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[モミジに声をかけられて、
立ち上がって、彼女を見た]
心は、決まった?
[モミジの問いには答えず、グリタに目線を移し二人ともに、そんなことを言う]
―― 廃屋の映画館 ――
[――破れた銀幕に映る心電図が、
水平のラインを引き続けている。
背後でカラカラと回る映写機の音。
老婆を載せた車椅子のハンドルに
手を添えて、背広姿が佇んでいる。
無声にて流される映像は、病室の一幕。]
[駄菓子屋にあるチロルチョコは
コンビニと比べれば種類も少なくて
ふーむと唸る]
あいつがよく食べてたのなんだっけ……。
違うパッケージのしかないな。
[逝った片割れの台詞は、無音に聴く。
"幸せ『だった』よ。"
残される相手の背を前に押す、
想いが生んだそれは優しい呪言。]
意を汲む――
なかなか、為せることではありません。
真に思い出そうとしても
忘れられなかったのなら、
…きっと、
相棒と呼べる存在だったのでしょうね…
[やがてフィルムが途切れれば、
廃屋の映画館には暗闇が*訪れる*。]
ああ、そうだあれだよ!ミルク!
[しかしどれだけ探しても
小さい牛柄は見つからない。
しかし片隅に何かを見つけて、悪い笑みが浮かぶ]
あれ、50個ほど買ってもいいですか?
[その片隅を指さして、大人買いの準備をした]
そう。
[グリタの言葉に簡単に応え]
私、お気に入りの犬がいたわ。
でもいなくなったみたい。
あまり器用そうに見えなかったから、
きっとどこかで迷子になっているのね。
[長い睫毛を震わせて、無表情に喋る]
─ 横丁の一画 ─
むー、和菓子の作り方だけ載ってる本ってのは、ありそうでないもんだな。
[ぶつぶつ言いながら、本屋で求めたばかりのA4サイズくらいの薄い本を、路上でパラパラとめくる。]
……全部自力で思い出したかったがなあ。
[断る理由もない店主の老爺は、
代金を受け取ると小さなポリ袋に
それをきっちり50個入れてレンに渡す]
ありがとうございました。
[どちらかと言えば店主が言うべき台詞を
行って、外へと出る]
[大人買いして駄菓子屋を後にするレンの背後、
老婆を載せた車椅子を押す背広姿が通りかかる。
毛糸の襟巻きに顎を埋めた老婆は
目を閉じたまま微笑んでいるよう。]
会長。
水飴でもお召し上がりになりませんか。
…お好きでしょう?
[声をかけると、老婆はこっくりと頷いた。]
あの子、探しにいってあげないと、
きっと私を見つけられないわ。
[判るような判らないようなことを言い、そして]
だから、これで最後。
[横丁を出ようと歩いていると、
難しい顔で本を見ているゾウサクを見つける]
あれ、ゾウサクさん?
歩きながら本読んでいると危ないですよ。
……。そうか、蜂蜜も皮に入れるのか。
[開いたページには、「おうちで作れるどら焼き」の大きな文字と、こんがり焼けた素朴な菓子の写真。]
しかしあれだ。昔はこんな本なんかなかったのに、どうやって作り方を知ったんだろうな、おふくろ。
お。お前さんは確か……。
[声をかけられてそちらを見ると、レンという名の青年が、手に袋を持って立っていた。]
バク転芸人さんだったか?
[おかしな間違い方をしている。]
いや、俺はバック転できませんし。
バック転してたのは呉服屋の主人ですよ。
芸人は間違いないですけど。
[さらりと修正して改めて挨拶をする]
こんにちは、今日はどうしたんですか?
仕事、って感じじゃなさそうですけど。
[ゾウサクが夢中になっている
本の表紙を見ながらそう言って]
売るかどうか考えるのが、最後。
[腕時計を、ちらと見て、目を一瞬瞑る]
二人とも、というのは難しいわ。
ねえ。あなたたち。
あなたの願いは、他の人の願いを潰しても、
必要?
ああ、自家製どら焼きに、何日か前から挑戦してるんだ。
おふくろが生きてた時分によく作ってもらっててな。
[この数日、出来上がったものは、食えない事はないが、遺憾ながら記憶とは程遠い出来栄えである。]
お前さんの方は……チロルチョコの買い占めかい?
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