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おや。
今、帰り?
バイトかな。
[昇降口に向かおうとしていた男子生徒に、ナオは擦れ違い様に片手を上げて挨拶を投げます。顔にはいつもの笑みが浮かんでいました。]
僕は図書館。
少しは涼しいといいんだけど。
まあ、気をつけて。暑いから、ね。
[トン、と爪先を床で蹴り、脱げかけの上履きを直して*一歩踏み出しました。*]
[ゲタ箱の傘たてに寂しげに残された黒の傘を手に取る。くるりと宙に丸を描いて回すと、にんまりと”美之 高晴”笑みをつくる]
よし、今日は晴れてる。晴れてるぞ。
[ぐっと傘の柄握り締め、ふふふと抑えきれない笑い声が漏れる]
大体、高晴というからには晴男でなくちゃーならんのだ!
[ふはっは、と笑いながら一歩外に踏み出すと2階の窓から水が降り注いだ。花にかける程度だったのでずぶぬれまではいかなかったが]
………。誰だぁっ!!!
[履き替えた靴を脱ぎ捨てて、靴下のまま二階の教室に駆け上がる。しかし、そこにはすでに生徒の姿は*ないだろう*]
[こちらに向かって手を振る少女の姿を目に留めた。]
あぁ?見たことあるカオだなぁ。
[コハルの記憶を覗いてみる。]
んー。そうだ。
クルミっていうんだ。
知ってる。知ってるぞぉー。
あいつも美味そうだな。くくく。
我ながら、一体何をモデルにしてんだ。もののけ。
ぐっはぁ。
喋れば喋るほどなんかアレだ。
放たれた野の獣って感じ?
とにかく頭は悪そうです。ごめんなさい。
[校庭の隅に駆けてきた少女が、自分の名前を呼んで大きく手を広げるのをみとめると、目を細めた。]
クルミちゃん?
暑いのに大変だな。
[教室の窓越しに手を振り返す。]
休憩したらー?
こっちにおいでよぅ。
おやつを持ってきたから一緒に食べよ?
[鞄の中をごそごそ探っている。]
えーと。
[バラバラっ……。色とりどりの包装紙に包まれた飴玉が机の上にこぼれた。]
ありゃ。
こんなの入れてたっけ。
ていうか、他に入ってなかったかな。
おせんべいとか。
飴じゃお腹ふくれないよねぇ。
[呟きながら、散らばった飴玉を*集めている*。]
ここかぁ…!?
…………誰もいない。
[教室には部活に残った生徒の荷物が僅かに残されたのみ。扉に手をかけたまま、ぽつんと一人取り残される。片手にかさを握り締めたまま]
はぁ…。
[がしがしと頭をかいて、窓辺に寄ると部活に励む生徒の姿が目に入る]
青春だーなぁー。
[傘を窓枠に引っ掛けると校庭を見下ろした]
もうちょっとしたら行くー!
[コハルからの呼びかけにそう答え、休憩時間になるまでしばし守備練に勤しむことにした。
ホームからボールを打ち上げる生徒は相変わらず下手くそで、何の練習なのかわからなくなっている]
[腕にはめた時計を見る。今日はあまり時間がなかった。
バイトまで学校で勉強しようと思ってたんだけどな。と、だらだら校庭を眺めていた自分を思い返し、笑う]
ま。良いや。
[また明日も学校に来れば良いんだ。と耕一は思った。
“明日も明後日もあるのだ”と根拠もなく信じた。
校庭へ出た途端、太陽の眩しさに目を眇める。
どこにでもある学校生活。退屈で、掛け替えもない。その日は確かにそれが*あった*]
[結局、走りこみの時間だったのかと錯覚するほど駆けずり回った。
休憩時間になると、水筒と着替えのシャツを一枚手にして教室棟へ向かう。
途中、帰宅部と思しき生徒が何人か帰る姿を見かけた]
ばいばーい?
[声よりも、上履きのゴム底が廊下とぶつかり合う音が響き渡る。
校庭よりもよっぽど早く、駆け抜けた]
コハルっ!
もうみてた?なにあの野球部。
その辺の小学生のがよっぽど上手いよ。
いただきまーす。
[琥珀色の飴だまを一つ手にする。
塩素で色が抜けたアンの髪色に似ている、と思った]
今日は何読んでたの?
[飴でモゴモゴしながら、コハルに問い掛ける。
問いかけながら体操着を脱ぐと、肌を微かに吹き抜ける風が、滲む汗の不快さを増長させた]
うへぁ。水風呂入りたい。
[着込んだ新たなシャツをバサバサと扇いで風を起こす。
大いなる自然を前にして、自分のちっぽけさを実感するほどの微風。
音を立てて齧っていた飴が姿を消した頃]
ねぇ、コハル。あのさー……。
……飲む?
[水筒のコップに烏龍茶を注ぎいれて、差し出した]
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