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[辿り着いた長老の木の足元、診る必要もないアーヴァインの姿に目を見張る]
よく見つけたね。
[褒めるような穏やかさで言い、ニーナの背中をさすってから、跪いた。
アーヴァインの筆跡とは違うメモ紙が、遺体の襟首に挟まっている]
『魔女狩り再開』
……W、O、L、F。wolf?
[それから、木の幹に這う血文字]
[はらりはらり。
窓の隙間から入り込んだ風が物語のページを捲る]
んん、パパは…?
[目を擦りながら体を起こす]
朝…夜?
[判然としない明けの曇り空。
手元に置いたままの本に視線を落とす。そこには恐ろしい狼の影と特急列車が描かれていた]
――特急列車は止まらない。
ぐんぐん、ぐんぐんスピードを上げていきます。
「だめだ、魔法が使えないよ」仲間の一人が叫びます。
「ここには魔法封じの魔法がかけてあるんだ」もう一人の仲間が言いました。
しかし狼には魔法が使えません。
一体、誰がこの魔法をかけたというのでしょう。
― 昨日・集会場 ―
[集会所に着いたが、遅かったようで、既に誰もいなかった]
酒場で聞いた話…確認したかったのに…
やっぱり遅かったか…
[仕方なく家に帰ることにした]
[ぱたりと閉じると続編の本を抱えて、階下に降りて行く]
ママ?
もうパパは帰ったの?
…どうしたの、ママ。泣いているの?
[子供の足音に、瞳を拭った彼女に涙の理由を問うた*]
― 回想:酒場で聞いた話 ―
[あくまで噂ということだが、
WolFという過激派組織が毎夜一人だけ人を殺して回っているという。
彼らの目的は分からない。
が、彼らは自分たちの行動を“魔女狩り”と称しているらしい。]
(アーヴァインさんもこの噂を聞いていたということよね…恐らく)
[集会場に行けばアーヴァインに会える。そこで聞けばいいとは思ったのだが、この事実を知ってしまって自分が巻き込まれるのが怖くて集会場に行くのが遅れてしまった。]
― 自宅 ―
その過激派組織ってのが人を殺していたとして、
その目的は?なんのため?
[そもそも目的なんてないのかもしれない。]
私にできることなんて…
[本当に限られていた。]
魔女狩り…?
あたしたち魔法なんて使えないわ。
[そうでしょう?と説明をする父と母を交互に見る]
…ヨーギシャは、狼さんのこと?
この村に狼が来たの?
[母の涙は夫と娘の名がそこにあったことか。
失われた命のためか]
…やっぱり狼さんは、お友達の中にいるのね。
パパはこのお話を読んだことがある?
[俯き加減に話を聞き終えて、ぽつりと呟く。
机に置いた本に手を置くと父を見つめた]
お話の中にね、いなくなった仲間が狼さんか分かる魔法があるのよ。
そんな魔法、本当にあると思う?*
[>>18 医師の言葉に小さく頷く]
赤い髪って言ってました。
ここだと……クインジーさんと……ラッセルさん?
[ぼんやりと名前をあげたあと、ワンテンポ置いて肩を縮ませる]
どうして、私に、アーヴァインさんが見えたんでしょう……。
[わかりません、とでも言うように首を横に振った]
─西の森─
いえ。
[>>19 医師の言葉に、今日なんど目か分からない動作……首を横に振った]
Wolf、狼──…魔女……秘密結社。
[固い表情で、何もない地面を見つめながら、>>20 ぽつりぽつりと言葉を紡ぐ]
最初に、目、次にゆび……
[陰惨な拷問の描写を感情の見えない声で説明した]
痛い……。熱い……あ。
[つと顔を上げて村へ続く道に視線をやる。
そのまま痛ましいものでも見るような目で見ていたが、目を強く閉じ、うつむき、小さく首を横に振り、それから、ゆっくりとヴィンセント顔を見上げた]
せんせぇ。
アーヴァインさん、みんなに伝えなきゃって……いってしまいました。あし、ひきずってる……。
自警団の倉庫に、古い処刑台があるそうです。使えるって……。
私のようになる前に見つけて、処刑しなければ。
つかまえるだけではだめだ。彼らは魔女だ。魔法を使う。それに……ひとりじゃない。
[小刻みに唇を震わせる]
私たちもこうなってしまうんですか?
こわい。いやです、こんな風に殺されたく、ありません*
君は殺させない。
[震えるニーナの右手を取って、足早に自警団詰所へ向かう。
アーヴァインの無残な遺体はそのままに]
いつ知った?
[昨日、魔女狩りについて話したことを思い返す。
史実など何も知らないかのような物言いと、今のニーナとの乖離]
クインジーもラッセルも、『容疑者』の中に居た。
[アーヴァインの持っていたメモについて口にする]
―― →自警団倉庫 ――
[道中、幾人かの家の扉を叩いて事情を簡単に説明した。
そして辿り着いた倉庫の奥の奥に、それはあった]
こんなものが残っていたなんて、僕も知らなかったよ。
[昨日見た本の挿絵が脳裏に*蘇る*]
[ふと。
何かの気配で目が覚めた。
辺りは薄暗く、朝か未だ夜が明けていないのか解らない。
それでも確実に時は刻まれ、
記憶は一秒毎に過去に仕舞われていく。]
――…。
[カーテンの隙間から外の風が内へと吹き込む。
血腥い匂いが鼻腔を擽り、少年はうっとりと目を細めた。]
起きて、ハーヴェイ。
絶望の朝か、歓喜の夜明けが今日もまた、巡ってきたよ?
[同室の男へと声をかけると、
少年は身支度を済ませ、家の外へと歩みを進める。]
そう言えばアーヴァインが何かに警戒していたようだけど。
その後どうなったのか結局聞けず終いだったんだよね。
暇潰しのネタになるかなぁって、ちょっと思ってたんだけど。
[魔女狩りの噂すら。
好奇心の強い少年にとっては、愉楽の対象でしかない。]
あ、ローズマリーなら。
何か新しい情報とか聞いていないかなぁ?
[>>27涙をこぼすジェーンの肩を叩く。
商人として村を空けることが多い自分が背負う容疑者という重しは、ほかの者のそれより重いだろう。
容疑者にあがらなかったリックの手を、ジェーンに握らせる。自分は、ウェンディの手を取った]
ああ、読んだことがあるよ。
パパもウェンディと同じ、本好きだからね。
[>>28まっすぐに向けられる娘の瞳を受けて、問いかけに、一度、瞬きした]
――そう、だな。あると、いいな。『人』と『狼』を見分ける術。
魔法使いではない我々にも、そんな力があれば。
[望み。
笑うことはせず、深く、頷いた]
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