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[透ける手を見つめて]
この体じゃボイストレーニングも無いだろうし。
うむ……どうしようかしら。
アイディんティティ崩壊の危機かもしれないわ。
あれ? 居ない?
[考えているうちに姿を消した2人に驚いて、きょろきょろと辺りを見回し、アトリエの扉が開いているのに気づく。
中を覗き込み手を合わせる若旦那にお辞儀をする]
安置してくれたのね。ありがとう。
怪談……だわね。確かに。
おかしいわ。どうしてこう恨めしいとか何か出てこないのかしら。
やりたいように生き過ぎてたからかしら。
でも、やり残したことなんてたくさんあるのよ。
……うらむ相手が誰だか分からないから、かしら?
[手のひらを閉じたり開いたりしながら、誰も居ないアトリエでの片隅に置かれた毛布を見つめる]
まだ、実感が無いだけなのかしら。
……そうよね。
いきなり死ぬだなんて思わないし。まだまだ若いのになぁ。
いろんな歌、歌いたかったなぁ──。
[去っていくセイジに軽く手を振る]
オカマの若旦那さん……似合いすぎるわ。
何か気付いたら、セイジ君に知らせよう。うん。
[アトリエのイスに腰掛ける]
ふぅ。少し疲れちゃった。
ん? 何かしらこれ。
[すみっこにあるスケッチに目をとめる]
マチコだ。
……どんだけ仲良しなのよアンタたち。
まだ帰ってきてないみたいだし、客に心配かけてるわよー。もー。
どんだけ心配かけてもいいから、ちゃんと帰ってきなさいね。わかった!
[絵の中で幸せそうに微笑んでいるマチコに指を突きつけると、ぴしりと言った]
[アトリエの中で、ゆるやかに目を閉じながら、ザクロの歌を歌い始める。
姿の見えないアンの魂が、安らかに、天に昇っていることを祈るかのように。
ジロウとマチコが、無事であるように。
皆が無事であるように。
そして──あの人に手紙が届くように]
──。
[歌い終えると、優雅に一礼する。
そして誰もいないことを思い出し苦笑する]
なんかクセになっちゃったわね。
アンちゃんに聞こえて居ればいいのだけれど。
みんなは、どうするのかしら。
[するりと壁をすり抜け、アトリエを後にした]
──どこにあるかみんな知ってる
どこにあるか誰も知らない
まっくら森は動きつづける
近くて遠い まっくらクライクライ
近くて遠い まっくらクライクライ
[歌い終えると自嘲気味に微笑んだ]
まるで今の状況ね。
こういうときにぴったりなのが、持ち歌じゃないのが、悲しいところだわ。
[ついと空を見上げる]
そういえば、若旦那さんの言う鳥ってなんだったのかしら?
[首を傾げるが*答えは出なかった*]
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