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[そういえば7thにも見つかっていたようだったが、何処にいるのか。猫科の名残か、動かぬ遠くのものは判別しにくい]
『 9thは、8thを見かけて風呂敷マントで逃げた 』
[4thと話している間も機械は勝手に、電子音声を再生し続ける。どうにかならないのかと渋い顔]
……精神?
?お前の世界に戦争はないのか?
[安穏、この状態はそういう風に表現するのか。不思議と言葉の不自由はなく、意味はわかるが理解しがたい概念だった]
いや、リラックスして引き締まる?
[怪訝が困惑になったが、服は着たい。くわえてその口ぶりは少し勘に触る、自分が怯えてるようだ]
……わかった、当座はその服で構わない。
襲うなら襲えばいい。返り討ちにする。
『 8thは4thに感謝する 』
[少し睨むようにいったところで、機械の電子音が重なった]
……なんで日記の癖に喋るんだ、
こいつは。
[ほどなく紺色の浴衣姿になれば、
音声機械を帯の間に突っ込んだ。
黙らせたいが音を切ったら情報が得られない。その間も『9thはおなかがすきました』『9thは地図を発見しました』などと4thにも筒抜けである]
なんだか 全く 落ち着かないが……
一応礼は言っていこう。
[袖はひらひらするし脚は開きにくい、
正直、軽い罠かと思うくらいではあったが。
布一枚よりはマシだろう]
[見やる視線から少し目を逸らす、
猫が見られて嫌そうにするのと同じ顔で]
お前はまだ僕の質問に答えてない。
お前の世界に戦争はないの?
この世界には全然兵隊がいない。
なんでこんなに安穏?なんだ、理解出来ない。
ここにはニンゲンしかいないからじゃないかと思っているけど、どうなの?違う……?
[ここにいるとどうも自分の世界は、何か少しおかしいような気がしてくるのだ。ちらと4thに戻した瞳の色はわずかに揺らぐ]
『 9thはハイパー水鉄砲を手に入れました 』
[4thに問いを向けている間も無節操に電子音声は流れる、地図を発見した、と先ほど流れていた。4thのいう契約を了承するか否か。頷くにはこのニンゲンが何を考え、何を芯とする者なのかが、わからない。]
とりあえず地図を見たい。
[ルールにそって殺し合いをするのなら、
このおしゃべりな日記を黙らせる方法も必要だ。壊さずに黙らせる手段が無いものかと、探すのはフロアガイド]
必要なのは、通信兵の使うような……ヘッドフォンか。
[しかしそれで耳が塞がるのは困る、
帯の間に挟まった難儀な日記はといえば]
『 8thはどこかでイヤホンを手に入れる 』
[随分適当なことを言っていたが、気にせず4thを振り返る]
不可侵条約、
別にそれで僕に不利益があるわけじゃないけど、
利害だけで約束をするのは好きじゃない……。
『 8thはニンゲンを信用しない 』
[電子音声の告げるそれは現在を観測地とした未来、何も行動しないままの未来、そんなことは知らないけれどその声はやはり気に障る]
……お前がどういう奴なのか、説明しろ。
[悩んだ末の結論はそんなところだった*]
[袖から何か出てきた。
なるほど、これはこうつかうのかと見やっていれば、それを差し出された。]
……あ、
これに使えるのか。
[嬉しそうに食いついた、思わずはしりと受け取って、笑顔を向けられれば少しバツが悪い]
『 8thは4thに感謝す…』
[ジャックに突っ込んでみたら声は途切れた、確かにありがたい。が、借りが出来てしまったということでもある]
[4thの真似をして日記を袖にいれてみたが、どうも収まりが悪かった。機械を帯に差し込み直して、片方だけを耳に突っ込む。4thは何故こんなものを持っていたのか不思議に思ったが。
>>289 いずれにしても殺さない、そんな言葉に意外そうにぱちくり瞬いた]
だからといって、
僕はお前の駒になる気はないそ。
まあ、……借りは、一応 覚えておく けど。
[不本意そうに視線を逸らしたが、自分自身の説明に>>291 獅子じゃない、と不本意そうにぽつりと呟いて、問われた言葉には首をふる。争いだけの世界のありようを、好きかといわれればそれはノーで]
そうだな、僕の世界はなんだかおかしい気がしてる。
[ぼんやりと思い出す、世界で最後に見たのは同じ年くらいのニンゲンの少年兵、あのまま喉を裂いてしまっていたらどうなっていたのか。]
[――人の喉を咬み裂くのはいやだ、血の味なんて好きじゃない。首を振ってフロアガイドを注視する、地図を覚えるのはお手の物だ。でなければ潜入任務なんてやってられない。その傍らで、腹が減ったなどと言い出す男に、ちらと目を向ける。]
僕と少し似てるな、名前。セイジだ。
[認識票に刻まれた名を答える、それから周囲に視線を走らせた。フロアガイドは当然見つけやすい場所にある、逆に言えば奇襲をうける心配は少なかったが。]
[丁度隣は、日用品売り場だ。
軽く手にしたのは繊細そうな硝子の花瓶だ。
少し離れて、と4thを制する]
……今まで大体正しかったんだよね。
これの言うこと。違ったりもするのかな。
[薄闇に目を凝らしながら、その壊れやすそうな硝子の花瓶を少し離れた床に叩きつけるようにぶん投げた。
景気よく硝子の割れる音が、フロアに響いた*]
[動かぬものは見難いけれど、動くものはよく見える。動体視力と距離感に秀でるのは、猫科の名残もあっただろう。
ラッテンフェンガーとはわかりやすい言葉で言えば、ネズミ捕り、元々は人間からの蔑称だ。さぐり見やった薄闇の先に、ひくりと視線を上げた]
動いた。
[言うより早く素足は音なく駆け出した、放物線の先が派手な音を立てている。それに紛れてイヤホンから声が聞こえた]
『 修正、8thは食料品売り場で1stを見つける 』
[小瓶の並ぶ棚までたどり着けば、確かに身を低くしているような1stらしき姿が見える]
なるほど、
……こいつのいうことは絶対じゃないのか。
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