、ごく自然に家のなかをぐるりと一周し、広間に戻ってくると、ネギヤの隣で地味にお茶を飲み始める]
やっぱりお茶だよね。
[ちゃぶ台に羊羹などを並べる。
微妙に*じじむさい*]
[蝋燭に気付いたらしい二人を、様子を窺うように見ていたが。その視線はふと、壁面へと向き]
――地球を、七回半。
[そこには薄明かりが照らす黒板。少しく目を細めながら、男は白墨で走り書きされた文字を読み上げる。
後、卓上の束からノート一冊と鉛筆一本を取り。どこかの頁に、その短い文を*書き留めておいた*]
[レンの言葉にはこくりと頷き]
細腕繁盛記。宿屋の、バイブル。
ようこそ、おこしやす。
お風呂にする……ご飯にする?
[一人、玄関先で三つ指をつき、変な人と化している。
やがて広間へと足を向けると、不思議な光景に]
どうしたの、フユキ?
地球を、七回半……
[読み上げられる言葉を、とり憑かれたように*反復する*]
地球を七回半。
確か……光が一秒に進む距離、だ。
……そこに書いてあるのが、そういう意味なのかは知らないけれど。
[リウに向けてまた繰り返し、言葉を足してから]
……。
客、なのかな?
迷子になったから、お邪魔させて貰っているんだよ。
[おじさんと呼ばれたのには、ほんのり落ち込んだようだったが。一言ずつ考えるようにしつつ、*ルリに答え*]
ソラ。
[蝋燭に印された名を読み上げる。
それが自分の名であることを確かめるように]
地球を?
[黒板に目を向けてから、どこか不安げに、茶を飲む人々を*遠巻きに眺める*]
ネギヤ、リウ、フユキ、レン、ソラ、ルリ……。
[蝋燭にかかれた名前を指差し確認しながら読み上げる。
最後にレンの名前の上で指を一旦止め]
これオレの名前。レンっていうんだ。よろしく。
ここってお客さんの名前を蝋燭に書くサービスしてるの?
面白いね。
地球を七回り半か。光の速さ。
1光年って単位があるよね。光が一年かかって移動できる長さ。
いまオレたちが見ている星ってさ、何光年、何十、百、千光年も離れてる。
だから、いま見えている星の光が見えているだけで、本当にその星がいまもそこにあるかは分からないんだ。
[淡々と説明をすると、にこっと笑った。
サングラスの下の目は見えないけれど、口と眉は笑みの形]
[フユキの言葉にしばらく何かを考えていたが
突然床の一点を中心にして、その周囲をぐるぐると7回転半。
回り終えると、ふらふらとよろめき、息を切らせながら]
はふ、はふぅ
……何秒?
光、速い。世界、まだ遠い
[床に倒れ込み、呼吸が整うまでしばらく休憩]
[フユキの視線の先を見やり、黒板に気づく。
黒板の前へと進み出ると、書かれた文字をじっと見つめる。
やがて白墨を手にすると、おもむろに何かを書きはじめる。
辺りにカツ、カツと白墨が削れる音が響く。
書き終えると、白墨を置き手をぱんぱんと払う。
白い粉がはらはらと床に舞い落ちる]
○月×日 たぶん晴れ 日直 リウ
[書かれた日付はなぜか霞がかかったように
ぼんやりとして認識できない。
文字の隣にはデフォルメされたキリンの落描き。
しばらく黒板を満足げに眺めていた]
[卓上の束から、表紙にキリンの絵が描かれたノートを取り
広間の食卓の上に置く]
……宿帳。
[まだ真っ白な二ページ目を開いて、その脇に鉛筆を*置いた*]
温泉ない。露天風呂なら作れる。
ドラム缶……庭に運ぶ。
[レンに名前を呼ばれて、不思議そう。
戸棚に近づき、蝋燭を眺める]
……蝋燭が、宿帳?
[名前の書かれた蝋燭にそっと触れ、少し*悲しそうな顔*]
おじさん迷子なんだ。
私も町に行った時に、迷子になったことがあるの。
お母さんが迎えにきてくれたから良かったけど・・・。
おじさんも、きっと誰かが迎えにきてくれるよ。
[フユキが迷子で落ち込んでいると思い込み、元気づけるように*言いました*]
今見える星が本当にそこにあるのかはわからない。
同じように、今見えている宇宙も……
遠い端ではもう終わり始めているのかもしれない。
[レンの説明に、詩か何かを読むように続け。羊羹を勧められれば、頂くよ、と頷いて]
ああ、私はフユキという。
迷子、なんだろうね。目的地を見失ってしまったから。
[肯定に続けた言葉はどこか曖昧に]
怪しい奴。……
危険人物は来ない事を祈ろう。
光にはまだ遠い、かな?
