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[さくらが散り――]
あ…、風が気持ちいい。
[躑躅が満開になる季節。]
少しだけ…お昼寝、
――しても……いぃ…?
[わたしはいつものように公園にあるベンチで。
ねむりに*攫われる*]
[歩き慣れた道、というのは、時に厄介なものだ]
…………。
[物思いをしながら、半ば上の空で歩いていても、危険な場所には身体が反応して止まったりとか、良くあって]
…………。
[故に、周囲に上の空、と気づかれない事も、多々ある。
……まあ、彼に関しては、そんな上の空も日常茶飯事、と見なされているのだが]
……んー。
[交差点で足を止める。
無意識じゃなくて、意識しての作用]
どーおしようか、なぁ……。
[呟いて、交差する二つの道を見比べる]
どっちにするかで、どっちに行くかがきまるんだよなぁ。
[そんな呟き一つ、落として。**]
[ばたばたばた]
[慌てたような足音が家へと段々近付いて来る。
扉が開く音。玄関に上がる音。廊下を駆ける音。
様々な音の中にゴンッとぶつかる音を混ぜた後、家の中にとある人物を見つけてそれらの音は一旦止まった]
アンっ! 杏奈!!
それ持ってくな、親父のだ!
[封筒を手に首を傾げる妹>>0に制止をかけ、寄越せと手を伸べる。
逆の手は後頭部を擦っていて、先程のぶつかる音はそこから発されたと言うのが良く分かった。
妹に、「またぶつけたの?」と言われながら友幸は封筒を受け取る]
今日は棚…。
っと、話してる場合じゃない、行って来る!
[ぶつけた場所を口にしたところで時間が差し迫っていることに気付き、封筒を鞄へと仕舞って再び慌しく外へ]
ヤバイ、後10分。
間に合うか…っ!
[移動手段は徒歩。
免許は持っているが、乗り物は生憎出払っていた。
いくつかの荷物を肩に掛け、友幸は全力で走り出す**]
[どれくらい眠っていたのでしょう。]
――…むら…さき?
[浮上する視界を覆ういろを追いかけようとして。
――ばさり。
手にしていたスケッチブックが逃げ出す。]
[表紙に名前が記されたスケッチブックを拾い上げる。
『藤代 六花』
持ち物に名前を書くなんて。
小学生みたいと笑われるけど――]
どれ位、眠っていたのかな…
[記名癖は、抜けない。]
[スマートフォンの時計で時間を確認すると。
{1}0分ほど眠っていたようで。]
――…もうちょっと眠っていたい、かも。
[春は寝ても寝ても足りなくて。
スケッチも眠そうな絵、ばかり。]
[ぼんやりと見やる窓の外]
あ…。次、体育。
100mの計測、だっけ。
[他のクラスの授業風景に目をやりながら、
小さな溜息。
短距離走は苦手。
長距離走は大の苦手。
球技は…ボールが回って来ないと、いいな。くらい。]
[黒板に綴られていく白い文字を、ノートに書き写す手は漫ろ。]
20秒くらいってことにして
走るのパスさせてくれてもいいのに…
[不満そうな呟きに返答する者は居ない。
教師の声に続いて、教科書を一頁捲る音だけが教室内に響いた。]
ほらほら、お喋りはその辺で。
もう遅いんやから帰った帰った。
[手を鳴らしながら言えば、残っていた女子生徒たちは口を尖らせながらも帰り支度を始める。
この保健室ではいつものように見られる光景だ]
はいはい、また明日なぁ。
…… ふぁーぁ。
[ぞろぞろと出て行く子たちを見送った後で、伸びを一つ**]
[交差点に佇んで、悩んでいるものは複数。
その内一つはずっとずっとループしているものだから、まあ、放っておこう。
そも、そんなに簡単に決まるようなら、悩んでいない、とも言うからだ]
……今日のゆーはん、どーするか。
[なので、意識は現実的な問題へと向かう。
一人暮らしで自炊している身にとっては、わりと切実な問題なのだ。
そしてその切実な問題と、目の前の交差点でどう進むかは、実は直結している。
故に、信号が変わるのを眺めながら、どっちに行くかを悩んでいた。
……傍目の怪しさは、まあ。
特に気にしてはいないのだが]
[190cm以上ある体躯が疾駆する姿は正直目立つ。
見慣れた者には、またか、と思われる姿だが、急ぐ友幸にそんな風に見られていると言う意識は皆無だった]
あの店を………左っ!
