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[ひとたび吹いた、強い風。ハナミズキの香りを纏った、四度目であるそれに、目を瞑り、開いて]
……
[漂うのは血の、死の匂い。
倒れるグリタを、ペケレを、フユキを順に見]
……また。三人も……
……。最初が一人で、次が二人。
次が三人、なんて。
[呟き、傘を回す。
目線は自然とバクやテンマの方を向き]
……、
[グリタに駆け寄り、声をかけながら止血をしようとするバクに、何も言わず、あるいは何も言えずに、少し離れたところからその光景を見て]
……獏君。やめて下さい。
栗田さんはもう……
[自分を傷付けてグリタに血を飲ませようとするバクには、それだけを言って。助力を求めるようにドウゼンの方を見た。
テンマに(>>17)問われ]
僕が……? 違いますよ。
僕は「犯人」でもなければ、その協力者でもありません。
[はっきりとした調子で答える。
もたれるように意識を失ったニキに、その場に膝をついて座り、ひとまず支えるように]
……兎の声が聞こえる、と。
そう言っていたのが……その力が。
頭痛の原因、なんでしょうか。
[テンマやドウゼン、バクらの対峙をニキを支えつつ見ていたが、近付くバクに顔を上げてその話を聞き]
獏君。……貴方が責任をとる必要なんて……
僕は貴方には……皆さんには、死んで欲しくないと思っています。
これ以上犠牲が増えないようにと。
[血の付いたタグを見て、静かに首を横に振り]
そんな死ぬのを前提にしたような事……
駄目です。
だから、それは……受け取れません。
それに、口ばかりなのは……
[バクの背を見ながら、最後は小さく*呟き*]
[目覚めてその場に座るニキに見る。兎と目を合わせ、チェロの仕業、と呟くのを、彼女にドウゼンが語りかけるのを、聞いて。
背後から遠い吼え声がしたような気配に、一度振り向いてから正面を向き直した]
僕も貴方の話が聞いてみたいです。
[ニキに向け、ドウゼンの言葉に続けるように。バクとテンマの方を時折見やりつつ]
天馬さん。やはり、貴方がやったんですか?
佐藤さん以外を……
[テンマが話すのに、呟くよう。
先程の問いを重ねて問われ]
彼女……清水さん、ですか。
清水さんが倒れたと同時に……
それは、見ていませんでしたが。
結んだ……?
一蓮托生、というようなものですか?
そのような術は、僕は持っていませんよ。
[再び否定する。近付いてくるテンマと、間に入るバクとを見て、傘の持ち手を握り]
/*
テンマニキ人狼、でいいのかな?
グリタ占、ビセ霊で。
フユキは狂信? 守護はバクかも?
ドウゼンは素村な気がする。
[ニキとドウゼンが話すのを聞こえる分だけ聞いていたが、妙にはっきりと聞き取れた、責任、終わらせよう、という言葉。
管理棟へ向かおうとするニキに]
――先生、
[ドウゼンの事を呼び。
強い風が吹き始めた(>>56)のに、ぴくりと肩を揺らし]
……僕は……
人を結んだりなんて、していません。
ましてや兎を攫ったりなんて……
僕は、嘘は吐いていません。
僕は嘘吐きではないんです。
役立たずでも、……
[バクの声に踵を返そうとするも、身体がうまく動かずに。ぽつりぽつりと零しながら、一歩、二歩だけ後退する。管理棟へ向かうドウゼンの姿が視界の端に見え]
――っ、
[風の音が強まると共に。彼が去った光景が、歪み、ぼやけた。闇の中のように閉ざされる視界に、完全に動かなくなった身体に、息を呑む]
……僕は、……僕は……
嘘では、ありません。……嘘なら、……
[闇の、風のせいか。普段表情のない少年の顔に、何かを恐れるような、どこか泣きそうにも見える色が、僅かに浮かび]
……ごめんなさい。ごめんなさい、許して下さい。僕が……悪いんです、……
[この状況に対してとも違った、謝罪の言葉を紡ぐ。幼い子供のように]
……ごめんなさい……だから、……
[お父さん、と零した声は掠れて。バクの声や、ハナミズキの香りは、届いたか、届かなかったか]
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