[七回転半して息を切らすリウに、首を傾げ。その後黒板に何かを書き付ける様を見守る。やがて書き終えられた文字とキリンの絵とを見て]
ああ。何か学校のようだね。
出席簿も必要になるかな。
[日付の部分を幾分注視していたが、ふと目を逸らし。広げられたノートの白い頁を一瞥した]
うおっほん。
[低い声でわざとらしい咳払いを一つ]
……起立礼前転着席。
出席を取る。ええと……
[蝋燭に書かれた名前をひとつひとつ読み上げていく]
……ん。
誰かが迎えに来てくれたら、嬉しいね。
[ルリの言葉に、何か悟ったように頷き。それから慰めに同意し、口元に小さく笑みを浮かべ]
[聞こえる返事には、顔と名前を覚えようとし]
自由選択。
[フユキにふるふると首を横に振り
手伝いを申し出たソラに、首を斜めにかしげて]
露天風呂作り?
庭に石を積み上げて
ドラム缶を運んで
薪割り小屋から薪もいる。分担する?
[女将の歌を口ずさみながら、ドラム缶を取りに*勝手口へ*]
そう、なら良かったよ。
体育の成績は悪くてね。
[ふう、と息を吐いてみせ。立ち上がるリウに]
あ、私も手伝うよ。
[と言って*後を追い*]
センセー! センセー!
…まったく、何処に行ったんでしょうね? 先生は。
目を離すとすぐに行方を眩ましてしまう。
[夕暮れ時。ため息を吐くスーツの男の影が一つ]
[がさがさ。歩む足は森の中]
ふぅ。先生は暇さえあるとすぐ野生に帰りたがって困りますね。
スケジュールを管理する、私の身にも成っていただきたい…。
[枯れ草を踏みしめる音に、愚痴が重なる]
[やがて疲れた顔で遠くを見つめると。
視界に入る一軒の日本家屋]
仕方がありませんね。あすこで少し、休憩を取るとしましょう。
先生も夜にはあまり出歩かないと思いますから。
[独り言。つぶやいて扉を開けた]
ごめんください。大沢家政婦紹介のものですが。何方か居りませんか?
[家政婦とは程遠い、男の声が*響いた*]
宇宙の終わりかー。想像するとすごいね。
うん。怪しい危険人物要注意だよね!
[フユキに楽しそうに答える。
リウに名を呼ばれれると、立ち上がりハイと返事をして、帽子を押さえながらその場で身軽にバック転をする]
間違えた。後転だった。
[リウと来訪者たちのやりとりをぼんやりと眺めていると、
引き戸を開ける音に続いて男の声がします]
またお客さん?
[玄関へと向かいました]
[声を張り上げると、出迎えたのはツインテールのお子様。と…]
こんばんは。君はこの家の方ですか?
私は大沢家政婦紹介から派遣された、天間っ…!
不審者? はっ! これは事件ですか!
大変だ! 影から見守らなければ…
[サングラスに帽子という、明らかに不審者スタイルの人影を見つけ、引き戸に身を隠し観察を*始めた*]
[玄関に目をやると男の姿が消えていました]
かせいふだって言ってたけど・・・。
[レンと玄関を交互に見て、困惑してその場に立ち尽くして*います*]
[けーん、と何処からか獣の鳴き声]
[木陰から白装束に羽衣を目深に被った人影がぼうと浮かび上がる]
[ふわり、と羽衣が揺れて現れたのは若い男の顔]
た、たたん、たん。
[舞うように律を踏む]
[男の手元にはいつの間にか蝋燭が一本]
ひょおぉぉぉ。
[風が草の葉を吹き上げ、男は広げた袖で灯りを囲う]
おじさんの家政婦っていないんだ。
そういえば、お母さんも家政婦を頼んだって言ってなかった気がする。
・・・泥棒かな?
[サンダルを履いて、靴箱の上にあったはたきを手に取り引き戸に近づきました]
家政婦って言うくらいだからおばさんじゃないの?
オレおじさんの家政婦って見たことないや。
えールリちゃん……だっけ? 危ないよ!
噛み付かれるかもしれないよ!
[何か色々誤解中]
[強い風の音。引き戸から木の葉がひらりと一枚。
物々しい雰囲気を感じ、身を竦ませました]
・・・じゃあ、お兄ちゃん、見てきてもらえる?