[目的地は父が診断の依頼を受けた植物園。
公園に隣接するその場所を目指しているのだが、急ぎすぎて曲がる時に人が居ないか確認することを怠ること多々。
運良く誰も居ないことがほとんどだが、時折ぶつかりかけて進路変更、後に壁や電柱に衝突と言うことも少なくない。
お陰で生傷が絶えず、妙に丈夫と言う身体が出来上がっていた。
さて、今回は無事に曲がれたのかどうか]
[どうしようかな、と思いながら空を見上げ。
それから、視線をまた、道へとおろして]
……え?
[横断歩道の向こう側、反対側の歩道。
見慣れたそこを、見慣れぬ何かが駆け抜けて行った]
……う……うさぎ?
[駆け抜けて行ったのは、兎。
それも何故か、直立二足歩行の]
いやいやいや、待とうぜ、俺。
兎が直立二足歩行するとかないっつー……。
[ぶん、と頭を振って呟く。
ないないない、と否定を繰り返して──ため息ひとつ、ついた]
ぁー……ついに、幻覚まで見るようになっちまったかぁ……。
[そうでなくても、ここ数日夢見がよくないのに、と。
ため息混じりの愚痴を一つ、落とした]
……うん。
ちょっと、気晴らしに行こう。
[幸いというかなんというか、愛用の道具一式は持っている。
こんな時は、公園で風景写真を撮るか、植物園で花を撮るかするのが一番いい、というのは経験則]
今頃だと、結構賑やかなはずだしなー。
[なんて呟いて、交差点と現実に別れを告げて。
くるり、踵を返して公園の方へとゆっくり歩きだした]
…、 ぬあ!
[残念、無事ではなかった。
出会い頭に見えた姿に進路を右へ。
その先には勿論、電信柱]
《ゴッ》
[人にぶつかるのは避けた。
その代わりに額を電信柱へと打ち据え、軽く仰け反った]
〜〜〜〜〜〜ってぇええぇぇええぇ
[しゃがみ込んで右掌でぶつけた額を強く抑える。
ジンジンとした痛みの他に、くわんくわんと脳味噌が揺れたような気がした]
[頭上から、大丈夫かと問う声がかかる]
だ、大丈夫、大丈夫。
いつもの ことだ し。
[痛みに涙目になるのは已む無し。
相手に心配をかけないように笑って顔を上げたが、目がチカチカして相手の顔が上手く視界に入らなかった]
……はれ?
[見上げた状態で何度も瞬きをする。
繰り返すうちに視界は戻り、目の前に居たのが近所のおじさんであることに気付いた]
…あ、何でもない何でもない。
頭ぶつけたせいでちょっと目が回ったみたいだ。
ごめんなおっちゃん、びっくりしたろ。
[様子が変と見て取ったおじさんから問われて、再び笑みを作って首を横に振る。
それから前方不注意の非を詫び、友幸はようやく立ち上がった]
[親元を離れて、ここで一人暮らしを始めたのは高校に入ってから。
この春で三年目……ともなれば、さすがに土地勘も養われるし、それなりに顔見知りも増えるもの。
道行く人と適当な挨拶をして、公園への道を行く]
……えー、サボりじゃないですよー、やだなぁ。
[そんな軽口叩きながらふらり、歩いて行くが。
何気に、サボりの常習犯であるのも、知られては、いた]
[順繰りに指名されての音読。
普段なら廊下側からなのに、今日は窓側の列。
でも、それより気にかかるは、次の授業。]
……。
「――とう」
……。
「おい、斉藤!」
[思わず教科書を握りしめて立ちあがってしまった。
隣の席より、「5行目から」と小さな助言。]
瓶にさす藤の花ぶさみじかければたたみの上にとどかざりけり…
[鈴木先生から一旦ストップの声]
「つまり、子規はこの時病床に伏せており――」
[ホッと胸を撫で下ろし、隣の席に感謝の視線を送る。
ふと、視界に入った廊下側の一つだけ開いた窓。
私の身長だと、丁度肩くらいの位置にあたる。
そこにゆらゆらと揺れる2本の白い棒状の何か。
其れは、ぴょこぴょこと上下しながら、前方へと進んで行く。
すりガラスの窓にかかると、2本の白は、黒い影となり、一定のリズムで通り過ぎて行った。]
「おい、斉藤、どうした?感想を聞いているんだが?」
[少し苛立った調子に、慌てて視線を教卓へ戻す。]
あ、えぇと…
……先生。
病気と…関係無いんじゃないでしょうか…
その… 届かない想い、とか…。
実は恋の歌だったり…。
しません、か、ね。
[ぽかんと口をあけた鈴木先生の顔に
人差し指で頬を掻いて、苦笑するしか無かった。]
……にしても、さっきの……兎?
