[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
子供をたくさん産んで、増やさなきゃいけない事は知ってる。
でも、それを拒んだ母さんは罪人?
母さんを殺したあいつの方が、正しかったのか?
[包丁の切っ先を、ダンケの腹に触れさせる。
少し力を籠めれば、それは容易に腹部に喰い込むだろう]
ダンケさんも……あいつらと、同じなんだろ?
っ…ハ、 んく、…はぁ。
[小さな体に体力はあまりないが狭い村を回る程度はなんとかある。
とはいえ息の上りは早かった。
それでも走るのは、村の民であり医師として、そして ――――家族のために。
ンガムラの走る音も背後から聞こえていた。]
あっ、あそこ!
あれって、せーじくんかな…
一緒にいるのって、―――――
食べるか、食べられるか…?
どちらも、同じ意味じゃないですか。
だって命は巡るのだから。
[小さく呟くと、ホズミの後を追いかけた]
そうだね。この村ではお母さんの方が悪いんだろう。
少なくとも、僕はそう思うよ。
[それは、村に生まれた者としては当然の思考。腹部に微かな痛み。突きつけられた包丁。]
そうだね。僕も同じなんだろう。この村の人間だからね。
[清治に答えつつも、これ以上刃を進ませぬように清治の手を押さえようと]
あれ、若葉さん?
[叫び声を上げ駆けて来る姿に、そちらを振り向き困ったような表情をする]
やだな、これじゃあ……
[切っ先に僅かな手応えを感じながら、思案するように]
[若い男にしては体力が乏しい男も、息を切らしながら走っていたが、何とか足を止める事はなく、其処まで辿り着いた。ワカバの声に立ち止まり]
セイジさん、
[その名を口にして]
……ダンケさん、
[続けて、共にいるその名をも口にした。ほとんど同時にワカバの叫び声が響き渡る。男は咄嗟に駆け出す事もできずに立ち竦み]
はぁ…ッ、ダンちゃんっ…、逃げて!
殺されちゃ… やだ。
[息を上げながら走りにくい畑へと向かい、ダンケの方へ駆けよれば肉切り包丁を持つ清治を睨みあげた。]
清治くん、…
―――― そうやってアンちゃんも殺したの?
だったら、――せめて食べないで欲しかった。
自分が罪になる世界にもう一度産まれるなんて――
[ダンケに向けて絞り出す言葉。
彼女の死の真相が知られていなかった以上、その願いが叶うはずもないのだが]
わかったよ。
――やっぱり、この村の人間、全員殺さなきゃ駄目みたいだ。
この村の掟と生まれ変わりを信じてるなら――こうやって一人二人殺したって、何も変わらないんだから。
幸せだよ、『この村の』人たちは。
食べてあげれば、ちゃんと転生できるんだよ。
清治くんは命の重み…解ってると思ったのに
[白衣のポケットに手を突っ込む。
診療所に戻った時に念の為と思い入れたメスを内側で握る。]
―――― 残念。
[若葉がこちらを睨み付けてくる]
――そうだよ。
[その問いに、肯定を返した]
僕が殺した。
女の人は後回しにしたかったけど、何か勘付いてたみたいだったし。
……仕方なかったんだ。
[悪びれるでもなく、平然とした口調]
[若葉の声に清治が気をとられた瞬間。其のタイミングを逃さずに清治の手から包丁を奪い取ろうとして]
若葉さん!危ないから離れて!
[ワカバの叫び声にびくりと体を震わせ、こぼされた呟きに]
……え、ホズミさ…。
[歩くスピードをあげた彼女に急いでついていくと]
……せーじ、くん?
ダンちゃん…、っは、…私は逃げない。
…、…逃げないよ。
清治くんを…、抑えてて。
―――― 私が …殺してあげる。
[ポケットの中から鋭いメスを握る手。
握り過ぎた手は白と赤い色が目立つ。
暑い中、走ったせいで額には汗が滲む。
その手が狙うのは―――清治の頸動脈。**]
こんな村嫌だって思ってるなら、出て行けばいいじゃない。
[畑のあぜ道を、さして急ぐ風でもなく歩く]
そんなことしても、誰も帰ってこないよ。
[しゃがみこみ、転がる大き目の石を拾ってセイジの方へと投げやった。
周りに人がいることも*構わずに*]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