-ネギヤの部屋-
もっちもちではないか。
[ボンレスハムも恥じらう程に、
ロープでぐるぐる巻きにされたネギヤがベッドに横たわっている。
塗りたくられた血糊(高級ケチャップ)もそのままに、少女は仁王立ちしてネギヤを見下した。]
女のテントは宇宙だと言っただろう。
侵入したら…
怪我して。[蹴飛ばした]
火傷して。[蝋燭をたらした]
後悔して。[髪の毛を散切りにした]
最後に爆発する。[臍に爆竹を置いた。]
おっさん。
あとの黒幕は一任する。よろしくたのむ。
[少女はゾウサクになにもかも任せてしまうと、
あとは一心不乱にネギヤの部屋で二代目のテントを張り始める。]
…覗くべからず。
[そう言い置いて、テントのなかに宇宙を作り始めた。**]
[問いにも、やがて破裂した爆竹にも、テントの中から反応は無い。おっさんはベッドに近づき、ネギヤを見下ろす]
本当に無残な姿になってりゃ、世話ねえな。
ゲームとか言って、俺らを殺す計画だったのか。何のために?
……なあ。チカノちゃんのことも、殺そうとしたのかい。
あの子、俺に一任するってよ。
[ポケットに手を入れて、ナイフに触れる*]
―食堂―
……さて、そろそろ言ってもいいのかな。
[一呼吸置いてから、こう言った]
私が占い師です。
ペケレさんを占いました。……人狼でした。
あはは。何も迷うことなくなった。
アンちゃんに投票すればいいんだよね。
[前言撤回、そう呟いた]
訊いてみたいな。
どうしてあたしを占ったの?
…見たな?
私のあられもない姿を見たな!
[いつの間にかテントから抜け出してきた少女が、
おっさんの背後に立って突然声を掛けた。
いまもそのままケチャップ(高級)まみれで。]
その腹肉…ボンレスハムにしてやろうか!
私も、決まりました。投票先。
[占い理由を聞かれて]
……えーと、まあ。
とりあえず、昨日いっしょに話したことある人を占ってみようかと思って。
そしたら、この通り。
背高さん、ですよね?
わたしゲームのこと良く分かんないのでちょっと相談したくて。なぜ背高さんにお電話したかというと、さっき私の占いで背高さんが狼でないということが分かったからです。
これは今日みなさんにこの結果話したほうがいいんですかね?
[ガイドブックにカリカリ書いては丸を書いたり、×を書いたり]
ホントこういうの考えるの苦手で。
いやいや待て待て!ハムにケチャップはいまいちだ。
[背後からの声に、そっと距離を取りつつ振り向いた。こちらもケチャップまみれだ]
メール送ったからみんなも見たぜ。
俺もひどいもんだからおあいこってことで。
[食堂が映るTV画面を指さす]
ちゃんと「死体」の写真送らないと、ネギヤに何かあったの気付かれるだろ。
君が、占い師か?
[携帯電話からの内容は、さすがにタイミング良すぎて声がうわずった]
……。今、占い師の事を考えていたのだが、名乗り出れば人狼は君を襲撃したいだろう。私が代わる、のはどうだろうか、と思っていた。
私もルールは詳しくない。
どうなるのか全くわからないが。
おっさんのケチャップまみれなど、何程ならん!
[二つ折りにしたロープを両手でひっぱりながら
ぱしんぱしんと乾いた音を鳴らせて言い放った。]
…さて、ココアでも飲むか。
[おっさんがゲームの話をし始めると、くるりと向きを変えてテントに帰っていく。一任した事柄に口を出すつもりはないらしい。むしろptを消費するだけのつもりらしい。]
人狼、にしてはずいぶんと小さい足跡だな。
[自分が占い結果を代わりに言う。イマリの返事はいかがだったか。
ペケレに背高とメモを貼られたスカシカシパンを印籠のように持って食堂に来て、方々に残る猫の足跡に目をやる。
にぎやかなおさげ姿はない。
オレンジのテントはE・Tの世界、覗くのはとりあえず後回しにした]
うん、ゾウサク君が占い師だったのか?
[聞こえた言葉に首を傾げた]
…狼を騙せるでしょうか。
上手くいけば、もう一回占えるってことですね。
[ごくん、と息を飲む]
分かりました。
[携帯の電源を落とすと、食堂に出る]
ゾウサクおじさんがどうしたの?
あ、これ昨日言ってた薬みたいなやつ。何に使うのかな?