幻覚にしちゃ、妙にリアルだったよなぁ……。
まあ、幻覚ってそういうものなのかもしれないけど。
[なんて呟きながら、歩いて行く]
……あれ。
[その歩みが止まったのは、覚えがある姿が目に入ったから]
……何やってんだろ?
[視線の先にいたのは、やたらと背の高い人。
主に植物園で見かける事の多い姿に、こて、と首を傾げた。**]
[――靴を履き替えて校門を出る頃には、体育の授業で打ち立てた最遅記録のショックからも立ち直っただろうか。]
どこか、寄ってこうかな。
[此れといってあてがあるわけでも無し。
駅前辺りに向けて歩き出した。]
藤の花ぶさみじかければたたみの上にとどかざりけり……
ぅーん。違ったか――
うん、ちょっと急いでてさ。
……………
───あ゛っ、やべっ
[近所のおじさんと会話して、思い出して腕時計を見る。
腕時計の針は規則正しく動き、指定の時間は無情にも過ぎていた]
おっちゃんすまない、また今度!
[慌てて走り出すその様は先程の出来事をすっかり忘れたよう。
後には荷物から零れたらしい木槌が一つ、転がっていた**]
…わたし、寝ぼけているのかな。
[思わず目をこすって。
ふたたび同じ方向を見ても。
てん てん
跳ねるうさぎの姿は、もう*見えない*]
親父っ、悪い遅くなった!
[慌しい様相で辿り着く植物園。
既に診断を始めていた父を見つけ、謝罪を口にしながら駆け寄る]
《ゴッ》
[梯子の上から脳天に拳を食らった]
っ だあぁああぁぁああ〜〜〜
[さっきの余韻も相まって、頭の中がまたくわんくわんと揺れた]
わ、悪かった、って
これでも、急いできたんだよ。
[脳天を押さえながら父を見上げる。
その額はぶつけた名残で赤くなっていた。
上から見下ろす父の表情が呆れたものになる。
それから零される声。
「早めに行動する癖をつけろ」と]
大学の講義もあんだからしょうがないだろ…。
ああもう、今日で3回目だよ頭ぶつけたの。
[家で後頭部をぶつけ、道で額をぶつけ、ここで脳天を叩かれた。
脳細胞大丈夫かな、などと考えながら父を手伝う準備をする]
……と、そうだった。
親父、手紙来てたぞ。
[思い出して鞄から封筒を取り出して、梯子の上の父へと渡した。
封筒の中には手紙と写真が一枚ずつ。
先に写真を眺めた父がそれを友幸へと渡してくる]
お、これってあの藤園?
綺麗に咲いたなぁ。
[写真に写っていたのは満開の藤。
10年程前まで住んでいた街にあった、有名な場所。
花が咲いた時は勿論、診断や治療のために父が訪れる度に着いて行ったのを覚えている]
杏奈も気に入ってたよな、あの藤園。
ずっと行けてないしなぁ…また直に見たいな。
[父が樹木を再生させるのを見て、自分も同じ道を辿りたいと思ったのはあの藤を見てから。
想い出の藤の美しい姿に自然瞳が細まる]
……そーいや。
[この藤園を持つ家に同い年くらいの子が居たよな、と。
記憶を辿るに連れて一つ思い出す。
話をしたことはあまり無かったが、可愛い子だったと記憶は告げていた。
そんなことを思い出していると父の声が頭上から降ってくる]
に、にやけてなんかねーよ!
ほら、作業すんだろ、何やれば良いんだ?
[呆れ顔の指摘に焦りながら返して、話題を打ち切ろうと本来の仕事を父に促した。
道具を一つ落としてきていることに気付くのはもう少し先の話**]
え、俺?
あー……うん、気晴らしに、写真撮りに公園いこっかなって。
[そういや、どこに行くんだい、と。
おじさんに聞かれて何気なくこう答える。
だったら、公園か植物園か、どっちかにいるだろうから届けてやってくれ、と頼まれた。
特に断る理由もないから、頷いて落し物を受け取って]
んじゃ、またー。
[ひら、と手を振って歩き出した。**]
[手のひらで、スマートフォンが震える。
マナーモードの通話機は、震える事で着信を知らせてくれた。]
ひゃっ! …め、メール…?
