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[ぐず とまた鼻先に音を立てて身じろぐ。
淡褐色の毛皮の中で、両腕を組み直しながら
焚き火の焔越しにカウコを上目遣いに見遣った。]
あの小洒落た帽子の兄さんは
まだ外にいたかい、カウコ。
いい加減、戻らないと足から凍りそうだが。
[テントの外へ出たままのラウリを指す態で、
そう口にする。自分で呼び戻しに出る気も、
カウコやビャルネに頼む気もまたない様子。]
あたしはトナカイの氷り脛を割って、
骨髄を啜るのはだいすきだけどな。
人間の脛へしゃりしゃりに
霜柱が立つのは、考えるだにぞっとする――
[ずー。と鼻先の音がひときわ長く漏れる。
流石に面映かったのか、
蛇遣いは誰にともなく肩を竦める。
ちらと見た供犠の娘が、僅か笑んだ気が*した*]
狼……ねぇ。
[使者の語る話に、ふうと深い息を漏らす。
そうしている間も狼の遠吠えは止まない]
(状況は分かるんだけどね)
(だけどトナカイたちをほっとくわけにもいかないじゃないか)
行くのは行くからさ、先に行っててくれないかね。
こっちにも準備ってもんがあるからさ。
[容疑者扱いされるのには納得いかないけどね、という
言葉は心の内にしまったままで]
[オーロラは、夜空に靡き続けている。
凶兆のしるしと謳われる、真っ赤なそれ。――実際、凶事は村にやってきてしまった]
逃げる事は――……
時期が悪すぎたか。
[やれやれと頭を振り、帽子の唾を軽く指ではじく。
寄せ合うテントの向こう、雪原の先を一瞥した後、静かにテントの中へと足を踏み入れた]
― →テントの中―
―テントの中―
噂をすれば?
何か、話していたのかね。
[自然に足は声をかけた蛇使いの方へと向かう。
小洒落た帽子――数年前に行商人に大枚をはたいて買い取ったもの――を脱いでしまえば、その下から現れるのは平凡な、微かに幼い雰囲気を残した男の顔。
産まれて20年は優に超えているのに、未だその顔立ちは変わる気配を見せない]
…オーロラは見事だが、狼の声が煩いな……
[そして、ゆっくりとその傍に腰を下ろした]
狼の声は、ここからでも聞こえるが…
オーロラはまだ紅いか?
…他所から来て居着いたあたしには、
あの凶兆とやらも綺麗に見えてたのにな。
[躍るほのおの紅を見遣るままに眉根を寄せ]
今は…
水にさらした傷口が、あんなふうに
血の帯を吐いていたかもしれんと思うよ。
…足の話をしていた気がする。
[外気を連れて傍に来た青年を、目礼で迎える。
やはりオーロラのいろが儘にあかいと聞かされて、
蛇遣いは鼻白む態で胡座の片膝へと頬杖をつく。]
迷信が迷信ばかりでないから、
この地がすきになったのだがね。
こんなときは困るな。
…あの狼どもを、村の男衆と犬とで
幾らかでも追い散らしてしまえないのか?
― テントの前 ―
[男は身切り裂く程冷たい空の下、テントの前に立つ。
中から感じるは数人の気配と温度、それに話声。
緋いあかいオーロラを見る事叶わぬ男が空を見上げれば
頬に冷たい氷が触れるばかり]
…――、
[手にした飾り気無い杖で、足元の地面を探る。
コツリ、小さな石が転がった]
足、ね。
…ふむ。
[少し指先の感覚が無くなりかけていたかもしれない。
暖のある方向へと、わずかに身を向けた]
迷信が現実に顕現することも、まま在る場所だからな。
…凶事が起こる時は常に、オーロラが紅く輝いている――偶然と断じる事も出来なくはないだろうが。
…狼どもを?
一匹なら、出来るかもしれん。しかし集団となると……
奴等は存外、賢く――協調性を重んじる生き物だからな。
[少なくとも私は無理だ、と自嘲気味に返した]
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