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[じゃらり、ビシャルの引き連れる覚えある音が室内より聴こえ、開かれる扉に彼を見上げて目礼。促されるのに遠のいた明かりの列を振り返り、礼を籠めた頷きを置いて室内へ]
他にも冷えた方がいらしたんですか。
[多くの者が列を見送り外へ出ているのも見かけたから、まさか寒そうだった人物が雪の天使を作っていたとは思わない。室内を見回す間に曇る眼鏡をはずし、袖口で拭いながら滲む視界にビシャルを捉えた]
お訊ねしたい事があってお邪魔しました。
―自宅―
[レイヨが室内にはいってから扉を閉める。
分厚いタペストリーが扉を多い、外気の冷たさを遮断している室内は、温かい。]
先ほど、ヘイノが雪まみれでやってきおったからのぅ……
[暖炉の側に行くようにと促しながら、
もう一度茶の準備を始める。
壁に杖を立てかけてから、コップ二つに茶を淹れて。
そのひとつをレイヨへと手渡した。]
ふぅむ……なんじゃ?
[聞きたいことという相手を、じ、と細めた目で見やる。]
雪まみれですか…それは寒そうです。
[キィキィキィ…―――促されるまま火の傍へと寄り、再び曇らぬように眼鏡を温める。本を読めぬ文盲の求道者はつるに歯を立てず眼鏡をかけ直して、本に囲まれて暮らす書士を見た]
貴方は僕の知らない事も多くご存知でしょうから。
書に限らず役立つ知識をお持ちではないかと。
[悴む手を握り感覚を確かめてから、礼を籠めて頷き茶を受け取る。冷えた足の上に組む両手で包み、茶の味より先に温もりを味わう様子]
…――寒いな…
[レイヨの膝掛けを持った侭、ざりざりと杖先で雪をかき、足を進める]
[あん]
[微かな小さな鳴き声に足を止める。
自身の小屋の方向へと顔を向け――
ゆったりと、歩を向けた]
[雪が半ば溶けかけ、水になりかけていた器の中身は薬缶に継ぎ足し。
温かい茶が入ったコップを手にして、レイヨの近くに腰を下ろす。]
わしの知識など、長老には及ばぬがな……
さて、何が知りたいんじゃ?
[書物を読み、伝承をかきとめ――
けれど、そんな生活にはひそかに飽いている。
それを人に見せることはせぬまま、ゆるりと問いかけた。]
―湖の畔―
[松明の灯が見えなくとも、男は湖の畔まで足を延ばしていた。
取り囲む狼たちの気配が強くなる。あまり長居するわけにもいかぬだろう。
だが、この時期にのみ出来る雪原と、そしてそこに捧げられる娘を最後に一目見ておきたかった]
……感傷か。
[吐いた息は白く、見上げるオーロラは赤い。
どう疑い、どう信じるのか。どうすれば、疑いを晴らせるか。どうすれば――生き延びられるのだろうか]
言葉は、無力だ。
だが、時にその器を超えた能力を有する……
嘘、……。
[肩を抱いて、微かに震えた。きっと、寒さのせいだろう]
…………
知りたいのは貴方ご自身の事です。
[供犠の娘の代わりを問うた折に、言葉でないもので語った相手へかける問い。おろされる腰に視線もおりて、近づいた分だけ互いの顔も見えやすいか]
…いかしたい者はおありですか?
[ジジ…――
パチ…パチ――…
レイヨの問いにしばしの間が空く。
暖炉で火が薪を食べる音が響く。]
ふぅむ……生かしたい者、か……
[悩むようにゆるりと一度瞬く。
車椅子に座る相手を見据えるように視線を向け。]
そうだのぅ……
女子は生かしたいと思うが――
[ふ、と僅かに息をつき。
ずず、と茶をすすって。]
なによりも、自分自身が生きていなければ
意味はないのぅ。
[さらりと言い切った。]
― 自身の小屋 ―
[男の小屋は、必要なものすら足りて無い程、ものが少ない。
キィ、と扉を開けると中にあるのはひとつだけ不似合いな程大きな本棚と、質素な木の机と椅子のみ。
尻尾を振って足元に纏わりついてきた子犬の感触に頬を緩めつつ、寒い室内へと入る。
火を入れる気にはなれず、コトリ、椅子に腰を下ろし子犬を構うひととき。]
…――お前が、…――
――いや、何でも無い…
[彼に語る自身も詮無いな、と呟いて]
[イェンニと別れた後、すっきりとしないまま、改めて見上げた空の赤に、やはり自分は嫌いだ、と想う。]
刷り込みってやつかもな――
[目を細めて呟いた。
首元に手をあてる――脈打つものは命のしるし。]
狼使いかどうかってーよりは……もっと……
[形にならない想いは言葉には出来ず、途切れた言葉は誰が聞いてるわけでもなし途切れさせたまま。
暫し赤を見つめた後、祭壇の方向へはやはり視線を向けずにさくりと雪を踏む。]
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