[画面に表記された文字列で、実家からの連絡だと知るけれど。
急に戻される現実は、心臓にわるい。]
[ロックを解除して、ボックスを開くと。
短い本文と共に、咲こぼれる藤の写真が表示された。
きれいな紫いろは、今年もたくさんの人を満足させているようで。]
――…そういえば昔…、おともだちだったあの兄妹。
今でも元気、かな…。
[ふと、むかしの頃を思い出す。
親の仕事の関係で、家に出入りしていた、しっかりもののお兄ちゃんと、元気いっぱいの妹。
たしか名前は――…]
ともゆきくんと、あんなちゃん。
[藤園の子が直ぐ近くに居るとは露知らず、友幸は父の指示に従い作業を進めていく。
最初に行うのは外観調査。
遊歩道と樹木の位置確認をし、枝や幹が折れていないかを確認。
それから木槌を使って打診をし、危険度の評価をするわけなのだが]
(………ヤベェ)
[友幸はひっそりと焦っていた。
持って来た荷物の中に木槌が無い]
(荷物は全部入れてきたはず…!
じゃあどこかで落とした!?)
[大騒ぎしないのは、道具を落としたと父に知れたら拳骨どころか雷が落ちると分かっているから。
大事な仕事道具の管理は技術者の基本だ]
(今から探しに行ったら直ぐバレるしな…)
[打診以外の作業をしながらどうするべきか考える。
このままではバレるのも時間の問題だ**]
ぁ…。プライズ、変わってる。
[駅近くのゲームセンター、店頭に置かれたクレーンゲームの中身に目を留めて]
他のも変わってるかも、しれないし…。
[店内の景品も確認するべく、自動ドアをくぐった]
[静けさを取り戻した部屋には、外からの声がよく届く]
野球部は今日も遅ぅまで練習か。
大変やなぁ……
[窓の外を横目で見ながら、机の上の資料を取ろうと手を伸ばし]
ん?
[ふと動きを止める。怪訝そうに眉を顰めた。
グラウンドには球拾いに走る新入生と、発破を掛ける先輩部員、けれども真昼が見つめる対象はそのどちらでも無かった]
……何、今のウサギみたいなん。
[首を捻り。
けれども少し後には溜息を吐いて、眉間に手を遣る。
さっき見えたと思った“ウサギ”は何処にも見当たらない]
……気のせいか。
気づいてなかったけど、疲れ溜まってんやなぁ。今日ははよ寝よ。
きっとボールかなんか……
[言いながら再び目を遣ったグラウンドの上を、白球が転がっていく]
……にしちゃぁでかかった気ぃもするけど。
まぁええか。
[もう一つ息を吐いて、視線を外した**]
[アニメのキャラグッズや、お菓子のプライズを素通りして、奥へと進んでいく。
『初心者さんも取りやすくなってます!』のポップがつけられたクレーンゲームの前で足を止めた。]
……あ。
今日、ついてるかも。
[運動音痴も極めれば、クレーンゲームでさえ、ほとんど取れた試しは無い。初心者用と銘打たれた物で、ごく稀に成功するくらい。
掬子がコインを投入するとすれば、このポップが付いた物に限られるのだが、今日の景品は以前から気になっていた『専用ウサギ』のストラップ]
[取れそうな個体を捜索中、近くのフォトマシーンから機械的な声がして、思わず目をやった]
『それじゃぁ撮るよ?3・2・1・ハイ』
[閉じられたカーテンの中で一瞬、強い発光。
なんとなしに視線を降ろすと奇妙な物が目に留まった。]
……ぬい、ぐるみ?
[仕切り用カーテンの途切れた下の部分から覗いていたのは、裸足。
それも、ふわふわもこもこ。
まるで…専用ウサギの足みたい。そう思い、プライズにチラリと目をやって、視線をもう一度移した時、足の主は消え、カーテンも開かれていた。]
(……よし)
親父、俺あっち側見てくるわ。
[頃合を見計らい、父の傍を離れる算段をつける。
かけた声に承諾が返り、「番号振り忘れるなよ」と注意が飛んできた]
分かってるって。
んじゃ行って来る。
[チェック用紙やら何やら必要な道具を持ち、平然とした様子で父の傍を離れる。
ある程度離れ、死角になる場所へと来ると、植物園の出入口へと急いだ]
― 商店街 ―
「あら、もうこんな時間!
ちょっと配達行ってきて!」
……はいよ。
[出来上がった弁当を(04)個、銀バッグに入れて肩に掛ける。忙しそうな店頭は避け、裏口から外に出た]
[植物園に踏み込むと、は、と一つ、息を吐く。
植物や動物に触れるのは、子供の頃から好きだったから。
そういう意味でも、ここは気に入りの場所だった]
……さってとー、さっきのひとはー。
[預かりもの片手に、呑気な口調で言いながら、ぐるり、周囲を見回す。
実際、向こうの状況とかは知らないから、こちらは呑気そのものだった]
[出入口へと向かえば植物園へと訪れた人達が行き交うのが見えた]
っと、ごめんよ!
