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[命を落とした男の魂はふわふわと。
屋敷の中を漂い、そして、大広間での終わりを見届けた]
「……ああ」
「ひとの、かち、か」
「……また、繰り返されるんだね」
[呟く声は、沈痛な響きを帯びて。
伏した目には、遣る瀬無さが覗く]
「……鬼に殺される前に、きみを殺して」
「……解放して、あげたかったのに」
「結局……できなかった」
「…………ごめんね」
[ぽつり、ぽつりと呟く声は、同じ魂にしか届かぬもの。
けれど、最も届けたいもの――魂を『宴』に囚われた娘にだけは、届かない。**]
[十字を切って瞑目するイェンニ>>5に倣うように僅かに目を伏して。
それから、はあ、と大きく息を吐く]
……さて、これで終わり……外に出られるはずだと思うんだけど。
[言いつつ、ふと振り返ればいつやって来たのかそこにはメイドがひとり]
「『ゲーム』の終了を確認いたしました。
扉を開きますので、御支度が整いましたらご出立ください。
……雨は止んでおります。どうぞ、道中ご安全に」
……いや、ご安全に、ってねぇ……。
[淡々と綴られる言葉には、どう反応したものやら。
なんて思いつつ、イェンニの方を見て]
……て、事だけど。
きみは、これからどーしますの?
[投げかけたのは、こんな問いかけ。*]
[内心では盛大なため息を吐きつつ。
アルマウェルと視線を合わせる]
さて。
仲間は恐らく無事ではないと思われますし。
土地勘もありませんので、一人あの場所に戻っても……なのです。
[ここへ来る直前の状況を暈して伝えつつ、悩ましげに視線を泳がせる。
寧ろこのまま、あの襲撃で死亡したことにして逃げてしまいたいとも思うのだ。同行者達の弔いもできないのは少々申し訳ないが、そこは皆覚悟していただろう所で]
アルマウェル殿はどうされるのですか。
[視線を戻し、小首を傾げて問い返した*]
[メイドの態度に対する思いは、どうやら変わらないらしい、と。
素っ気ない返し>>8に思ったのはそんな事。
ここに来る直前の状況。
暈されてはいるが、色々と厄介だったと察する事のできる答えに僅かに目を細めた]
そりゃまた、難儀な事で……。
[ぽそ、と呟いた所に向けられる視線と問い返し。>>9
それに、一つ、瞬いた]
俺? 俺はまあ、『仕事』の途中だったからね。
森を抜けられるならさっさと抜けて、そっちを終わらせるのを優先するさ。
[それ以外にない答えを返した後、軽く肩を竦める]
……まー、とりあえず、なんだ。
土地勘もないってんなら、とりあえず近場の町までご案内しましょーか?
どーするかは、それから決めても遅くないと思うし。
[深く関わるのもどうか、というのはあるものの。
土地勘もないというのに、じゃあ元気でね、と別れるのも気が引けるから。
軽い口調で向けたのは、こんな提案だった。*]
[>>10呟きに向けるのは苦笑一つ。
明瞭な答えに、そうでしたか、と頷きかけ]
宜しいのですか。
いえ、私としてはとても有りがたいお話ですが。
[軽い口調の提案に一瞬躊躇しかけ、けれどこの先を考えれば利用しない手などある筈もなく]
……宜しくお願い致します。
今は何も持たぬ身ですが、私に出来る事があればやらせていただきますので。
[確かに、その先は無事に町へと着いてから決めれば良い。町でなら稼ぐ手段も幾らかあろうし、それから礼をするのもありか。
ただより怖いものはないとは今回の事でも思ったが。人の好意を全て断って生きられるほど人生も優しくはないのだから*]
[情報屋の死は誰にも知らされることはなく。
屋敷の中で人知れず処理される。
後日、どこかの町で情報屋を利用していた客が彼を探したとしてもただの行方知れずとしか扱われず。
ただ、情報屋が最後に確かめにいった噂があると、どこかでほそぼそと交わされるだけ。
森の中の、不思議な屋敷の話が――**]
あー、いーのいーの。
