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― 蛍川 ―
[かんかん照りの太陽の下、白いワンピースの女が川辺に突っ立っている]
……。
[蛍川と呼ばれるその川は、名前通り蛍で有名な場所だった]
[女はいつの間にか村にいた、国籍すらよくわからぬよそ者だった。
村外れに住む、外国帰りの老博士の家に出入りしていることと、
その老博士から『プレーチェ』と呼ばれていることだけ、知られていた]
この川辺で昔、永遠の愛を蛍の光に誓った男女がいたんだよ。
[川を見ながら、女は老博士に聞いた言葉を紡ぐ]
みんなこの川を、大事にしていたんだよ。
[振り返り、仰ぎ見るは今にも崩されかけた山。
女はじっとそれを見つめ、その場を離れようとして]
[橋の下、みうみうと鳴く白い子猫に気づく。
少し困った顔をして]
ごめんね、わたしも居候だから、拾ってはあげられないんだ。
[ごめんね、ともう一度言って、ゆっくりとその場を離れていった**]
/*
弾いてしまった人がいたらごめんなさい。
ここまでわかりやすいと即効占われそうです。むしろ溶けたいです。
ダイイングメッセージは有効に使おう。
[少女の気後れを気にした様子もなくにこにこと]
学校の帰り? 今日も暑いわね。
ところで……、
[スッと橋の下を指差し]
あなた、猫は好き?
[指した先には、箱に入れられた白い子猫]
甘い桃、素敵。
[しばしうっとりした表情]
……うん、捨て猫みたいなんだけど、
拾ってあげられないから困っちゃって……。
[ふと、鋭い視線を感じて振り返る。
少女は彼を『よしのさん』と呼んだ]
こんにちは。
ねぇ、あなた、猫は好き?
[少女にしたのと同じ問い掛けを青年に。
彼の問いには、それで答えになっただろうか]
[お母さんが、という少女に頷くも]
やっぱりそうだよね。困った。
[青年の現実的な意見に眉を下げる。
少女の隣にしゃがみ込み、子猫の額を指先で撫でて]
あなたに蛍川の御縁がありますように。
[小さく呟いた]
[少女が段ボールを持ち上げると、ホッとしたような表情で立ち上がる]
ありがとう。
あなたにも蛍川の御縁がありますように。
[少女に微笑みながら言って。
そして青年を振り返り]
あなたもありがとう。
でも足を止めて、話しを聞いてくれた。
関わろうとしてくれた。
[不機嫌そうな表情に返すのは微笑み]
蛍川はね、御縁を祈る川。
昔、ある男女が、蛍の光に愛を誓った川なんだ。
[二人と一匹の問いに、笑いながら川を眺めて答えた]
通り掛かっても、見ないふりをする人だっている。
[微笑んだまま、視線を揺らめかす]
二人は、永遠の愛を、手に入れたよ。……ずっと、一緒。
[そう言って、空を見上げる]
……少し前まで、村の人ならみんな知ってた話。
今は多くの人が、忘れてしまった話。
変わっていくことに、抗うことはできない。
でもそれなら何故、人は願うの?
それが大切なものだからではなかったの?
[視線を空から移し、青年をじっと見つめる。
そして静かに視線を外し]
私は、
[苦しげに何か言いかけて、声をつまらせて]
私には何もできない。
開発が進めば、蛍はこの川には住めない。
でも人間にとっては、開発はきっと必要なこと。
私はただ、願うことしかできない。
忘れないで。忘れないで。
[青年の大声にびくりと肩を揺らし。
謝罪には小さく首を振って]
……叶わないとしても、願わずにいられない想いはあるよ。
[俯いたまま呟いて]
今日はありがとう。またね。
[無理矢理に笑顔を作って手を振って、静かにその場を立ち去った**]
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