[急いでいたものだから辺りを見回す青年>>52とぶつかりかけ、身を翻してその横を通り過ぎようとする]
「今日もありがとねえ、ギンスイちゃん」
ちゃん付けは止めて欲しいんだけど、オソメさん。
[ギンスイと呼ばれるのはいい。むしろ祖母と読みが同じで、女っぽい名前だと感じてしまう本名より自分でも好きだ。が。
24にもなってのちゃん付けは、いただけない]
「明日もよろしくねえ、ギンスイちゃん」
はいはい、また明日。
[とはいえ、こうしたやりとりも毎度のこと。
ニコニコと変わらない祖母の親友に勝てるわけないので、肩を竦めて流して終わる]
(でっかい?
ん? 俺か?)
[一応でかい自覚はある。
かけられた声>>54に急ブレーキをかけて、少したたらを踏みながらも振り向いた]
俺?
[人差し指で自分を指し示す]
落し物って……あーー!
[青年>>57の手にあるものを見て、思わず声を上げた。
木槌を指差しながら大股で近付いて行く]
それっ、俺のっ!
うわ助かったー、探してたんだよ!
届けてくれてありがとなぁ。
[ホッとした表情で笑い、木槌へと手を伸ばして]
君、名前は?
是非お礼をしたいんだが。
あ、俺は樹村友幸ってんだ。
…あれ、写真撮るんだ?
[安堵の影響かぺらぺらと口が回り、相手へ問いかけまくっていた]
こないだ貰ったの、これか。
[帰り道、ゲームセンターの店先にて。
ふてぶてしい猫のマグカップが箱に入っているのを見つけて何となく止まる。
ちなみに貰った奴は今、店先で割箸入れとして鎮座ましましている]
はあ...いい加減、お化粧崩れちゃうし。
いつまでかかるのかなあ?
[青空の下 ぽつねんと 放置]
いっくらモブ扱いだからって、ひどくない?
[ぶつぶつ 自分で言ってて 悲しくなってきた]
[渡された木槌>>63を握り、作業着のベルトへと差し込んだ]
いやぁ、失くしたら大事だったものだからさ。
綴木進矢、進矢君だな。
本当にありがとう。
[名前を確認して、再度礼を言い笑みを浮かべる]
へぇ、植物も撮るのか。
ここのも撮ったりするのかい?
父が樹木医でね、ここの植物も手がけてるんだ。
[物言いが曖昧なことは特に気にせず、問いを重ねて一度視線を周囲へと向けた]
『ツキちゃーん、もうちょっと待っててねー。監督、もうちょっと雲が欲しいって』
はーい!了解でーす!
[雲待ちかよ! とは言えず にっこり]
あー、じゃあ、すぐに届けて正解でしたね。
[大事なものだった、と言われて>>66にぱ、と笑った。そちら方面の知識はないので、木槌を何に使うのかはわかっていないが。
物言いが曖昧になったのは、どうしても『撮れないもの』があるからで。
幸い、そこを突っ込まれる事もなく、話題は流れていく]
うん、ここにはそれ目的で入り浸ってますよ。
[問いかけに、こくりと頷いて。
それから、ふとある事を思い出してぽん、と手を打った]
樹木医の樹村さん……って、あー、職員さんからもたまに聞くなあ、名前。
ここの植物が元気いいのも、樹村せんせのおかげだー、って。
[大事と言うのは、雷が落ちると言う意味でだったが、当然口にせず]
あぁ、本当に助かったよ。
[にぱ、と笑う相手>>69に笑んで頷いた]
そうか、生き生きしてる時に撮ってくれると嬉しいな。
俺が言うのもなんだが、実績もかなり積んでるし腕は良いよ。
……あ、そうそう。
この藤園の樹も父が診たんだ。
[持ったままだった藤園の写真を取り出し、進矢へと差し出す]
綺麗に咲いてるだろう?
[自分のことのように言う友幸の声と表情は自慢げだった]
-映画館-
…泣いてないから。
[暗闇の中、小さく告げる。
スクリーンの映像を見ずに指摘する子供。
その隣、母親だろうか。
前を向きなさい、と注意している。]
(サングラス、持ってて良かった。)
[ほっと胸を撫で下ろしながらも未だ、余韻。
胸を抑える。
まさか開始10分で、こんなことになるなんて。
内容、知っているのに。]
…
[――――。]
…知っているから、かな。
[零れた呟きは、音楽に紛れて消える。
今は子供も、大きな画面に視線を向けて。
気付くものは誰も。]
はぁ……。
[小銭入れにしている花柄のがま口をパチンと閉じる。
ゲーム機の音が重なっている店内から外へと出ると、何時もより静かに感じるのは何故だろう。]
やられた…。
[項垂れぎみに店を出て、ぽつりと呟けば、クレーンゲームを眺めている姿が目に入った。]
にゃんこ師匠…?
