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……なんでだろーなぁ。
仮初だって、夢だって、気づいたからかね。
いくら成りたくても、結局、本物にゃ、成れやしない。
[本音に近く、遠いことば。
怖いという単語には敢えて触れなかった。
ふ、と息を吐き出す。
視線は、ちかもツキハナも、捉えてはいない]
此処? “家”だろう。
――此岸と彼岸の狭間にあるだけの。
じいじ、こわいの・・・?
[自分のことのように辛そうに、唇を噛む]
じいじは、忘れてないのね。
わたしは覚えてないの。
たまに、ふっとかなしいきもちになるけれど、なぜなのかはわからないの。
・・・わからなくてもいいと思っていたの。
[わかってしまえば、全てが崩れ去るから・・・。
ベックの瞳に吸い込まれ、そんな言葉を思わず飲み込んでしまう]
[うん、と素直に笑ってチカに答え]
覚えてないのか。それはきっと、一番辛いね。
――いま、思い出す勇気は出せそう?
[それとも、まだ出せない? と目で問う]
さっきアルバムを開いたら、一緒に写った写真がないんです。
家族は皆一人ずつでしか。
[知らず頬を伝っていた涙を、指先で拭う]
あなたも消えてしまうんですか?
何も、話して下さらないまま。
あなたが何を言っているのか、私にはわかりません……。
[ちら、とユウキを窺ったが、すぐに視線は手元へと落とした]
どうかな。経験から言えば、辛すぎて忘れたいことは、
わりと忘れられるけど。
[わからない世界であるものの、一応答えて]
爺ちゃんはね。思い出せるけど思い出したくないだけなら、ユウキを出してちゃんと思い出したほうが、笑えると思う。
思い出せないなら、もう思い出さなくて良いと思う。
[できないならできないで良いのさ、と笑って]
あなたは誰なんですか?
[逡巡して、浮かんだのはそんな言葉。
何かがズレていることを認識しながらも、それを認めることが出来ずにいた]
[ベックの言葉は、ちかにはちょっと難しくて。
しかし何度も意味を考えながらじっと聞き入っている]
じゃあ、えっと、思い出せるようにがんばったほうが、いいのかな・・・?
[消えていった人たちを思う。
どんなに嫌でも、もう引き止めることはできないのならば、思い出すべきなのか、どうなのか]
誰、っていうのも、難しいな。
俺は、俺。
君の“あなた”じゃない、とだけは言える。
[手を口元に当てた。煙草は、その手にない]
俺の “お前”も君じゃあ、ないから。
チカが本当の意味で笑えるようになって欲しい。
そのためにはどうしたら良いかは爺ちゃんだけが決めることじゃない。ってことかな。
[ごめんね。わかりにくいね。とやや赤面]
実は本題これからなのだ。
……思い出せなくても、別のことはちゃんと覚えておこう。
家族は11人いた。
[ちらりと七夕の笹の方を見て、]
離れてる人もいるけど、今も同じだけいる。
行くのがちょっと怖い向こう側に、7人。
そしてこっちに4人、います。
[襲われた虚無感に、唇を噛み締めた。
首を横に振り、ゆるゆると言葉を吐き出す]
全部、嘘ですか?
家族の幸せをと願う言葉も、私に向けた笑みも、全部偽物ですか?
私のこの気持ちは、気の迷いか何かですか?
[依然として顔を見ることが出来ずに俯いたまま]
[ごめんねと言うベックに、かぶりをふって]
ううん、わたしがものわかりがわるいだけなの。
おべんきょう、できたら良かったのに。
みんなのことは、ちゃんと覚えてる。
わすれないよ。
わすれたくないよ。
[そして、ベックとユウキのやり取りを、不思議そうに見ている]
さてね。
君に向けていたのか、彼女に向けていたのか。
得られなかったものの、
……代わりを、求めていたのかもしれない。
[額に落ちる前髪を、くしゃりと掻きあげた]
それでも――
たとえ、仮初でも、夢でも、
俺は、嘘とも偽物とも、思わない。
代償にしないで下さい。
[呟いた声は人へ向ける物ではないかのような小ささだった。
握り締めた拳は、小刻みに震えている]
何の、話ですか。
[男達のやり取りを見やる瞳には涙が滲み、視界が少しぼやけていた]
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