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[湯を落としてから、棚へと手を伸ばしていると
掛けられた声に、顔を、向けた。
困った風に眉尻を下ろして、頷いた]
ひとを、殺すのですもの。
例えその相手が誰であれ―――、
ここを、無事に出たって。
引き摺ってしまいそうですから…
大義のある殺人、が、
わたくしは…おそろしいのです。
[俯く様子は殊更悲しげな音色を落とす]
娘、が。
ヴァルテリ様のお口には…
実は、わたくしが合ったり
するのでしょうか。
[聞こえた言葉に冗談めいた声を返す]
でしたら、次はヴァルテリ様が。
タベタイ方を食べて下さいませ。
わたくしは、横からつまみ食いますわ。
[血の匂いににはまだ酔いそうだけれど
ふたり喰らって力が満ちてきたのか
我慢もきくようになってきた気がするから]
[ニルスの言葉にゆるりと頭を傾げる。
それから、嗚呼、と呟いて]
扉が、壊れていましたでしょう?
あれは昨日からではなかったと気がして。
何か参考になるものが無いかと、
わたくしなりに調べておりました。
何も、わかりませんでしたけれど…、
っウルスラ様、
[居間を目指して歩いていく彼女を見て
伸ばした手指の先が、
ニルスの服の裾に不安げに触れた]
[居間に入る直後ウルスラの慟哭めいた叫びを聞いた
周りを見渡して、様子を探る]
…どういうこと…ですの?
[掠れた声が漏れた]
レイヨ、さん、
危険な事は…なさらないで下さいませ…!
[疑いを持てば殺すと言い切ったニルスの
その横顔をチラと見て
表情には出さぬように言葉を向ける
それは、嬉しいのですけれども。
レイヨさん、
死ぬまでは、なんて。
あなたも、 死なせませんわ。
[護ると言ってくれている彼を。
決して死なせはしない]
血の匂いは、きっとクレスト様ですわ。
レイヨさん。
わたくしは、勿論、生きたいです。
でも、こうして声を、
聞いて下さるレイヨさんも。
共に…生きていて欲しいのです。
それに。
わたくしが本当に生きているか、
レイヨさんが死んでしまわれては
確認できませんわ?
[まるで死のうとしているように、感じて。
彼の方へ駆け出さぬよう、必死で自分を押し留める
[クレストの笑みからウルスラに視線を移し
レイヨへと顔を向ける]
…あの、
[発される棘の言葉の数々。
良い言葉も思いつかず、
彷徨わせる視線はニルスやヴァルテリへも留まる]
人間だと…、知っている、とは。
どういうことでしょう…?
[ニルスの様子に、その手にしたナイフに。
顔を強張らせながら震える声で尋ねた]
[気にしちゃいけない
そんな言葉に、返す言葉は無くて。
ただ視線はニルスのナイフに縫い留められていた。
ざわり、と 毛を逆立てながら]
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