[彼が見つめている筐体のプライズに描かれたキャラの名前を、ぽつり呟いた]
-外-
―――…
[額に手を充て、空を仰ぐ。
肌に感じる日差し。
サングラス越し、映る世界はモノトーン。
遠く、うすらと見える藤色の幻影はあの頃の。]
…白昼夢。
[記憶、なのだろうか。
色褪せないイロに目を細めた。*]
[ほんのちょっとのぎこちなさ>>74。
親しい間柄なら気付けたかも知れない異変はこの少しのやり取りだけでは感じ取れず。
置かれた一拍は驚いたものと判断された]
ここの藤は本当に見事でね。
地元では凄い有名な場所なんだ。
親父はホントすげーわ。
俺もいつかあんな風になりたいと思ってんだけどね。
まだまだ経験が足りねーわ。
[進矢の屈託の無い笑みを見て笑い返してから、視線を植物園の木々へ]
………えーと。
すまない、もう戻らないとならない。
[笑みは浮かべたままに友幸は顔色を変える。
色んな意味で覚悟した]
木槌、ホントにありがとな。
ゆっくりしてってくれ。
[写真を撮りに来たんだろうと勝手に思い込み、進矢にそう言って立ち去ろうと。
足取りがやや重いように見えるのはきっと気のせいではない**]
黒い奴のもあったんだな。
[ポケットの中を探って、硬貨を1枚投入]
ああ、そんな名前だったっけ。
[少女が呟いた声は、小さいのに何故か良く通った。そうだそうだと頷きながらボタンを押す。初心者設定なら、普段は(07)割くらいで取れるが、今回は]
……あ。
[思いきり外れた。掠るどころじゃない]
これ難しいな。
[ギャラリーの前でこれは恥ずかしい。
店内から出てきたところらしい少女の顔を確かめて、頭を掻いた]
[屈託ない笑みと語る口調は、純粋に父親を尊敬してるのかなぁ、と思わせて。
それもそれで、少し複雑なものはあるが──まあ、出しても詮無い、と押し込めた。
そんな制御は、ここに来てからはいつもの事]
ほんとに、大事にされてるんでしょうねぇ、ここの木って。
[なんて、適当な相槌を打ちつつ。
友幸の視線の先を追う事はしなかったから、彼が何を見たのか>>78には気づく事はなく]
え?
あ、そーっすか。
[顔色の変わった様子に、どしたんだろ、と首を傾げながらもその意を問う事はせず]
これから、お仕事っすか?
頑張ってくださいねー。
[妙に重く見える足取りで戻る背>>79にややお気楽な声を投げかけた]
……さて、と。
[当初の目的を果たした所で、は、とため息をつく]
どーすっか、なぁ……。
[いつもなら、感覚に任せて写真を撮りに行くところだけれど。
何となく、何となく──そういう気分になれなくなって。
もう一つ、息を吐いてがじ、と後ろ頭を軽く掻いた。**]
[雲待ちは まだ終わらない 超ヒマ]
藤、かあ...懐かしい、かも。
[高校の演劇部時代 藤棚の下で 野外劇のイベントを仕掛けた]
ふふ、テレビ局とか取材に来て、みんな有頂天だったっけ。
[女優になりたいと 本気で思い始めたのは きっとあの頃から]
ホント、懐かしい...
[まともな役名や台詞のあったのは、主演女優の妹役だったデビュー作の映画一本きり]
[実家に連絡すると、もう帰って来いとか、見合いしないかとか、そんな話ばかり]
[億劫になって最近は短いメールで近況を送るだけ]
[ぴょこん 何か 跳ねた]
え...?
[直立した ウサギに 見え]
あのう...日陰で休んでいいですか?
[絶対 熱射病 *間違いない*]
ああ、いや、君のせいじゃないよ。
俺が下手なだけだから。
[独り言でもなく話しかけるでもない中途半端な言葉にも反応してくれた少女に首を振る。
ギャラリーがいても気にしたことはこれまでにない。本気で欲しいと思ってはいなかったのが敗因、かもしれない。
揺れる髪に、俺もこんな時代があったっけなあ、なんて年寄り臭いことを考えていた]
こっちの方が取れそうだったし。
でも同じの2つあっても仕方ないんだよね。
[リベンジはしたいけれど、邪魔になっても困る。
彼女が顔を上げるまで少し悩んで]
君は、これ好き?