こんなとこで知り合って、一緒に生き延びたのもなんかのご縁、ってね。
[軽い口調は崩さず、さらり、返す]
そんなに畏まらんでもいーさ。
まあ、俺も表通り堂々と歩けるよーな手合いじゃないけど……働き口探す伝手くらいならあるしねー。
[下町や裏通りなら素性をとやかく言わずに働かせてくれる場所も少なからずある。
どうするかは当人次第だが、路を繋ぐくらいならできるだろう、なんて思いつつ]
……んじゃ、ま。
せめて、安置くらいはやってから、お暇しますか。
[自ら手にかけた男を、このまま転がしていくのはさすがに後味が悪いから。
投げかけたのは、軽い口調の提案、ひとつ。*]
こればかりは、良きご縁に感謝を。
[軽い口調での快諾に微笑みを浮かべ。
固さのない一礼を送る]
重ね重ね、お世話になります。
そういう方が私としても心強いですので。
[これまでずっと裏の世界で生きてきた。柵を断ち切るにしても、表のまっさらな世界で一人きりは少々ハードルが高い。
その辺りも良くしてくれるだろうことが、本当にありがたかった]
そうですね。
連れていって差し上げるわけにはいきませんし。
……失礼を。
[墓地へと運ぶことに賛同しつつ。
ふと思い立ってカウコ傍らに屈みこみ、手元から隠していた刃を伸ばして彼の髪を一房切り取った]
どちらからいらっしゃったのかは存じませんが。
このような場所に全て囚われてというのも、お気の毒に思いますので。
せめて一部なりと外へ。
[楽団の仲間に教わったものに、身寄りもなく旅の空で亡くなった者の遺髪を縁の深い地へと還す風習があった。
同じ理不尽に巻き込まれた間柄、何か出来ることはないかと考えて思い出した。
感傷でしかないだろうがと苦笑しながら、白い手布にそれを包み込むのだった*]
[こちらの提案に賛同したイェンニが、カウコの髪を切り取り包む。
その様子に、僅かに目を細めた]
……ああ、確かにな。
まるっと置き去りも、酷か。
[他に知る者もない場所に置き去りのように弔われるというのも、酷な話よな、と改めて思いつつ。
先に使った担架をまた借りてきて、地下へと亡骸を運んだ。
先ほど運んだ名も知らぬ男の亡骸は、弔われたのか既に見えず。
土の上にカウコを下ろして、しばし瞑目した後]
んじゃま、行きますか。
[軽い口調で呼びかけ、外へと促した]
[支度を整え、エントランスへ向かう。
玄関の扉は開け放たれ、その向こうに揺れる緋色の華が見えた。
メイドが先に言っていた通り、既に雨は止んでいて。
立ち込める霧の中、一筋だけ霧の晴れた道が開かれていた]
……お帰りはこちら、って?
至れり尽くせりだねぇ……。
[呆れたような口調で吐き捨てつつ、その道へと踏み込む。
進むにつれて背後を霧が覆い、やがて、屋敷への道は完全に閉ざされた]
……ま、何と言うか。
できれば、二度と通りたくねぇな、今の道は。
[零れ落ちるのは偽りなき思いを込めた言葉。
それを笑うように風がふわり、と揺れて。
その感触に目を細めつつ、男は自身の知る現実へ戻るための道へ、一歩を踏み出した。**]
[酷というアルマウェルに一つ頷き、今度は自分も担架を支える。
無人の墓地に安置を終えて、黙祷を捧げた]
ええ、長居は無用です。
[促しに従い地上へ戻る。
ここには荷も失ってたどり着いた身。着替えればそれで帰り支度もおしまいだった]
まぁ。
迷うよりは良い、ということで。
[扉の外には、緋色の絨毯の向こうまで、それとわかる道が伸びていた。
呆れ口調に肩を竦めてアルマウェルに続く。
背後には霧が立ち込めてきて、幾らも進まぬうちに屋敷は見えなくなっていた]
そうですね。
二度は遠慮願います。
[心から同意して頷く。
髪を揺らし吹き抜けて行く風は、どんな世界へと導いてくれるものか。
背後を振り返ることはなく、新たな道へと一歩を踏み出した**]
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