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[今日も、陽の光で目を覚ます]
[ベッドの中でまどろみながら、昨夜の食事風景を思い返していた]
………。
[久々に交わしたマティアスとの会話(と言っても言葉を返すことは出来ないのだが)、暖かな食事、ニルスの気づかい……。
マティアスを拘束していた縄も、解いてもらう事が出来た]
[勿論、良いことばかりではなく、ウルスラの姿を改めて確認した時は、やはり辛かったが。覚悟していた分、衝撃は少ない]
[屋敷の中で、惨劇が起こっていることなど夢にも思わず――]
[穏やかな表情で、いつの間にか再び眠っていた]**
[共に眠る と何度告げても
ドロテアがどうしてもひとりで眠ると言う
言い出したら譲らない頑固な彼女を知る為
女は苦虫噛みつぶした顔をして了承し――
隣の部屋へと入ったのだった*]
え…、ええ。
[誰何のように名を問われるのに、小さく返す>>2
怪我人の彼に、それ以上を返すことはしなかった。
怪我をする前の彼のことは、知っている。
何故だか大量の魚が目の前でひっくり返ってみたりとか、
何やら避けようとすると殊更当たる気のする男。
女も彼の表情を見てしまうから、結局つど気まずく視線は逸れる]
ユノラフ、…いい?
[結局、彼の方が苦手を相手が意識しないでくれる分やり易い。
そういうことなのだけど、
女はやはり緊張の面持ちでユノラフへと声を掛けた。
階段を上がり、部屋へ至れば少し眉を下げる]
ごめんなさい。本当はお手伝いはないの。
その…ちゃんとお礼を言っていなかったし、だから。
[女は、言いにくそうに切り出した。
最初の理由は確かにそうだ。
けれど礼は既に述べているから、理由としてはおかしいだろう]
……その…、
[こつ。と杖を鳴らして彼の傍へ歩み寄る。
意を決して、彼を見上げた]
死んだ人の夢。その魂の夢。
夢の中で私は、この足で自由に動き回っている。
いつもは人の死者の夢。
けれど時には、何か違うモノの夢。
ひょっとしたら、私が人狼なのかも知れないわ。
だって、こんなにも不吉な。だから……
…だから、私にそんな話を聞かせては駄目。
あなたが死んでしまうかも知れないわ。
だから気をつけるように、言いたかったの。
けれどこんなこと、皆の前で言えば…こわい。
人狼だって、まだ目覚めるとは決まっていないというのに。
きっと変な女だと思われてしまうから………
… ごめんなさい。
[囁くように謝罪を告げて、目を伏せた。
ただの妄想と笑われるかも知れず、
もしくは人狼と疑われるのかも知れない。
けれど親切にしてくれた彼には、言おうと決意した。
なにもなければとのヴァルテリの言葉が脳裏を過ぎる。
惨劇の前、女は儚い希望と恐怖の予感に震えていた*]
―回想―
[縄を外してもらえたら、腕をさすりながら]
あ、ありがと……
[何度も何度もくどいというくらいにその場にいる皆に御礼をいって、久しぶりに両手で危なっかしい食事を取った]
[それからは、ヴァルじいの旅の話を静かに聞いていた。
人狼云々を忘れることで、心の平衡を取っているような……そんな過ごし方をした]
[部屋割について言われれば、一階の一番狭い部屋がいいといった。
また今朝のように迷惑かけるわけはいかないし、広い部屋だと落ち着かないのだ。手を伸ばしたらすぐ何かに触れられるところ―― 結果、男は1階の使用人控室で休むことにした]
―ゆめ―
いいはまうるい
るなだ血らほて
まいけなていっ
はいしいっさこ
いなか繋がいの
たいかるいちが
つないだ手だけ
海の音が近い
いつまでも帰れない
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