取れたら引き取ってくれたりするかな。
[顔見知りでもない男がいきなりこんなこと言ったら怪しまれるかもしれない、と思い至らなくなってるくらいには悔しかったらしい**]
[ぼんやりと。
物思いに耽ること約(06)]分。
そろそろ場所移動を、と思い鞄に手を掛けた瞬間――]
…八重…藤……?
[目の前にふわりと広がった紫いろ。
数代前の趣味娯楽から始まった藤棚作り。
実家では無数の藤の花が次々に花をつけるけれど。
突然変異とも言われる八重藤は、果たしてあったでしょうか。]
樹村の…おじちゃまなら、
――知ってるかも。
[幼い頃から見慣れた景色は、
【藤の花】、ただそれだけの。
おぼろげな記憶しか残ってなくて。
精々、あんなちゃんと二人で、花房をぶどうと間違えて口にしようとして、ともゆきくんに止められた記憶しか強く残っていなくて。]
う〜ん、思い出せない。
[悩むそばを、ふたたびうさぎが横切った。]
――…実家でうさぎを飼った記憶は、流石にないんだけど、な。
[馴染み過ぎた景色のおぼろげと。
馴染みのない動物のおぼろげさに。
わたしは春の魅せたまぼろしだろうと思い込んで。
再び目をこすって、ベンチから*立ち上がった*]
……よっし、終わり!
帰ろ。
[一日も無事終わり。
保健室に鍵を掛けてから、未だ練習の行われているグラウンドの隅を通り、校門をくぐる]
ん、まだ明るい。
[少し前ならすっかり真っ暗になっていたはずの空も、徐々に日が長くなり。
気をつけなくても歩けるのをいいことに、空を見上げながら足を進めた]
[ここで突っ立っていても仕方ない。
そう思ったけれど、どうにも気が乗らない]
……んー、ちょっと、歩くか。
[まずは気分転換するべきか、と。
そう呟いて、遊歩道を歩きだそうとして]
……?
[根拠はない。
ないけれど、誰かに呼ばれたような気がして振り返って]
……っ!
[いろが広がったのは、一瞬。
霞纏って揺れる藤色は柔らかく──けれど、瞬きする間にそれは消え失せる]
……なーん、なの。
[ぽつり、零れ落ちる呟きは小さく掠れたもの]
疲れてんのかなあ……。
なんか、ばーちゃんのお気にに似てんなぁ。色。
[その空の色にふと思う。
今は亡き祖母には懇意にしている仕立屋があって、その特に大事にしていた着物もそこでこさえて貰ったものらしい。
真昼自身もたまに祖母に着いて店に行ったり、また代わりに品を取りに行ったりしたついで、そこの娘さんと他愛ないお喋りをした記憶がある]
……元気にしとるといいけどなぁ。
[帰郷の折、その子の噂を聞いたのはどのくらい前のことか。
表情を少し曇らせた……が、それも刹那の事]
…… うぇ?
[空の色が少し変わった―― だけでなく、手の届きそうな位置まで落ちてきた。
瞬き数度。
薄紫色の花の群れははたちまちのうちに失せる]
…… えぇぇ、なに今の。
[疲れが見せた幻覚、と言ってしまうにはあまりにはっきりとしたそれ。
人通りの少ない静かな道の上で、一人立ち竦んだ**]
[ゲームの行方に注目していたら、商店街のどこかから聞き覚えのある歌が耳に届く。]
(…あ、この曲…)
[とある映画の主題歌だったという記憶。
曲自体にそこまで思い入れがあったわけじゃないのだけれど。]
(今頃どうしてるんだろ)
[この街に越してくる前、まだ幼かった頃の記憶。近所に住んでいた、云わば憧れのお姉さん。女優さんになったって聞いた時、自分の事のように嬉しくて、映画、何度も観たっけ…。]
[以前住んでいた所の記憶を、少しだけ遡る。あれは…いくつの頃だったのだろう。]
……。
[生まれつきの運動音痴だもの、当時だって例外では無く。
あの頃もよく、転んで泣いてたっけ。
―― 涙をふきふき見上げれば一面の薄紫
そっと髪にさしてくれた藤の花は、かんざし
笑顔で手を差し伸べてくれたのは――]
……誰、だっけ。
[甘い香りと薄紫の記憶は、曖昧なまま。]
《ゴッ》
[本日二度目の拳骨。
頭には計4個のこぶが出来ていた。
つまるところ、父は一部始終を見ていたのである。
木槌を見つけたことであげた大声が届いていたらしい。
離れているのに目が合ったのもそのためだった]
[公衆の面前で怒鳴り散らされるよりは良いが、痛いのには変わりない。
殴られた箇所を押さえながら、友幸は訥々と話す父の声を聞いていた。
「仕事道具の管理はしっかりしろと言っただろう」
「仕事を手伝い始めて何年目だ」
「二十歳になったんだからもう少し落ち着け」などなど]
手伝い始めて二年目ですすいません…。
[思わず敬語になりながら答えて、ぐさぐさと突き刺さる言葉を受ける。
帰れと言われないだけマシだが、思いっきり凹みそうだった]
……あ、そういや親父。
藤代さんからの手紙、なんだったんだ?
