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ほう……
[おもしろい、というような相槌を一つ。
咽喉の奥を鳴らして笑う]
なら……どうして、アイノやレイヨは死なねばならんかった?
おなじこと、だろう――
[死にたくないからだと。
そう暗につげながら、嗤う。
日に一人なのは、夜でなければ狼で居るのは辛い事だからだ。
夜の間に全てを食べれるわけでもなし。
だからいま。
すこしでも気を抜けば人にもどるだろう]
[血の海に彼女の身体が沈みこむ。
優しかったひと、この心を慰めてくれたひと。
はじまりのきっかけは、些細なこと>>+10
それを機に、時折イェンニが訪ねてくれるのが楽しみだった。
最初の頃、わざと作業を遅らせて彼女を引き止めた。
慣れてからは自然と、お茶を淹れて会話を交わすのも約束になる。
女は窓辺で縫い物をしながらも、窓を閉めることをあまりしない>>0:11
人恋しかった。
窓越しに垣間見える村の日常を、女は愛した。
二度と帰らぬ、穏やかで暖かな日常を]
[不意をつくように飛び掛ってくるクレストの動きは分かっていたから、まだ人に戻ることはない。
それでも何かを握っているような、その拳に。
警戒して、横に逃げようとニルスから意識を逸らした]
[触れる、ぬくもりなどは感じない手。
だけれど、彼女がそこにいるとは伝わる。
そっと頬を、首を、喉を撫でて、口もとを緩めた]
答えをあげないのなら、僕が答えようか。
[マティアスも、ウルスラも、一瞥してから視線をイェンニへと向ける]
食べられたなんて、とんでもないって。
――ねぇ、イェンニ。
/*
首狙い(40)→<40>
とかやりたくなった(最近TRPG動画を見すぎではありませんか、少し落ち着きなさい自分)
…そんな、
[一度顔を伏せる。
クレストを責めるつもりは、元よりない。
己の手を止めてくれた彼の手を、血に染めてしまったこと。
それへ向かうのは、傷つけてしまった時と変わらぬ謝罪の念。
じっと俯いて、泣き出しそうな思いを堪える。
届かずとも彼の手を握り締めたかった。
なるべくイェンニの死体を見ないよう傍に寄って、
固まったような手指>>13に透明な手を添える。
音も涙もない、沈黙の慟哭。
それを破ったのは、マティアスの小さな悲鳴だった>>+15]
……、ユノラフ…!
[血飛沫あげて倒れる男と、灰の狼>>11
そうして現れていた桔梗の毛並みの獣に、目を瞠る。
非現実的なほどの赤に染まる視界。
悲しみよりも先に衝撃が来るのは、己もまた死したが故か。
いつしか意識は逸れて、女の視線は真っ直ぐに、
ただ桔梗の毛並みの狼へと注がれていた]
[生者らが争う様子は耳に届いている。
けれど今この目に映るのは、桔梗の色の狼と、]
…イェンニ?
もう、戻れないの?
そのままでしか、いられないの…?
[レイヨの視線>>+29が薙いでいく。
けれど目をそちらに向けることはしないまま、
嫌悪とは違う静かさで、女は桔梗色の獣へと問い掛けた]
イェンニのふりをしていた、獣……
[マティアスの声>>+32に首を傾げる。
包帯をなくした男は、かつての姿を取り戻している。
それへ反応を見せることを今はせずに、口を閉ざした。
脳裏に、イェンニの言葉がある>>4:70]
…目覚めたと、言っていたわ。
[すり寄せられる頬を、喉を撫ぜる。
目は細まり、笑って]
君は、いつでも君だよね。イェンニ。
[マティアスの言葉を否定する言葉]
最初からずっと君だった。
ウルスラさんのほうが、よくわかってるみたいだね。
[そして、そういうとそっと手を離して]
どうやら、ヴァルテリさんも、死ぬつもりのようだね。
――いや、そうなっちゃうのかな。
ごめんね。
僕は、夢を覚ましにいかなきゃね。
[そう言うと、イェンニのことをもう一度撫でた後、姿を消した**]
…イェンニ。そのままでは分からない、わ。
あなたまで言葉を失ってしまったの?
そんなの、ずるい。
[返る瞳の色は、変わらないまま。
だから声は僅かに湿り気を帯びてしまう。
かち合う視線を逸らすように、少し目を伏せた]
…ずるいわ、イェンニ。
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