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「…私は神様にはなれないけど、
寒そうな首筋にマフラーは巻けるの。
どう、すごいでしょう。」
[彼女の言葉に、わたしは少しだけ、きょとんとしました
おどろいたのです
それから、嬉しくなって、ふにゃ、と笑いました]
‥‥ロッカ。
ロッカです、わたし。
むっつの花で、ロッカ。
[屋内に戻るのでしょう、女の人に、わたしは名乗りました
きれいな色のマフラー、ほんのり暖かいそれをきゅうと小さく握ります
この人のことも、わたしはかかえていきたいと思いました]
…ロッカ。
私、アネモネが好きよ。
キミの中の6つの花に、
アネモネはあるかな。
私はクルミ。
[名前を交換して、私は屋内へ。
寒さは気にならない。
海を見られたし、ロッカにも会えた。
楽しく温かい気持ちになれた。
病室へ戻ろうとエレベーターを待つ。
なかなか来ないエレベーターを。]
クルミ
クルミ、さん
[わすれないように、彼女の名前を呟きます
顔も、しっかり見ました
大丈夫です、たぶん]
こんど、会うときには、
アネモネ、用意します、ね
[アネモネがどんな花なのか、わたしにはわかりません
でもきっと、ひろくんは知っているでしょう
ひろくんは物知りですから
次に来てくれたときに、お願いしてみようと思いました]
[階段を駆け下りられたら良いのに。
車椅子の車輪を撫でて、吐息を零す。
エレベーターはまだ来ない。
持て余した暇にまかせて、
階段に少し、近付いてみる。
からから。乾いた音で車輪が回る。
よく磨かれた踊り場を進む。
エレベーターはまだ来ない。
少し、振り向いて表示パネルを確かめた。
車輪が何かを踏んだ。
それは、誰かが落としたハンカチだった。]
[車輪が、滑って。
車椅子がぐらりと傾く。
踊り場が途切れた先の階段に向かい。
私の身体も、一緒に。
瞬く間も無く。]
…、
[声を上げる間もなく。
私は、階下へと投げ出された。*]
[車輪が空回る音を聞きながら
私は天井を見上げている。
壊れた車椅子の部品と
私の身体から流れ出す生温い血が、
清潔に保たれていた廊下を汚す。
派手な音を聞きつけた看護師が
慌てて誰かを呼んでいるようだけれど、
私の意識は春先の雪のようなもので。
溶けて、流れて、失われつつある。]
…部屋 とどいて、る かも
おてだま と、
わ たし、の、嬉しい もの…
[絶え絶えの声は、誰かの耳に届いたかな。]
…あの ね、
…ユウキ 先生 。 、 呼んで、て
…、
[看護師が傍に居るのかどうか、
確かめないまま、呟いて。
私は目を閉じる。
そしてそのまま、深い所へ、
沈んでいく。*]
/*
こういう村で、
叶わない約束というもののために
約束など交わしていくというのは
やっぱりとても楽しいのであります。
一生懸命考えてくれたユウキ先生には
とても感謝しているのであります。
/*
ダイイングメッセージ何かいたか覚えてない怖くてよみかえせないというかねむくて
ほんともうしわけない
外からみてるかけんぶつにすればよかったーーーーー
すてきなかたばっかりでさ・・うれしい うれしい
おやすみなさい
[それからわたしは、もう一本、ハイライトを取り出しました
もらったマフラーを汚さないように気をつけながら、そうっと吸います
綺麗な淡い朱色のマフラー、触るとふわふわしていてとても気持ちがいいのです
きっと、クルミさんが優しい人だから、このマフラーも優しい手触りなのでしょう]
‥‥くしゅっ
[どれほどそうしていたのでしょうか
くしゃみが出る頃には、手に持ったたばこはすっかり灰になっていました
わたしは部屋に戻ろうと思いました
なんだか人が慌ただしく動いていて、誰かが落ちたとか、何だとか、言っていましたが、
わたしには、何の事だかわかりませんでした]
[どこかで、大きな音がした気がした。
病院内で珍しい、そう思った気がする。
若者はロビーを覗いた後、自分の机の前に戻ろうと歩いている最中だった。
突然慌ただしくなるのは、いつもの事で。
急患かな、程度に思っていた。
ナースが早足でやってきて、若者に声をかけた。
曰く、患者が階段から落ちたのだと言う。]
患者はどこです?
[早足、半分走りながら状況を聞く。
車椅子の患者が、踊り場から落下。
出血、意識無し。]
輸血と、オペの準備はできてますね
[大丈夫、ここは病院だ。
処置さえ早ければ、大抵の事では大丈夫。
出血死なんてさせない。
打ちどころさえ悪くなければ。
車椅子で、大事な部分が巻き込まれていなければ。]
ご家族に連絡も
[切ったり縫ったりは、専門家だ。
それが仕事なのだから。
そう言い聞かせながら、血だまりの側に立つ。
そこに転がっていたのが、探し人の姿であった時。
少しだけ、動転したけれど。]
え…―――
[一瞬だけ、固まった。
頭の中で、いろんな単語が回る。
誰が、何故、何が、どうして、いつ、どうすれば。
いろんな言葉が巡った後、たどり着くのは結局。
助けなければ、と言う言葉であったけれど。]
止血、急いで
移動させますよ
[いつもと変わらないつもりでも。
少し声に怒気が混じるのは、焦りからか。
それとも、サンドイッチなんて食べずに部屋を訪ねていればなんていう、的外れな罪悪感からなのか。]
クルミさん、クルミさん、目をあけて
なんでもいい、意識を
[それとも、やはり。
患者に少し、情が移ってしまったからなのか。
冷静とは言い難い事は、自分でも理解できた。]
―休憩室―
[少女は本を読むのが好きだ。
特に星の本はいい。
暗い世界に輝くいくつもの点は、とてもキラキラして見えた。
だから今日もベッドで星の本を見ていたのだけれど、病室の外が何故か騒がしくて、そちらが気になって集中できなかった。
本を読む気にはなれず廊下に出ると、医師や看護師、患者まで何か慌しく焦ってる様子だった。
彼らの様子から何かがあったことは察せられても、何が起こったのか確認するのは怖くて。
人を避けるように歩いていると、休憩室まで歩いてきてしまった。
ここには漫画の本がいくつか置いてあって、内容は正直よくわからないけど暇つぶしには丁度いい。
今日は先客が居るようで、そうした時はいつもぺこりと頭を下げて挨拶をするのが自分なりの決まりだった。
だから頭を下げて、先客の前を通り過ぎて本棚の前へと行こうとした所でふと足が止まる]
…ねむってるの?
[首をかしげて、しげしげと様子を見つめる。
少女の両親よりは年上だろう。
祖父母と同じくらいだろうか、よく分からない。
起こしてあげた方がいいのだろうか、あるいは音を立ててはいけないのだろうか。
判断がつかず、おろおろと休憩室を首を振って見渡す]
[部屋で日記を書いていると、扉があきました
傷のにいさまと、さわださんが来てくれたのでした
傷のにいさまは、わたしの首にあるマフラーを見て訊ねます
そいつはどうしたんだ、って
わたしは答えます
クルミさんがくれました、って
そうして、こう続けます
にいさまは、アネモネってお花、ご存知ですか、って]
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