情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了
[1] [2] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
[消えてしまったネギヤのもとから、白い蜂はまた飛び立つ。
ぶぶ ぶ… 先刻まで、ギンスイが居たまさにその場所へ。]
ギン スイ―― 「 其処 」か。
[ぎこちなく、手を虚空へと差し出す。]
なに 『透けとる』…
[此方を睨み上げる態のンガムラを、途方に暮れた態で見遣り]
仏さん なっとる…
[ざああああああ
いつしか、廃屋の屋根を叩く雨音。
移民の男は、はっと我に返ったように辺りを見回す。]
嬢ちゃん…
濡れっと いかんで、これ。
あー… 見せたくない の が、消えっしもたな…。
[サマーセーターを脱いで、戸惑う様子のキクコへ渡す。]
ネギヤさん ときとは、ちっと 違うような――
たましいが、匿われとる ちゅう 感じで。
[踊る、踊る、真白な熊ン蜂。
わかる、みえる、ギンスイへそう伝えるよう。]
見えん。俺にも。
けどギンスイ、聴こゆっで な――
[船頭見習いの移民も、其処に居るギンスイを呼ぶ。]
お前、「わるいことしとらん」て
神さまに匿われちょっで、心配すんな…ギンスイ、
[悲鳴にもならない、喉奥へ軋む音を立てた彼へ――]
―― 廃屋 ――
…
嘘 つかれんで ごめん
[自分のサマーセーターをキクコの頭に被せる。
キクコの肩をぐ、と抱いて降りしきる雨の中、
――彼女を軽トラの助手席へと連れて行く。]
駐在さん と。
アンに―― 報せんといかん。
[荷台へ蜂の巣箱を移し終えると、軽トラは走り出す。
エンジン音と雨音に紛れ、
そのアンの声が微かどこかで聴こえたような―――*]
―― 回想 廃屋にて ――
[エンジンをかけた軽トラにキクコを乗せてから、
――移民の男は一度廃屋の中へと戻ってきた。
カウンターのそばへ落ちている重そうな袋を拾い上げ、
簡易レーダーが置き去りになっている傍へと置いた。]
ンガムラさん。
――これ、りんご。
ギンスイが 『喰ってくれや。』 と。
[ギンスイが持ってきていた袋。
中には重いほどに、林檎が詰まっている。]
姉ちゃ 見つけてくれた、礼じゃ ち。
[移民の男は、袋を開ける素振りも見せずそう言い添える。]
適当に分けて、言うこつじゃったで。
ちっと 残しといてくれりゃええがよ。
[キクコを送った軽トラが彼を迎えに来るまで、
果たして林檎はいくつその数を減らすか――*さて*]
―― 回想 終了 ――
タカハル、セイジ。こんな夜更けに、裏山ンほうから…
[呼び止めた人影ふたつを、ヘッドライトの灯りで見分けると
運転していた移民の男は咎めるというよりは驚いた声を出した。
彼らが、移転したお社のある裏山のほうから歩いてきた様子で、
夜中に其処へ近づくのを村人が好まぬことを知っていたから。
キクコも彼らを――特にセイジの顔色を案じる様子だったかで]
… セイジ …
ほ ンガムラさんに用なら―― 荷台 乗ってけば 良かが。
[ンガムラの名を呼びながら此方へ駆けて来たセイジの瞳に、
男は何か――先のギンスイ>>+7の言葉と通じるものを感じて
問わず荷台を示した。タカハルへは、送るから乗れと声をかけ]
婆っばん。
俺ァ ここン人等が すき じゃっで――怖か。
[低くちいさな声で、年長のボタンへ弱音を吐く。
静かな憤りの裡の不安は、すぐに唇と共に噛むが]
こんなが 続くよう じゃったら。ギンスイみたく
神さまはまた 『間引く』か 知れん なあ…
[呟きは去り際。もう一度夜食の礼を言い軽トラは走り出す。
荷台に乗せていたセイジとタカハルは小言を免れたろうか…]
[その後、キクコとタカハルを其々自宅へと送り届ける。
廃屋で待つだろうンガムラのもとへ向かう折には、
ひとり残ったセイジを助手席に乗せ――村道をゆく。]
ギンスイは 神さまに 間引かれたごと ある――
[笛を握り締めているセイジに、男はぽつと伝える。
然し、間引かれるべき異変の元凶ではなかったこと>>25も。
「仏さん」になった後でなければ己には解らんということも。]
嫌な事が起こってる、て 言うたち ギンスイから聴いた。
…ンガムラさん、話 聴いてくるっと 良かね。
[廃屋へ着くと、軽トラをンガムラに返しセイジを預ける。
自転車にトランクをまた積み替えて、別れ際――ふたりへ]
[1] [2] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了