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[いつの間にか川べりに佇んでいる。訝しげに周囲を見渡すが]
バスの来る時間であったか。
迎えに出るのも忘れていてはもどかしい。
[頷くと適当に歩き出した]
[ポケットを探ると数枚の硬貨を取り出して眺める]
降りるの時に払わなかったか。
あやつも気がついて教えてくれれば良いのだろうな。
いや、あやつは居ないのだから後ろのバスだったか。
一日に一つということならばそうだろう。
[こちらに歩いてくるパオリンに]
これはようこそまみえた。
それはお前の子なのだろうか、頬が林檎のようで可愛いものだろう。
[腕に抱かれるミナツに気がついてにっこりと笑った]
お前どもも待ち人か?
[パオリンの答えに]
あやつは俺が早くに歩けばふくれるで、待っていなければいけない。
目印のないのは訝しい。
バスが来ることに困りはするだろうに。
[ミナツを撫でては良い子だろうと呟く]
[スグルの挨拶されると両手を合わせて会釈した]
よくぞまいった。
ここはお前どもの近辺ならばこの子らに喜ばされて楽しんだぞ。
[先にいくけれどどうする?と問われて]
俺のここにて待てれどもよろしかろうか?
少し遅れているように思われるが。
[パオリンに待ち人の特徴を尋ねられて、身振りで示そうとしたが]
………。
バスに乗って来よう。
[首を振るとだらりと両手を下げた]
あやつは足が短ければそれはあるまい。
それにすぐに窓に止まるのでとても遅いのだ。
ぐらり、大きく車体が揺れ、隣に座る―――を思わず抱きとめる。
窓側の座席から悲鳴が聞こえてくる。
さらに車体は傾ぎ、ふわり、身体が宙に浮くような感覚に囚われる。
――――、次の瞬間、俺は座席から投げ出され、必死に彼女を掴もうと手を伸ばした―――
[弾けるように手を伸ばし、指は何かを掴もうともがく]
―――何事だ?
[突き出した手の先にスグルの姿を認めて訝しげに呟いたが]
同じに乗ったならば、明日には着こう。
バスは一日でひとつなら見逃すまい。
俺も待てば行くと思われるぞ。
河には橋がなければ如何様にするか?
[見えない向こう岸を探しながらスグルに問うた]
[俯くパオリンに]
子の良いも悪いも親どもの喜びとなれば気に病むな。
俺もそうしたく義父に学んだぞ。
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