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無事、町内会費でも徴収できたのかしら?
[噂の伝で聞いた話を思い出す。
確か彼は思い出を欲していなかったはず。]
う〜ん、この情報ってみんな知ってるのかなぁ?
何はともあれ、焼き鳥屋にいった方が良さそうね。
おなかも減ったし。
[腹が減っては云々。]
あ、おじさん情報ありがとう。
え? やだ、焼き鳥屋のおじさんから聞いてたの?
んー…そうね、思い出屋に逢いたいのは、
むしろあたしじゃ無くて――…
[言葉を切り、金物屋へ渡した品物を見る。
常盤緑によく映える――]
まさかこんなのまで直せると思ってなかったからね。
ちょっと嬉しいな! じゃ、お願いします。
[ブーツの靴音が横丁に響く。
噂は本当だったらしい。]
んー、他の人の情報も聞きたいなー。
[角を曲がり焼き鳥屋を目指す後姿に、
何時ぞや引いた御籤の[大大吉]文字が、道端に落ちた**]
[小さくため息をついて、お御籤を胸ポケットへとつっこんだ。
人があつまる場所にいけば、より詳しい話が聞けるかと、先日足を向けた焼き鳥屋へと歩き出す。
編集者が立ち去ったあとの社は、ひっそりと静まり返っていた**]
[今日も先日と変わらない、古めかしい音]
あれー? 奇遇だねー。
[マフラー姿を見かけて、眦を下げる。]
おじさん、せせりとビール。
[威勢のいい声と同時に差し出されたお通しに早速箸を付け]
ねぇ、思い出屋の話、聞いた?
[お絞りで手を丁寧に拭きながら、マフラー姿の者へ訊ねる。]
あ、あたしモミジって言うの。
よろしくね?
[手酌でコップにビールを注ぎながら。
名乗っていなかったことを思い出す]
そう、この前隅っこにいたまるっとした人でしょ?
あたしも聞いてここに着たんだ。
バック転する位って余程のことだよねー。
[真の目的は焼き鳥だが。]
というか、驚きようと言い、お酒は程々と言い、ちょっと酷くない?
[ふざけて膨れながら、ごくりと一口]
― 探偵事務所 ―
寝泊まりも此処でと伺っていたので…。
[探偵へと手土産代わりに持ち来た袋には、
軽い夜食になりそうな惣菜が入っていた。]
…呑んで帰ると、
作るのが面倒なんですよね。
[少し声に笑みを含ませて、胸へ手を遣る。
たばこを吸っても構わないかと仕草は尋ね
――諾を得れば、共に外へ出かけるまでに
3本のセブンスターが灰になる*]
─ 事務所 ─
うーん……。そのあたりの呉服屋の旦那の腹積もりはどうだったんだろうなあ。
尋ねもしなかったが、どうして俺にあの人たちを探させたんだか。
あんたの言う「想い」って奴はどんなもんだったんだろう。
[普段は書類仕事をするための机に腰掛けて、足をぶらぶらさせながら、テンマの言った事を考えていたが]
バック転は話を盛っているのかー。
[凄く残念そうに呟いた先にせせりの串が置かれる。]
えー? この前は全然あんなの序の口だよー。
だって迷子にならずに家に帰れたし。
[レンと名乗る相手が、手酌に戸惑う様も気にせず]
でもさ、実際遭った人が居ると聞くとさ、
[脂の乗った細肉は美味しそうに口に収まる]
やっぱり噂は都市伝説じゃなかったんだって。
思いたくもなるよねー?
[もし遭えたなら。
貴方ならどうする? と併せて問いかけて**]
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