噛みついてきたら、これを使って。
[はたきをレンに差しだしました]
あの、オレ……。
野球でだと4番でエースとかじゃなくて。代打専門だから。
パリーグで言うところの、DH?
ピンチにならないと出てこないから。
[さらに間違っている]
……行かなきゃダメ?
[広間のほうを不安そうにみやる。
ため息をついて、マフラーを巻きなおし、帽子を深くかぶりなおし、サングラスの位置を直してはたきを握り締める]
よし。行くか。
[はたきを手に、テンマの潜んでいそうな物陰に声を掛けた]
こ……こらー……!
偽家政婦め!
[限りなく棒読みに近い。
重心は後ろ足に。いつでもバックステップを踏む準備は万全]
お兄ちゃんの反対側から行って、後ろから挟み撃ちね。
[引き戸の反対側をそうっと開けると、
隙間からスーツ姿の男がうずくまっているのが見えました]
挟み撃ち!? そんな卑怯な!
かっこいいよ!
[ルリのアグレッシブさにどきどきしつつ、
テンマにはたきを突きつける]
おじさんは包囲されているぞー!
[庭でドラム缶の歌を歌っている]
……?
お客様の気配。
[玄関に向かうと、こっそりと体半分隠して柱の影から様子を窺う]
いじめの現場……
若女将は見た。
[訝しげなソラには、いや、と言って視線を逸らし。庭に出ると岩を運ぶ手伝いをし出したが、そのうちにまた賑やかな声が玄関の方から聞こえてくると]
……?
[一度手を止めて、窺うようにそちらを見やった。ここからでは様子は、*わからないが*]
テンマさーん……反応ない……反撃も無いけど。
怪しい──でも敵でも、無いかも……。
[ごそごそと懐から鳴子セットを取り出すと、
テンマの周りに仕掛けた]
これでよし!
さぁルリちゃん、露天風呂でも見に行こうよ。
─広間─
[戸棚に7つの明かりが揺れている。
<<餅肌 ネギヤ>>の名前が書かれた蝋燭が無いようだ]
ドラム缶だねー。
すごいねー入れるのかな。
[庭のドラム缶に目を丸くする。
準備をするみんなに楽しそうに声を掛けた]
―屋外―
[薪を抱えて現れた。
一部に椎茸らしき物が生えているが気にしていない]
置いておきますね。
[何度か運ぶことを繰り返したが、やがて飽きると切り株に*腰掛けた*]
お手伝い、感謝。
[ソラに礼を言うと、薪を確かめるようにぺちぺちと叩く。
腕を組み、大きく二、三度頷くと、広間へと足を運ぶ]
宿屋はじめました。
露天風呂あります。
[ノートの一ページを破り、マジックで大きく文字を書くと
玄関の脇にセロテープで貼り、満足げ]
[気がつけば、鳴子に囲まれた状態で、
広間に連行されそうになっていた。]
にっ…偽家政婦とは失礼ですね。
しかも家政婦に男が居ないとか。
それって偏見じゃないですか!
[精一杯の弁解。
しかし偽家政婦の件は嘘ではないので、
強く言えなのだが。]
[と、言っている内に、若女将にタイトルを奪われ、取り囲んでいたお子様と不審者は、露天風呂を見に出掛けてしまう。]
…こんな時にはお茶でも飲みましょうか。
[勝手に広間に上がり、お茶を入れようと戸棚を開ける。]
おや? 蝋燭が…。
しかも名前入りだなんて、随分と――…
はっ! 姉さん! 事件です!
[バタン] [戸棚の戸を閉めた音]
家政婦さん?
[レンの声を聞き、広間へと小走り]
ようこそ、おこしやす。
ここに必要事項を書いて。
[ノートを一枚破ると、
一番上に「りれきしょ」と書いて、テンマの前に出す]
[お茶を飲み損ねていると、掛けて来るタイトルを奪った若女将。]
は? 必要事項…ですか?
[手渡されたノートの切れ端には【りれきしょ】とひらがなの文字。]
『これは私に転職せよとの、神からのお告げだろうか? いやしかし、私には代議士秘書という肩書きが…』
[葛藤。
そうこうしている内に、新しい人物。
二枚目を地で行く青年。好敵手!?]
…こんばんは。大沢家政婦紹介から派遣されました…天間です。
[とりあえず名乗ってみた。
今後の好敵手になるやも知れない相手に。]
[庭でドラム缶の露天風呂を眺めています]
うわー、すごーい!
