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騒がしいですね。
[神社入口に佇むゾウサクに後ろから声をかけ、先に進む]
ねえ、バク君は「寂しい」って思ったことある?
[見上げて、少年の姿を*探した*]
うむ。
そうだったら、残された者が困るという事もないだろうな。
全て弾けて元に戻るのなら良いのだが。
[聞こえるか、というペケレに頷き]
ああ。私には、少々曖昧に聞こえるが……
バク、か。
[その呼び名を呟く。神社に行こうというのに、そうだな、と応え]
[神社の入口まで来ると、ゾウサクに一礼し]
先程ぶり、ですね。
[騒がしさが伝わってくる奥の方を見やる。それから、神社の中へ*向かったか*]
[躊躇いは無かった。
飛び込んできたプレーチェに気づくと小刀から手を離し、体をひねり、彼女の後ろに回ると、背中を突き飛ばした]
怪我をする。あなたに何かがあったら、教授は悲しむ。
それに…私は、プレーチェを消す覚悟なんて出来ていない。
[ヨシアキの木刀は避けきれず、右肩をしたたか打ち付けられる]
ごめんなさい…私は先生じゃない。
私は神の使いでもなんでもない、神様の言うとおりとも思わないし、神が滅びればいいなんて思わない。ただ、空の上から見ていればいい。
細い路地とつぎはぎだらけの町。
木なんて公園か神社にしかない。どんどん壊されて新しい物が作られる場所で育った…神様なんて見えない。聞こえない。
わがままで酷くずるくて身勝手な、どこにでも居る当たり前の人間。
私が今こうしているのも、誰かの為なんかじゃない。
そうしたいと思ったからそうしているだけ。
話し合いで、譲り合える、ことならばそうしていた。
[本人が選ぼうとしてたのはほとんど脅しだったが]
だけど、話し合いで済まないなら……痛みを感じなければ分からないなら、それを使うまで。
っ!
[背中を突き飛ばされて、前のめりに思い切り転んだ]
[膝を軽く擦って、痛みに顔を顰める]
……、老先生。
[教授の笑みが脳裏に過ぎる。
あの人は優しいから、きっと悲しむだろう。でも、]
私のこの体は、いつか消えなきゃいけないから。
……ううん、消えるんじゃない。戻るの。
“あやかし”がただの蛍に戻るだけ。
[起きたことはどうにもならない。
そう分かっていても、考えてしまうことがある。
例えば、声が聞こえることを、ここの世界があることを、もっと早く伝えていれば。
光野が、ネギヤが呼ばれていることを、伝えていれば。
今、石木先生と空彦が確信のないまま刃を握ることは無かったのかもしれない。
こちらの世界の言葉、神様の望むことを、ちゃんと聞いて伝えていたら、神様は、こちらの世界に皆を引き込まないでも、済んだだろうか。]
神様は、空彦くんのこと消えて欲しいなんて思ってないよ。
[神の使いなんて嘘だけれど。
神様の答えは聞いていないけれど、そう言った。]
神隠し、とよばれたモノは
どこまでそれを続けるつもりか・・・
忘れられる事がなくなるだけ?
寂しさが埋まるだけ?
時の流れから・・・
村すべて 包み込んで消すつもりなのか
……一体何のつもりなんだろ。
暴力で全部片をつけようだなんて……
野蛮だし、そんなの時代遅れじゃない。
[嘆息。
自分が消えてなければどこまで介入できたのだろうか]
神隠しは、消してしまうことじゃなくて、ここに居て欲しいから、起きるんだよ。
[木刀を握る空彦の手を引きながら、必死に話す。
帰れないかもなぁとふと思った。
子供の頃、神隠しにあった時、一緒に居た父親は戻ってこなかった。
何故かは覚えていない。]
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