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この川辺で昔、永遠の愛を蛍の光に誓った男女がいたんだよ。
[川を見ながら、女は老博士に聞いた言葉を紡ぐ]
みんなこの川を、大事にしていたんだよ。
[振り返り、仰ぎ見るは今にも崩されかけた山。
女はじっとそれを見つめ、その場を離れようとして]
[白い雲が流れる。
雲はいい、とても自由で。]
―――――…。
[今日は飼育当番だったことを思い出したが、動物は嫌いだ、と素通りした。
それよりも山の上で雲を見たかった。
伸ばしっぱなしのボサボサの髪が風に揺れた。]
―自室―
熱が、下がらん。
[ぜぇぜぇ息をしつつ、体温計の目盛りを眺める]
うぇー。職場に連絡しとかないと。
[だるい体を引き摺って、電話の置いてある部屋へと向かう]
[橋の下、みうみうと鳴く白い子猫に気づく。
少し困った顔をして]
ごめんね、わたしも居候だから、拾ってはあげられないんだ。
[ごめんね、ともう一度言って、ゆっくりとその場を離れていった**]
そろそろ出かけねばならんな。
[若い見かけと声とは裏腹の少々年寄りじみた口調で零す。
過疎の村でよくある現象はこの村にも起きつつあった。老人が普通と比べて多いのだ。そのため、訪問診療の必要性も高く]
こう暑いと、少し躊躇ってもしまうがね。
必要とあらば仕方あるまい。
―神社―
こんにちは〜、
今日も良い御天気ですね。
[境内を掃き清めている神主に挨拶を送る。
鈴緒を握って不器用に揺らせば、やかましく響き渡る。
二拝二拍手一拝。
これが、日課だった。]
終わったー。夏休みだぜ!
[思いっきり背を伸ばす]
夏休みの諸注意など受けながら書いていたハガキを満足そうにみながら
うん・・・リクエストOK
[にやりと笑う]
えぇ、はい……はい。すみません。
また連絡します。
[はぁ……と、大きく息をつくと受話器を置いて]
母さーん、母さーん。……母上様ー!
風邪薬とかって無かった?
[奥の部屋に向かって、かすれた声をあげた]
[鳴り出した黒電話に応じ、二言三言]
集会場、坂の上になきゃいいのに。
[ボールペンを缶製のペン立てに投げ入れ、ふと、後ろを振り向いた。
脱いだエプロンを椅子の背もたれに掛け、戸締りをして電気を消す。
また振り向いて暗くなった室内を見つめて、無意識に腕をさすった]
いやいやいやいや。
[顔を引き攣らせて、店を施錠し終えると、集会場へと向かい出す]
確か、あの山だよね……崩すのって。
[村内会議に出席していた父親がそんなことを言ってた気がする。
アン自身は村に何ができるのも反対とか――
有体に言えば意見そのものがない。
ただ、山が崩されれば、麓にある『それ』までなくなってしまうのは間違いなかった]
寂しいな。
[それは思い出の場所がなくなることに対する正直な*心情だった*]
え?薬、無いの?
……結城センセのトコ行って来いって、アンタ。
外は暑いよ。辿りつくまでに俺、死んじゃうよ。
[ブツブツ言いながらも、保険証を用意する]
はい?帰りに集会所へ寄って来いって?なんで?
……会合があるからって……。だから、俺は熱があるって。
[抗議の声をあげようとするが、母親は取り合わない]
鬼婆め……。
[素振りを止めて、手拭いで汗を拭います]
……確か今日は会議の日か。
ちっ、謹慎中じゃなければ。あいつら一人残らずぶっ叩いてやるのによ。
[忌々しそうに舌打ちして、森から山へ続く道を歩いていきます]
……微妙な時間だよな。先生、居るんだろうか。
[時計を見つつ独りごつ]
このまま行き倒れたら、鬼婆の枕元に立ってやる。
[フラフラした足取りで、診療所に*向かった*]
[フォークギターを肩に抱えて神社へ]
[丁度木陰の階段に腰掛けて、チューニングをはじめる]
えっと たしか こんなんだったかな
[昨晩のラジオで聞いたローリングストーンズの曲を思い出しながら弾いてみる。]
んっと ここのコードがわかんねーな。やっぱりカセットに取らなきゃ。
[聞き覚えた曲を必死に何度も弾いている]
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