写真だけじゃないだろ?
[話が一段落した頃、ふと思い出したことを口にする。
問われた父は再び作業を開始しながらその問いに答えてくれた]
…八重藤の花つきが悪い?
それで、診に来てくれって…?
[返答を聞いて友幸の表情が変わる。
あの藤園の片隅にあった珍しい藤。
幼い時の記憶が残る場所]
……あれは、枯らしちゃならない。
親父、診に行く時は俺も連れてってくれ。
[そう頼み込むが、大学があるだろうと突っぱねられた]
じゃあ、連休の時だけでも良いから!
どの道、治療するとなれば長くかかるんだろ?
[恐らく父と他の作業員が長期出張してあたることになるだろう。
ずっと居るのが無理なら休みだけでも良いからと譲歩して、好きにしろと返事を貰う]
さんきゅ。
行く時期決まったら教えてくれ。
[強張っていた表情を緩め、安堵した様子で笑みを浮かべた]
[藤園にある八重藤が自然発生の突然変異のものなのか、他から移植されたものなのかは知らない。
けれどその樹は友幸にとってとても大事なものだった]
───約束したからな。
[咲き誇るあの樹の下で、また会おう、と]
……藤の花、かぁ。
[ここに来る前にいた場所──つまり実家の裏山には、野生の藤が群生している場所があって。
子供の頃は、よくそこで遊んでいた、けれど。
いつからか、そこには行かなくなっていた。
理由や切欠は、記憶のどこにもないけれど]
……なーんで、だっけ。
[ふと、そんなことを考えたのは、先ほど見せられた写真があまりにも見事だったから……かも、しれない]
……ま、今考えるべきは、そこじゃないかぁ。
[ふる、と首を振って泡沫のような物思いを振るい落とす。
今考えるべき事は、多分、きっと]
……今日の夕飯。
[と、もう一つあるのは、またもぽいしておいた]
どーすっか、なぁ。
アッ…
[先ほどは押しすぎたから、今度は手前を狙う。
じっと見て間合いを計っていると、にゃんこ師匠のニンマリ顔が、藤色のすだれの向こうに霞んだ。
ありえない。驚いて予定より早くに離してしまい、小さな声を上げた]
…っと、セーフ。
[狙った場所より手前になったが、初心者設定に助けられたようだ。アームの端がしつこく引っかかってくれて、ゴロリと回転させることが出来た。
そのまま転がった景品は、ゴトンと重たい音を立てて、取り出し口までやってくる]
[軽いファンファーレが鳴る中で、戦利品をしゃがんで掴み出す]
はい。
[そのまま無造作に、少女に向けて差し出した]
[話が途切れ、作業に集中し始めた頃。
木槌で打診を行っている時に、ポケットから着信を告げる音が鳴った]
杏奈?
[軍手を脱いでスマホを操作し、通話状態にする]
どうした?
[問いかけに返るのは困惑の色。
兎やら藤やら捲くし立てられる言葉は文章になっているようでなっていなかった]
待て待て、落ち着け。
ちゃんと順序立てて話せ、な?
[「お兄ちゃんみたいに頭打ってないのに!」
「兎が二足歩行で!」
「なんでか藤みたいなのが!」
まだ落ち着いていない模様]
それ暗に俺が頭おかしいとか言ってないか?
[そんな風に話が若干ズレたりもした]
ふう。
[日陰で ぽつんと やっぱり放置]
今日中には、終わるかなあ...あっ!
[放置仲間の 子役の女の子 目の前で走ってコケて]
ちょっと、大丈夫?
[思わず 立ち上がった 白無垢って歩きにくい]
怪我してない?泣かないのね、さすが女優!偉い偉い。
[子供は好き 女優になれなかったら 保母さんでもいいなって]
[お姉さんて 慕ってくれた 近所の内気な女の子]
キクちゃん、だっけ...
[ハナとキクで お揃いだねって 笑った]
[付き添いの母親のとこに駆けて行く、子役の女の子の後ろ姿]
[あの子もよく転んで涙ぐんでいたっけ、と]
[今日は、なんだか、昔の事ばかり思い出す]
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