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[ゆりかごの中にいるような、ぼんやりとした心地で頭を撫でられていたが]
ひゃうっ!
[間抜けな悲鳴を上げ、デコピンされた額を撫でさする。
怒られたい。無自覚の甘えを見透かされた気がして、顔に熱が上った]
……お手伝い?
[額をさする手を止め、きょとりとザクロを見返す。
彼女の言葉の意味をわからないなりに考えて]
私に、できることがあるなら。
[彼女をじっと見つめた後、こっくりと頷いた]
…嫌われてるから誰も心配しない、親もいないし。
[淡々と言った。]
消えたい…のかも。
そうかもしれない、分かんないけど。
[首を傾げて次の質問に答える。
消えてもいいとは思ってはいたが、消えたいとは違うような気もして。]
――――――…。
あの子…人が好きなんだろうね。
わたしと違って。
[なんとなくそう呟いた。]
ふうん。ま、珍しいことでもねえか。
[同じような境遇の青年は言います]
分かんねえなら、もう少し考えるんだな。消えたいとか、消えてもいいなんて考えてる奴が幸せになれる程、世界は甘くは出来ちゃいねえ。
[そうでない奴が幸せになれるわけでもねえが、と自嘲します]
人が好き、ねえ。そういや、そんな感じもしたな。
初めて言葉交わした時にも、謂われのない礼を言われた。阿呆かと。
あんたは人嫌いか。まあ、人なんてそういい生き物でもねえからな。
自分のことは、好きか?
[何となく空を見上げます]
[相手の姿を認めると、自然とその手首に目がいった。
蛍川の女が言っていた言葉が脳裏に蘇る。
彼女の言葉が本当かはわからないけれど、自分なら、一緒に落ちるより自分が踏みとどまって引き上げたいなと思った。]
永嶋さんがこっちに居て良かった。
あっちの世界に戻る方法を探そうと思うんだけど、熱中症は、大丈夫ですか?
[どことなく浮かない顔の男に、そう訪ねた。]
私にもよく分からないんだけど……。
[狐と鬼が争い、神の呪いで神隠しが起きている。
ヨシアキから聞いた話、鬼子母神の神話などを『自信が無い』、『わからない』を要所に取り入れて説明する]
狐や鬼や神様にどんな思惑があるかなんて知らない。
だけど、戻る可能性があるのならば、神様を脅してみるのはどうかしらと思ったの。
大事なものを取られたら、返してくれるんじゃないかってね。
さっき本殿から、これを取ってきたから…次は、鬼の所に行ってみようかなと。
[胸元から小さな包みを取り出して見せた]
バチが当たるならこっち来いって思うのよ。
―――――…幸せ…。
[地面へと再び視線を落とした。]
――――――…。
人は嫌いだけど幸せであってほしいとは思う。
だから関わりたくない。
自分のことは――――…。
[言いかけた言葉を飲み込む。]
どうしてそんなこと聞くの?
あなたは…人が嫌い…?
[質問に質問で返すも、視線は地面に落ちたまま。]
お借りします。
お稲荷様は神様の使い…だとしたら、この神殿に居る神様が、神隠しの主なのかもしれないわね。
さて──行く前に、私の家に寄ってもいい?
取りに行きたいものがあるの。
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なんだか狼みたいですね。
たーだーのーひとーなんですが。
動物嫌いフラグ立てたまま回収できないような気がしてきました。
勢いで動きすぎて、キャラが分からなくなってきた。
さあ、どうしてだろう。
あんたの答えを聞いてみたかったから。
……じゃ、理由になってねえか。
俺は。
[考えを纏めようと、懐から煙草を一本取り出します。赤い光が明滅し、空へと上って行く煙を見上げ。そうした長い沈黙を経て]
……嫌いだな。
その方が、楽だ。
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