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[一瞬、眩暈のような、眠気のようなものに襲われる。視界が戻るのとともに、祭りのざわめきがまた戻ってきた]
毎度。
[お代を受け取ると、頬をぽりぽりとかいた]
そうね。
いつものお祭りのようだけど、なんだか少し違うみたい。
試しにあの人に声をかけてみましょうか。
[屋台のそばに立つ人影に声をかけてみる**]
そこの若者、占いはいかが?
いつ自分がここへ来たか…は、覚えてないんだ。
オトハねーさんと同じで。
[かしりと後頭を一つかく]
なんかどーも、頭がはっきりしないな。
……あー眠ぃ。
[30円を渡し、少しふらついた*]
[あれは賭けだったと、男は過去を振り返り想う。
「ただ、一度だけ」。
その言葉に込められし賽の意は二つ。
自身が身代わりになるか、それとも力が勝つか。]
ま、未熟だった、という事でしょう。
[風に飛ばした白粉の夕化粧花が揺れるのを見て。]
――ごめんねぇ。
[紡ぐ、言の葉は。肝心のあのひとには届かない。]
― 自宅 ―
神隠しだなんて、ライデンさんまでやめて下さい。
[数ヶ月前に夫となった男にそう言って、居間を後にする]
生贄の儀式を模すなんて話があったけど、どうなったのかな。
― 救護テント ―
ミナツちゃん……
[手紙の『シロ』を指でなぞった。
その下、ンガムラとムカイの名を見て眉根を寄せ俯く]
そういえば、消えた人すべてがシロではないの?
[テーブルの向こうに見えた足元。
赤い鼻緒が片方。
花の香りが鼻腔をくすぐる中、見上げて少女の名を*口にする*]
…ここ、どこ?
[記憶もなにもかも曖昧な中で、気がつけば屋台が立ち並ぶ中にいた]
あたしも神隠しされちゃったのかな…
…けど、大して変わらないのね、つまんない。
[そう呟くと、ふらふらと辺りを歩く。片方の足は素足のままで**]
[神社。賽銭箱の前の階段に座っている。
手には『8年前の自分』が写った写真。
比べるように、今朝方姿見に映った自分の姿を思い出す]
8年分、ちゃんと……
[ぽつりと漏らし、少しだけ唇をとがらせた]
[賽銭箱の前で、手を合わせては願う人々]
そのおねがいは どこにいくのかな
ねえ かみさま ?
[見えないものを追うように、視線を漂わせた*]
[ふらり踏み出した先
どこかで鬼ごっこ遊ぶ声に、蘇る子供の頃の光景]
泣いて探して走りまわって…
川の中に居るの見つけ、必死で手ぇ引っ張った。
あの時、あいつ、どんな顔してたっけ*
[声をかけられ、びくり立ち止まる]
あ…フユキ先生。
[小さく首を振り]
…私の力は、弱いものです。
年に一度、お祭りの日の明け方に、たった一人を…見ることができます。
[それからフユキをまっすぐに見て]
シンヤさんが…人ではない何かに、重なって見えました。
わからないけれど、怖い、何か。
去年、ンガムラさんを見た時とは、違っていました…。
― →神社 ―
[近くを見回ってくると言い残して救護テントを離れた。
賽銭箱の前でシンヤを見つけ、近づいて見上げる*]
ねぇ、何で少しずつ消えるんだろうね?
あと6人、このまま全員消えるんじゃないかって思ったりはしない?
みんなどこ行っちゃったんだろう。
いろんな方が集められている、
そう言った方が正しいのかもしれませんね…。
[オトハの言葉に、古い言い伝えをなぞり]
占い…そうですねぇ。
焼きそばにしようか杏飴にしようか…
げふん、いやもとい、
[告げ人 アン]と[学生 ムカイ]の未来なんかを、ひとつ。
[いい加減な事を口に乗せて願ってみた*]
ただ、見るんです。神隠しが起こるという、祭りの明け方…きっと、何かが「繋がる」のでしょう。
[方法を問うフユキに答え]
犯人、という言い方が正しいのかどうか。
でも、シンヤさんはおそらく、神隠しを起こす側に関わっています。
…なぜ、そんなことを?
どうすれば、止められるのでしょう?
シンヤさんは…今、どこに?
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