せっかくの美女と会話するチャンスを
スマホで済ませてしまうのが残念だーって
地団駄ふんでるくらいさー。[しれっと。]
[信じてあげる。]
うんうん、俺を信じて損はないよー。
…「あれ」、か。二人ともご執心、だっけ?
[自分は若造だ。名を挙げることができれば、
美味しい思いができれば、他は些末ごとだ。]
あー、そうなんだー。
俺もちょっと連絡取りそびれてるけど、
トロワ・シティにもう着いてるだろうね。
[出遅れる理由が思いつかない。]
ふふっ、警察なんて何処にだっているじゃないか。
[おかしなことを言うね、君は、と言わんばかりの声色で。]
…どんな警察がいるかはわからないけどさー。
多分きっと長年悪事を働いてるのなら、
お年寄りでも容赦しない勤勉な警察だろうね?
俺はひとっとびに
ミル・シティに行かせてもらうよ。
[…巻き込まれたくは、ないからね。ぼそりと呟く。]
…一緒に乾杯しようねー。シーユー。
[一転、陽気な声で別れの言葉を告げて切った。発車ベルが鳴り始める中、特急に乗り込んだ。途中、乗り換えもしたかもしれないが、あまり迷うことなく目的地へと着くだろう…?*]
「桜の木を切ったことを正直に話した某大統領がすぐに許されたのはなーんでか?」
「はい、先生!リンカーンがまだ斧を持ってたからです!」
………あら?面白くなかった?
まだ銃口向けられてるから笑えませんってか?
やー、でもさー、家主を人質にとらないと
俺の命の保証がされないじゃない?
[小銃片手にぺらぺらと話しかけている。
ここはミル・シティの有力者の屋敷の書斎。
銃口を向けているのはもちろん家主の有力者だった。]
[ちなみに今日は白衣を着用。
ついでにごついガスマスクも着用している。]
…だってさー、なんか気がつけば俺って
情報弱者でさー。ちょっとは情報欲しいじゃない?
もうちょっとでお仕事終了だけどさー。
このままだとすっきりしなかったからー。
ま、おかげ様でちょっとすっきり?
[この面子で自分が声をかけられた理由とか。お年寄りの因縁だとか警察と通じてるのは誰か、とか。]
ま、そろそろ行かなきゃ。
[それから白衣の男が鼻歌まじりのカウントダウンを終えた頃、まさにミル・シティの各所で文字通り盛大な花火があがった。
今日この時間に合わせて、あちらこちらに送りつけていた時限装置付きのそれが。]
いっつあしょーたー!
[さて、仮初めの仲間達は予定通り動くのだろうか?
それとも今だ檻の中から遠く爆音を聞いているのだろうか。]
にゃー、姫君とはシャンパンで乾杯したかったなぁ。
だって、約束したしね☆
[ちょっと寄り道はしたけれど、時間がくれば粛々と手順通り仕事を開始する。元々の計画どおり。]
はっははははは、はははははー!
やっぱ爺さん、だてに年くってないねー!
[コルト・ガバメントモデル45口径]の甲より年のこー?
[花火の大音量と駆けめぐる黒猫に
戸惑い逃げまどう住民達を尻目に
男は目的のブツがある[校長室]へと向かった。そしてー*]
まったく、学校の先生ってのは暇なのかね?
[後日、ミル・シティのとある学園の校長室から入手したマイクロチップを弄びつつ、スツールに腰掛けている。ゼロシティの、ではない。こじゃれたバーのカウンターだ。]
さぁて、どう料理したものかなぁ。
[にやり不敵な笑みを浮かべて、待つ人はー。
ゲームはまだこれからいいところ…?**]
はーい、姫。
ご機嫌麗しゅう。
[オーナー直々に案内されて現れたザクロを
ひらひらと手を振って、出迎える。
さっきまで弄んでたアレは大事にしまって。]
約束を果たしにきたよ。…覚えてる?
[シャンパン片手に「君の瞳に乾杯!」と言うのは、まだほんの少し後…?]