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……とに、かく。
ここにいても、仕方ねぇ……か。
[しん、と静まり返った空間。
誰の声もしないここにいても、得られるものはなさそうで]
どーすっか、ねぇ。
……駅前に戻るか、それとも……。
[過去の自分は、まだ海岸神社にいるだろうか。
いるならば、行ってみるべきか、と。
そんな事を考えつつ、ひとまず、病院を後にした]
止まってても、仕方ねぇ、よなぁ。
[返る声がないのはわかるが、ぽつりと呟く]
『仕事』もしないとなんねーし。
[力は、もう少しすれば回復しそう。
飛ばすのは慣れてきた気がしなくもないが、制御は無理な気がしてならない]
……そも、人の手に負える力じゃないんじゃね、これ?
[多分きっと、間違ってない]
[ふら、ふらりと歩いていく。
頭の中を巡るのは、先ほど病院で聞いた言葉たち]
『約束』……かぁ。
[思い当たる節があるような、ないような]
……そもそも、俺。
なーんで、絵描きじゃなくて、医者になろうと思ったんだっけ。
[意識の隅に追いやっていた事、それへの疑問が過ぎる。
この辺りが多分、解けないパズルのコアなのだろうけれど。
それだけに、というわけではないだろうが、中々答えは見えてくれなかった]
……多分、誰にも話してねーよなー。
[『約束』と、理由。
自分が忘れているくらいなんだから、人に話しているとは思い難い。
つまりは、自分で探さないとならないわけで]
やっぱ、神社で自分と見詰め合うターン? うっわびみょい。
[おどけた口調で言って、それから。
足を止めて、はあ、とため息をつく]
……どーにも。
突っ込みこねぇと、張り合いねー……。
[誰から、どこから、とは言わずにぼやいて、それから。
一先ず、歩みを向けるのは、公園の方]
……ってぇ、とぉ。
[歩きつつ、感じるのは、力の回復]
……今度はどこに飛んでくやら……だな。
[時計は一体どんな状態なのか。
それを問いたくとも、兎の姿は見えず。
零れたのは、小さなため息]
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