[歓声をあげてドラム缶の周りをぐるぐると回りました。
内側を覗きこもうとジャンプ]
・・・届かない。
[あきらめて、ソラの横にしゃがみこみました]
[ふいにスーツ姿の男、テンマに話しかけられて、やや驚いたように]
あ……はい、今晩は、初めまして。
私は石田冬樹と申します。
[仮にも好敵手認定をされているなどとは露知らず、反射的にか幾分かしこまった調子で挨拶し返し]
[ソラの申し出に少し考えた後、首を横に振りました]
ううん、見たいけど、いいよ。
お風呂に入った時に、中、見られるよね。
その時のお楽しみなの。
[ソラが運んでいた薪よりも、はるかに重い自覚はありました]
[男は囲まれていた。
若女将と名乗る、タイトルを奪った少女と、イケメン眼鏡と、そして不審者に。]
あ、石田さんと仰るんですね。
どうも、貴方も此処の家の方なんですか?
[さらさら。ペンはノートの切れ端を走る。
ふと、畏まられたなら視線を上げ、人のよさそうな笑顔。
そして若女将にはやや緊張した面持ちを浮かべ、後ろの嬉しそうな不審者には]
『何故誰も指摘しないのだろうか…』
[一抹の疑問。]
[レンの大声を耳にして、広間の方をぼんやり見ていました。
ソラの質問にはっと気づいたように我に帰り]
中のお風呂、ある、あるけど、
だけど、たぶん。虫が出るかも。
[どんな虫かを話すかわりに眉をひそめました**]
[庭の声が聞こえてくる]
中のお風呂に虫が居るんだー。
おじさん家政婦さんの出番だね。
ていっ! とか てやっ! って。
虫を一網打尽にするの? 大沢天満さん。
[何かすごい技を持っているに違いないと確信した様子]
[そして【りれきしょ】に、志望の動機を書こうとして、ふと我に返る。]
はぅぁ! 私としたことが!
この屋敷に一晩お世話になろうと声を掛けるつもりが、うっかり現実逃避を口にぃ!
はっ! 虫ですか? 虫なのですか!
家政婦としての第一歩としての、虫退治ですか!
[不審者からの期待の声に応えようと立ち上がろうとして…]
あ、羊羹とお茶、いただきます。
[目の前のおもてなしに即座に座り込んだ。]
うん。
羊羹美味しいよ。食べて食べてー。
食べたら虫退治がんばってね!
[へらりと笑って自分も羊羹をひとつつまむ]
時給って1万円くらいなのかな?
がんばってね。オレ応援する!
[真顔で言い切った。@0]
部屋戻ろうか。
[ルリに声をかけて立ち上がる。
虫のことを思い、廊下の隅に警戒しながら広間へ]
それは。
[羊羹が、何か得体の知れないものに見えてびくついた]
……あ、試用期間。
[左の掌を右拳でぽんと叩く]
羊羹、もらう。
甘いもの分、補給……
[ネギヤに手を振ると、羊羹を薄く薄く、
向こう側が透けるくらいにスライスしていく]
[てん、てん、ててとて、ててん]
[軽やかな鼓の音に闇夜の杉の梢が揺れる]
[その上空をさらに濃い影が舞った]
[ぴー、ひゅっ、とて、しゃん、ぴーひょ]
[やがて雲の切れ間から月]
[踊る影は陰と共に、月明かりに*掻き消された*]
うん、戻る。
[ソラの背中を追いかけるように広間に向かいました。
ちゃっかりくつろいでいるテンマを発見して、りれきしょを見て]
本当におじさんの家政婦だったんだ。
私も羊羹もらうね。
[座り込み、ネギヤの頬をぷにぷにとつつきます]
[羊羹の向こう側にソラの顔を見ながら]
あ、落ちた。
[自重に耐え切れなくなった羊羹を指でつまみ、口に放る。
なぜか一人分余っている羊羹を見て、少しだけ哀しい気持ち]
ううん、何でも。
気にしないで、多分妹。
[ルリの頭を撫でようと手を伸ばす]
明日、晴れるかな……
そしたらおにぎり用の味付け海苔
切れてたから、買い出し
[羊羹を食べ終わると、お茶をすすりながら、ぼーっと遠くを*眺めていた@0*]
おにぎりに、味付け海苔を?
[不思議そうにリウを見てから、薄い薄い羊羹を一切れ持ち上げる]
違う食べ物みたいですね。
[口に含んだそれは、普通に羊羹の*味だった*]
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