情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了
[1] [2] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
……雨。
[降り出した雨に空を仰いだ。晴れた空。強めの雨足は髪を、服を、濡らしていく。ふらりと、立ち上がり]
……行か、なくちゃ。
誰かに、伝えないと……
タカハル君が、誰かを消そうとしてるなら……
止めないと、……
[よろめくように、一歩一歩、通りを進んでいく。遠目にタカハルの姿が見えたなら]
……、……
[反射的に、立ち止まって]
[タカハルが、此方を向いた。そして――笑う。くすりと。楽しい、とでも、言いそうに]
……タカハル君、……
[一瞬、凍るような寒気に襲われた。治まりかけた頭痛が蘇る。疑え。疑え。疑え。頭の中に声が響く。疑え]
……ね、え。
タカハル君……だよ、ね? ……
[此方から近付く事はできずに。掠れた声で問う]
……だって……変、だよ。
なんで、そんなに楽しそう、なの?
皆、まだ見つかってないんだよね……?
[リコーダーを握り締める手も、雨で、滲む汗で、濡れていた。雨が体温を奪っていく。ただ、頭と胸の辺りだけが熱く感じられ]
……ねえ。タカハル君は……知ってる、の?
皆が、どこに行ったか……
何が、起こってるのか……
知ってる、んでしょう……?
[問い掛けの最後は、確認に近い調子だった]
[問いに否定は返らない。回る傘が、揺れるてるてる坊主が、雨の中で舞う蜻蛉のように見えた。
にじり寄るようにゆっくりと、タカハルの方に近付いていく。距離が縮む程に頭痛も声も酷くなるようだった。それでもなんとか、気を失わないようにして]
……駐在所に、行けなんて……言わない。
きっと、行っても、意味がないから。
タカハル君が知ってるなら……
……、皆を消した、犯人なら。
[少しの躊躇いの後にそう言い直し]
……皆を、消さないでって……
戻せるものなら、戻してって……
そう、頼むよ。
僕なら、消していいから……って。
堰……?
もっと、雨が降らなきゃって……
[どういう事なのか。
聞き返そうとしたところで、タカハルのものではない声が響いた。重なる二つの声。それらは頭の中でする声と入り混じり、しかし、酷くはっきりと聞こえて]
……あ、……待って……!
[一つに戻るタカハルの声にはっとし、走っていく姿を追おうとした。すぐには走り出せず、再びその場に蹲り]
……タカハル君は……
ボタンさんは……
あの声、は……一体、何なの……?
[タカハルが去ると程無くして頭痛が治まったが、立ち上がりはしないままに、呟いた]
ねえ。貴方は……
教えては、くれないんですか? ……
[問い掛けは自分に言葉を託す「声」に向け。それに返事はなく、ただ、雨の音が*続いていた*]
[現れ、駆け寄ってきた姿に]
……ヌイさん。僕は……
[大丈夫だと言おうとしたが、自分の顔色を、説得力のなさを思ってか、ただ頷くのみに留めた。ボタンの事がわかったと言ったのには、少しばかり表情を緩めたが]
……アンちゃんが……
[耳に届く名前にリコーダーをぐっと握った。あんころ餅屋の縁台に座らされて]
……キクコ、ちゃんも?
アンちゃんと、ギンスイ君……
皆は、今どうして……?
[暫くしてからヌイが出した幾つかの名前に、そう尋ねる。彼が彼女らの行く末を知っているらしいと、改めて察せられて。
ただ、返事を聞く前に]
……ヌイさんの、言った通り。
ボタンさんだけじゃ、なかったみたいです。
[ぽつりと、先の確認に答えた]
もう一人……
[少しく、逡巡の間があり]
……タカハル君、が。
[その名を告げる]
それがわかって、誰かに言わなくちゃと思って……
外に出たら、丁度、タカハル君に会ったんです。
……いつものタカハル君とは、違いました。
もっと雨を降らさなきゃ、堰はこえられない……そんな事を、言ってて。
タカハル君じゃない声が……一緒に、聞こえました。
その声は……縛から、開放されたい、と。
[呟くように、先程見聞きした事を伝え]
それで、どこかに走っていって……
追おうとしたけど、追えなくて……
[悔やむよう、眉を下げて俯き]
川の方に……向かったんだと、思います。
……。タカハル君……
[その方向を一瞥する。髪から滴った雨の雫が、ぽたりと膝の上に*落ちた*]
[渡されたぬるめの茶を一口二口飲みながら。婆っばん、と誰かに話しかけるようなヌイの声を聞く。頭を過ぎったのはボタンの姿。それにも表情へ驚きを滲ませたが、続く「やりとり」には一層困惑と――少しの緊張を浮かべてヌイの様子を見届けた]
……
お社の……、!?
[突然強い口調と共に引き寄せられれば、刹那、目を見開き]
……ヌイさん。……そこに、ボタンさんがいるんですが?
何かが……いるんですが?
[呟くように。持たされた傘を握り締め]
あ……僕は、大丈夫です。歩けます。……
[背負われれば慌てたようにそう言った。無理に降りようともしなかったが]
有難う、御座います。
[礼を言い、ヌイの肩を左手でしっかりと掴む。傘を持った右手は添えるように。揺れ流れていく景色。タカハルの名前に、頷き]
……絶対に。
[強く、そう言った]
――わあ……。
[指さされた虹色の蜂を見て、感嘆の声をこぼす。それらが...の目には映らない存在を示す様子を眺め]
……はい。……わかります。
[眉を下げてから、微かに、笑んだ]
[川原の手間で降ろされれば、きっと前を睨むようにして歩き出した。探すタカハルの姿は、すぐに認められ]
……タカハル君。
タカハル君と一緒にいる、誰か……
もう、誰も消さないで。
[身構えながらも、ぶれない調子で言う]
……“好きには、させん”
[解放を望む者に応えるような。
ふと、低く漏れた声は、...とは違ったものだったか]
[自分の口から出た声に、戸惑ったような表情をしたが、すぐにはっとして]
……それでも、駄目だよ。
たとえ、どんな理由があるにしても……
人を消すなんて、駄目だ。
人を、悲しませるなんて……
[きり、と鋭く目を開く。強い光の宿った双眸]
“「空」を侵す者を――
主らを、見逃してはおけん。
誤りし者め――”
タカハル君……
[名前を呼び、悲しそうな、苦しそうな表情をする。その声と表情は...のもので]
“愚かな。
暗夜に落ち、道理も見失ったか。
その錯誤、正してくれようぞ”
[強い声と表情は...に降りる「何か」のもの。入り混じり、混ざり合い、ただ、どちらも終わりを求む]
……タカハル君の邪魔、なんて。
本当は、したくないよ。
でも……
“望むは、自由なれど――
理を侵すは許されざる事”
[男のようでも女のようでも、老人のようでも子供のようでもある声。一歩、タカハルの方に踏み出す。も、ンガムラの言葉に其方を見やり、様子を窺った]
[1] [2] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了