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泣いてるひとに「泣くな」言うのも酷ですよねぇ。
[差し出すべきは若草色の団子ではなく、
ハンケチだろうとは思うが。]
今、姉さんが泣きたいと思う気持ちなら。
止めません。思う存分泣いてください。
…自分、泣きたくても泣けないんで。
[一瞬戸惑いながらも、柔く頭に手を翳し]
何なら肩でも背中でも胸でも腕でも貸しますし。
――まぁ、概ね甲冑ですけどね。
あと…、そこの姉さん。
自分らからもバッチリ見えてますんで。
隠れてるつもりなら出て来て貰えませんか?
[笹から見え隠れするワカバ(>>17)に、手招き。]
……ごめん、なさい…
[団子を手に肩を震わせ、ただンガムラの声に耳を傾けていた。
彼の口から紡がれるのは自分を責めない優しい言葉。
そっと頭に下ろされる暖かい手。
けれど、その中にひとつだけ、別の声を聞いた気がして顔をあげる。]
あの…泣けないって…
[問いかけた時、ワカバに気付いた。]
ワカバさん…あの。ええと…その、そこで何を?
んー自分、何か姉さんに謝られること、されました?
[動く度にガショガショと甲冑の音が鳴るので、
何もかもまったく様にならないが。]
――まぁ、仕事中なので…
いや、仮初と言うんでしょうかねぇ?
還るひとのお目付け役ということは、
自分もまた、在るべき姿ではないんで。
[「ま、そういうことです」。
短く切り上げて。ワカバへと視線を向けた]
姉さんも無事でして何よりです。
つい先程またひとり、倒れたって連絡来ましたんで。
えええと保健室をたたき起こしに行こうと思ったら寄り道が二人でいい雰囲気でね?
[言い訳しながら笹の陰から出てくると「ごめんなさい」と頭を下げた。
連絡、と聞けば眉を下げて]
また? なんだろう、ちょっと、心配だね。
私は元気取り柄だし、でもありがと。
ンガムラくんこそその格好暑そう……光画部の撮影会のでしょ? もしかしてロッカちゃんと織り姫彦星?
在るべき姿…
[ンガムラの言葉を反芻する。
けれど、その意味が解らない。
解るのに、解らないのは。]
在るべき姿って何…ですか?
[答えを知っていて別の答えを。
ぽたり。また、雫が零れる。
切り上げられる話に何処かでほっとしいる自分の中の矛盾。]
え?え?保健室を叩き起…?
[ワカバの言い訳に目を白黒させつつ、ンガムラの連絡を聞けば、潤んだ瞳がまた揺れる。]
叩き起こす? 姉さん見かけによらず、
中々ワイルドなおひとですなぁ。
[ワカバにも謝られ、困惑した表情を浮かべ]
心配…ですねぇ。せめて夜までは、と――…
いえ、こっちの話ですが。
ワカバさん、元気そうで何よりですが、
ご油断無く。
[「暑そう」、と言われ手扇子で扇ぐ真似を。]
いやいや、ロッカさんにはふさわしいおひとがね?
いらっしゃるでしょうし。
[中庭に到着した時には、息が上がっていた。
身体を屈めて、頭を下げて、息を整える。
一息つくと顔を上げて]
ワカバ。えっと…。その……。
お前、何覗き見してんだよ。上から丸見えだぞ。
[しばし呆然と考えて居たが]
・・・よく解らないけど、応援するべきはヤスナリ君?
[甲冑がンガムラとは気づいてないのである。ロッカーから長いホウキを取り出すと]
ナオちゃんは休んでて!
ゼンジ先輩、私、呪いを解いてきます!
[ホウキ片手に保健室を飛び出した]
…あ、団子屋さんの甲冑姿…今、気付きました。
[今までどこを見ていたのか。
ンガムラとワカバの遣り取りに、真顔でそんなことを言っていると、保健室からヤスナリの大声が聞こえ、只ならぬ様相で駆けてくるその後ろには何故か箒を持ったマシロの姿も見えて。]
ちょっと見てくる、っていうか、保健室の箒盗んじゃいかんって言ってくる。
[そう言って、廊下へと向かう]
しっかし、あっちぃな。
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