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は? 総ガラス張りの部屋?
[なんの冗談だ、と言いたくなるような光景が、そこにあった。
上を見れば降りしきる雨が、周囲を見回せばその雨に濡れる透明な壁がはっきりと見えた]
展望室……とか、そんな感じかね……。
いやはや、とんでもねーな。
[何をどうすればこんなものが建てられるんだ、という突っ込みは飲み込んで。
代わりに大きく息を吐くと、しばし、降りしきる雨に見入る]
……こりゃ、そうは止まねぇなー……。
[注目していたのは、主にそこ。*]
[客間の広さと数、廊下の長さに吐息を零す。
エントランスには今も黒衣の娘が佇んでいる様子。
予定している客人があるなら邪魔になるだろうかと足を止め迷っていると、メイドが一人スッと寄ってきてなにか用事かと尋ねられた]
いえ。人心地つけさせていただきましたが、座って過ごすのも落ち着かなくて。
広いお屋敷ですね。
[メイドは表情一つ変えず、気分転換を望むなら1階には室内庭園があり、3階には展望室があると教えてくれた]
そうですか。
では上にお邪魔させていただきます。
[どうせなら外の確認も出来る方にと、頭を下げて階段を上った]
……お?
[聞こえた声と人の気配に振り返れば、そこには先にエントランスで挨拶を交わした姿。>>29]
おや、そちらもお散歩ですかと。
[ガラスの向こうを見つめる横顔に、駆ける声は軽いもの。*]
ま、確かに落ち着かんねぇ。
[苦笑と共に向けられた頷き>>31に、こちらも似たような表情を覗かせて]
ああ、こりゃ、しばらく止みそうにない。
……屋根のある所に入れてもらえただけマシではあるけど、ね。
[ただ、その場所が妙に胡散臭いというかなんというかなのが問題なのだが、そこはわざわざ口にはしない。
不安帯びたようなため息に、それを煽るような事は避けた]
ま、なるようにしかならんでしょ、この状況は。
雨やみまでは動けないんだし、今はのんびり……っと。
[のんびりしたもん勝ち、と言いかけて。
ふと思い出したある事に、言葉が途切れた]
ぁー……一応、名乗っといた方がいいかね。
俺は、アルマウェル。
雨止みまで、よろしゅうに。
[そこから、相変わらず軽いままで繋げたのは名前だけの自己紹介。**]
それにしても広いお屋敷ですよね。
このような部屋も、初めて見ました。
[それから硝子に囲まれた部屋を見回すと、感嘆の息を吐き出した**]
/*
カウコさんいらっしゃいませ!
と書こうとしてメモ忘れに気が付く夜。
ちょっとゆたんぽに負けかけたりとか(汗
低速すぎ失礼しまして。
できるならせめてあと一人、来てくれますように!
おやすみなさい。
― 一階 ―
[タイミングがいいのか悪いのか、エントランスに続く階段を下りた時にメイドに声を掛けられる。
何か用事かとの問いかけに、今は帽子をかぶってない頭を軽くかいて]
あー、そういうんじゃないんだが。
ちょっと気分転換にでも、と……うろちょろするなってんなら、部屋に戻るけど。
[言い訳を連ねつつ、屋敷の中では自由にしていいといわれて、ゆるく笑みを浮かべ]
そりゃあ助かった。
ありがとう。
[大広間や室内庭園などがあることや、地下があることも聞き出し。
大広間は食堂も兼ねているし、食事の用意もするということに、どこまで至れり尽くせりなんだか、と驚いたように瞬く]
雨宿りさせてもらえるだけでもありがたいってのに。
太っ腹なご主人がいるもんだねぇ……
[呟きつつ、メイドと別れて。
― 室内庭園 ―
[室内庭園は、緑があふれていた。
一部サンルームのような、ガラス張りの天井部分もあり、温室も兼ねているスペースもありそうだと、ぐるりと周囲を見渡して思う。
真ん中の花壇と小さな噴水があり、壁際にも木々や花壇と休憩するベンチまであるので、うっかり室内だと忘れそうになりそうな部屋だ]
はー、森の中に屋敷があるのに、屋敷の中でも森があるって、
金持ちの考えることはわからん……
[あきれたような声をこぼしつつ、中を歩く。
とはいえ、部屋はそこまで広いわけでもなさそうだ。
配置の妙で広く見えているのかと思いつつ、ぐるりと室内を回るのにさほどの時間はかからなかった**]
[かたん、と小さな音がした。
音の出どころは、二階の廊下の一番奥の扉の傍。
僅かに開いた扉の隙間、そこからきちきちと音を立てながら何かが出てくる]
「……行っておいで」
[扉の奥から響くのはか細い声。
出てきたそれ――一見、鳥を思わせる形のからくりはくぅ、と短い声を落とした後、きちきちぱたぱたと飛んでいく。
飛んで行った先は一階、大広間。
そこにいたメイドに咥えていた手紙を託すと、からくりは椅子の縁に止まってまたくぅ、と鳴いた。*]
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