[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
[眠たそうに、目をこする]
ふぁー。
おなか一杯になると、眠くなるのは……もう。
[腰掛けると、墓碑に背を預ける]
あ。そうそう。言い忘れていたわ。
ルリちゃん、ライデンさん。
──私に食べられてくれないかしら。
[初めて会った時のような、明るい*笑顔*]
歌が……
彼女が、倒れて……
救えなかった、……
[「思い出さなくていい」と囁くカナメの声が、遠い]
私は……
「貴方は」
――狂った「怪人」、だ。
[思い出す。舞台に立っていた時の事を。仮面を付け、歌っていた自分の事を。目の前で倒れた、彼女の姿を。自分が、誰だったのか――
頭が割れるように痛い]
……う……嗚呼、……
痛い、……
カナメ、私は……そして君は、
ライデン、だ。
[呟きは低く。ゆっくりと瞬いてから、ペケレの声に改めて其方を見る。笑顔が見えた]
ペケレ…
ほんとうに。プレーチェたちを…。
[伝えられたその事を
にわかには信じられなかった風で]
[しかし。
『食べられてくれないかしら』
その一言は、決定的にした]
どうして。
それが、必要だったのですか?
お腹が、すくからですか?
食べたいのかね?
ルリと、私を。
[聞き返す声は平坦に]
私なら構いはしないさ。……思い出したから、ね。
私が誰かも、知り合いの顔も。
彼女の事も……
全てを、思い出した。
元々死のうとしていた事、だって。
私は、狂っていた。
[淡々と言葉を重ね、笑う。自嘲するように、寂しそうに、――愉しそうに]
Ten little Injuns standing in a line.
最後の一人は……
幸せだったか、不幸せだったか?
[謎かけのよう。左の掌を天に向けて掲げ、目を細める。そしてまた、低くも高らかな笑い声を*響かせて*]
[影の世界からの、響音]
楽園。
…。…。…。わかりませ、ん。
――ライデン?
[様子のおかしいライデン。
彼の方へ伸ばしかけた手が、続いてその笑みに戸惑い 彷徨う――]
狂っていた?
そうは、みえませんが…。
そう見えなくとも、狂っていたのだよ。
今だってそうだ。
ああ、覚えているとも。苦い薬の味を。白い部屋を。
身動きできない窮屈さを。今だって。
[ルリの問いには、笑みを穏やかな微笑に変じ]
少なくとも、この世にはないものだ。
「This loathsome gargoyle who burns in hell But secretly yearns for heaven」
[半分の否定の後に続けた台詞は、独り言の*ように*]
…――
獏…獏。
…世界の歌は聞こえるですか。
せかいは…このせかいはうつくしいと、
教えてくれたあの獏は…偽だったのでしょうか。
そしてライデンにとってここは、
捨てようとしていた、いろのない――せかい。
ほんとうは、そうなのですか。
でも――
[蒼白な手を胸で組みおいた後、
惜しむように伸べて怪人の袖を、握りしめる――]
[告げる声は初めての揺れを含んでいた]
それでもルリは、
ライデンのこと、思い出したいのですよ。
――カナメ。まだ言うですか?
ペケレは…しっぱいさく。
[一音、一音、噛みしめ]
まるで物に対する言い方です。
聞きたいのです。
どうして皆、目覚めたですか?
ペケレに食べられる為、ですか?
[カナメは、違う、とこたえる]
[博士はそれを望んでいないなどと、さらにつごうとしていたが――]
[ポケットの中のカギを探る。
その温度は全てを受け入れ、自ら変わることはない]
[何を、とは付けず、
おしえて。たすけて。と求めていた*]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