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[老人たちはボソボソと呟きながらこちらをちらちらと見る。
それに腹が立ってきた。]
わたしはこんな町どうだっていい。
思い出も何もない。
だけど、生まれ故郷だから。
でも変われば捨てられる。
この町はわたしの生まれた所じゃなくなる。
[溜息をついた。]
何も知らないならいいの。
また…探すから。じゃあ。
[そう言って寄合所を後にした。]
[それから、診療所の中に戻っていたが。
新たな「神隠し」の話は、そのうちに...のもとにも届いた。騒ぎを知った村人の一人が、診療所を訪ねてきたのだった。
深刻な表情と声色で語られる内容、また人が――今度はペケレとグリタの二人が消え、イマリも行方がわからないというそれに、息を呑み]
そんな、馬鹿な。
[昨夜も呟いた言葉を、また零した]
……また御縁か。
蛍川で溺れたとでもいうのか?
[此方を見つめる瞳に対し、苛立ちの感情が浮かびます。口調にそれが漏れるのを、できる限り抑えます]
いや、探していると言ったな。
話が見えないのだが。解るように説明してもらえないか?
[しゃがみこんだままの少女を見下ろしたまま]
―回想―
[水をまいていれば、通りがかる女生徒の姿>>2:135]
おはよう、金田の嬢ちゃん。
ああ…ネギヤの奴、まだ見つかってないらしいな。
[返事を返せば、つぶやく声に>>2:138]
こればっかりは俺にもわかんねぇよ。
話を聞けば聞くほど、神隠しって言葉しかあわなさそうだし。
[軽く言葉を交わしていれば、写真屋の光野の姿が見えた。何か安子と会話をしているようだが、良く聞こえない]
らっしゃい。
[>>2:157の声に返すように、声をかける]
確かに暑いな。扇風機でも回そうか?
[レジに向かい、上に取り付けてある扇風機のスイッチを入れた]
[彼の瞳に微かな苛立ちの色を見て取り]
[あぁ、と音にならぬ息をついて、ゆっくりと立ち上がる]
……蛍川の二人は、許されぬ恋を嘆き、
来世で添い遂げることを誓って二人で川に身を投げた。
いまりちゃんは、『彼女』の加護を受けていた。
そして『彼』の加護を受けた者が、神隠しに遭った。
『彼女』は『彼』を追って、そして……。
「先生も、お気を付けて」
[丸林の老婆と同じ言葉を残し、その村人は去っていった。出入り口付近から診察室に戻り、椅子に座る。膝上にじっと視線を下ろし]
……神隠し。
[呟く声は、曖昧に]
そうか。それで、永遠の愛か。
神隠しと御縁との相互干渉とは。
……運命とは皮肉なもんだな。
二人の絆が変わらず、いつまでも共にあるよう、願ってやるといい。
[立ち上がった少女に、微かに眸を細めます]
―回想―
[程なくすれば、石木先生の姿も見えた。女性が3人会話しているのを眺めていれば、光野の声>>2:168]
すまんな。それだけしかないんだ。
それに、真っ白で横書きの便箋か…すまん、おいてない。
…もうちょっと品揃え良くしないといかんな。
[こういうことも考えなきゃいけんな、と、ちょっと反省中]
[次々に来店者も増え、ジュースやアイスが売れていく]
『…しかし、洒落で入れた味噌アイスがこんなに売れるとはな…』
[内心驚きつつも、会話を眺めていた]
名前かな。
呼ばれるものだから、名前だと思う。
呼ぶ人は最近、いなかったけれど。
[頭を撫でられると、]
わぷ
[妙な声があがった]
言ったから、だけじゃない。
欠夜来の頃だから。
雨が降ったから。
それから、
[言葉を止め、思案げに視線を彷徨わせる]
……せっかく来たんだから、ゆっくりしていくと良い。
[誤魔化すように、そんな言葉を続けた**]
[ぼんやりと歩く。
空をこんなに不安にも見つめたのは初めてだった。
人が消えることが怖いんじゃない。
忘れられることが怖いんじゃない。
できるなら忘れてほしい。
そうすれば幸せだから。]
神様なんていない…だって…隠すならわたしでしょ…。
[誰にも心配されない。
隠されたことに気付かない。
それは、死、でもなく消失。]
[口元微かに開いたまま、ほうけたように彼の顔を見つめる]
[目を細めた彼の表情]
[こくり、小さく頷いて]
……ありがとう。
私、神隠しの原因を探さなくちゃ。
御縁は私にも関わりがあるのだもの。
[静かな決意と共に告げる]
[そしてふと、落ち着きを取り戻したことで晴れた視界に映ったもの]
……怪我してる。
[彼の頬に、そうっと手を伸ばした]
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