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[携帯電話の良いところは、遠いところにいる人間にも一瞬で繋がるところだ。
悪いところは]
あら、繋がった。
ごきげんよう、プロフェッサー
[相手がどんなに近くにいても、それを感じ取れないこと]
あなたは無事そうね? よかったわ。
[話す相手が同じ駅に居ることなど、気づかずに話す]
[最近の通信機器は性能が良い。
とぎれとぎれの言葉をつなぎ合わせれば、意味は推測できた]
安全……?
警察を頼るほど危ない橋を渡ってらしたのかしら。おじいさま……それとも、渡っているのは私たち?
どちらかというと――
[ウミが最後に残した言葉を思い出して、言葉を途切れさせる。
嫌がる人間は大勢いるだろう、とウミは言った]
ああ。姫君も無事そうだね?
[視界の隅に当人を確認しつつ、しれっと聞く。]
せっかくだからミル・シティで
勝利の美酒を味わいたいじゃない。
うかうか捕まっていられませんて。
んあー、そうみたいね。
後<91>分ほど早く着いてたら
俺もまずかったかもー?
…ネギヤがヘマしたって俺に教えてくれたの、爺さんだぜ?
んで、即自分もやらかすのはなんかなぁ。
耄碌したとは流石に思えないから、何か目論見があったとしか。
[それが本人によるものか他者によるものかは知らないけれど。]
もしかして、姫君は現場にいたの?
どっちかというと、爺さんの場合は、警察に取り込まれたらやばいって動き出す後ろ盾があるようなないような?
[まぁ、その辺の事情はさっぱりなので憶測に過ぎないが。]
もちろん無事よ。
ミル・シティのシャンパンは世界一っていうわ。楽しみね。
[ゆっくりと歩きながらの通話。
プロフェッサーと呼びかけるから、思い浮かべるのも、無意識のうちに白衣姿になる。それでも視界に入れば気づくだろうが……今見えるのは、赤い列車、大勢の人の足に負けない重厚なホームと、善良な、一般市民のみ]
あら。それは運が良かったわね。
結構騒動だったみたいだから。
そうなの? まったくもう。おじいさまったら、私には教えてくれなかったのに。
でもそれが本当なら、確かに腑に落ちないわね。
[見ていなかったような口ぶりで続ける。
何か目論見が――ユウキの声に、思わず小さく頷く。
自分が知りたいのも、それだから]
[その場にいたの、と。
さらりと付け加えられたような問いに、言葉が止まる。
ほんの、一瞬]
私も、ホテルに向かったから。
あなたより90分早くね。
[言って、くすりと笑うときにはいつもの調子で]
そうよね。おじいさまがなにも勝算無くそんなこと……
聞きたかったのよ。プロフェッサー、おじいさまがなにか言ってなかったかしら。例えば手を貸すような算段とか。それとも私には内緒かしら?
[急に曖昧になった言葉に、それでも、聞いてみる]
ふふー、ねぇ、楽しみだ。
[世界一のシャンパンを思い浮かべれば、それだけで顔がにやける。おっといけない、油断大敵。]
ああ、そうだね。
遅れていっても、何かあったとわかるくらいの騒々しさだった。
ふっふっふっ、魅力的な女性を前にしたら、
情報の共有なぞ、二の次三の次だったんだろ、爺さんも男って奴さ。
[ザクロには伝えなかったことを知り、目をぱちくりさせたのは一瞬。
てきとーなことを言って、混ぜっ返して、自分で笑った。]
まぁ、あれを聞いたら、ホテルに向かうよねー。
迷…街の観光に時間をつぶさなければ、俺より早く着くのも当然。
[したり顔で頷きつつ、最後の問いかけにゆるりと首を傾げる。]
爺さんから何か…?手を貸すような算段って、いや、特に何も?
[爺さんからの言づて>>2:5でどら焼き屋に行ったことは伏せたまま。]
今回の件では俺たちチームだけど、基本フリーだからねー。
姫君の方こそ、どっちも俺より先に待ち合わせ場所に
たどり着いてるんだから、某か話は聞いてるんじゃないの?
そういえば、もう一人の爺さんとは連絡とってる?
[ちらっちらとザクロの方を見ながら、じわじわと場所を移動している。 隠れるため、というよりも、素直に予定どおりに行動しているだけで。]
あら。嬉しいことを。
[魅力的。
この男の口からはよく出そうな言葉であるし、表の世界では言われ慣れた言葉でもあるが、言われて悪い気がするものでもない。
相手の笑う声につられるように、くすくすと笑って]
一世紀以上生きていても男は男、か。
……あなたは、どう?
[戯れの域をでない口調で、問いかける]
おじいさまも意外と大胆だわね。
[ドゥ・シティで聞いた黒猫のタンゴ。
仲間であればひやりとするのに十分だ。
観光、の前になにか聞こえたような気がしたが、今は聞かなかったことにしておこう]
そう? じゃあ……信じてあげる。
[指示があればなおのこと、簡単に漏らすわけもないとは思っていたが。漏らすとすれば、それこそが罠であるとも]
いいえ? 聞いてないわ。
教えてもらっていたら、確実に行動しているところだけれど。
[問い返しにはよどみなく答えてから、一度唇をとじ合わせて]
いえ……
「嫌がるだろう」って、言ってたわ。「あれ」が。
[一部は、端折る。
どの情報までを伝えるべきか、逡巡はすれど、ウミの行動を推測する手がかりが少なすぎた]
オーナー?
いいえ。
あなたが何も知らないようなら、彼にも聞いてみようと思っていたわ。
[その辺は包み隠さずけろりと]
この街にも警察がいるけど、まだ捕まったって話は聞いてないわ。
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