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[わしゃわしゃと自分の頭を掻いて、踵を返す。
急ぎ足で教室に戻って、窓辺の少女に声をかけた。]
……何を一人でぶつぶつ言ってんの。
[それは全く人のことは言えません]
[声に振り向いて、おはよ、とその日初めて会った用の挨拶。
校庭に視線を戻した]
[しばらくしてからもう一度振り向いて]
ワタシ!?
……アン、見た?今日。
555ptだ、わーい。
こういっちゃんと会話成功。よし。
しかし何を話したらいいのかわからない。
そして今一瞬寝てた。
満腹で横になると牛です。
[本を借りて図書室を後にしたナオは、ひとり、廊下を歩んでいました。
窓の外には昨日と同じ――けれどどこか異なる光景が広がっています。喧騒は一回り、小さいように思えました。]
さて。
……どうしたものやら。
[首を捻りながら、先程借りたばかりの本を開きます。
――ハラリ、何かが舞い落ちました。]
……………っと?
[挨拶してから突如叫ぶのにややうろたえつつも]
え、うん。お前だけど。
……アンは、見ねえな。噂通り。
なのに、やっぱ誰もよく知らないんだな。
[心配か?とただ無愛想に聞く]
[屈み込んで拾い上げますと、それは真っ白な封筒でした。封はされておらず、隅っこには、宛名でしょうか差出人でしょうか、小さく小さく、“ナオ”と書かれていました。]
……僕?
[心当たりなんて、全くありません。今日この本を借りたのは、気紛れなのですから。特別珍しい名前でもないのですし、偶然かとも思いました。]
(いいや、開けちゃえ)
[けれど、ナオは好奇心に負けて、中身を見てしまったのでした。
中には二つに折り畳まれた紙が入っており、広げると、知らない誰かの名と、短い単語が書かれていました。裏を見ても陽に透かしても、他には何もありません。封筒にも。]
……変なの。
[ポツリと呟いて、ナオは封筒を鞄の中に入れました。なんとなく、本には戻さずに。
それから少し考えて、いなくなった女生徒の教室へと進み始めたのでした。]
だよな。
[眉根を寄せて答えるクルミにぽつり返す]
所詮噂だけどな。誰が言い出したかもわかんねーよ。
それよりも、お前らの方がちゃんと知ってるだろ。
なんか、いなくなっちまうような理由あったのか?
あいつ。
[早足で学校へと足を向けた。身にまとった制服は心なしか湿っている]
どこで、どうやったら傘なんてなくすんだ。
[昨日教室を出たときは確かに手に持っていたのだけど。思い返しながら、通学路をたどっていく]
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