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かかさま、ありがとう・・・。
[ツキハナからハンカチを受け取り、目に当てる。
真っ白な布地にじわりと涙の染みが移り、何だか悪いことをしたような気分になった]
きれいなのに・・・染みになっちゃった・・・。
ととさま、こころが痛いから涙が出るの?
どうすれば治るの?
ととさまは治すことができる?
[期待をこめた眼差しで、ユウキをひたと見詰めた]
>>22
う、うん。そうだね。
おいらしんみりしているんじゃないよね。
……そうだよね。
おいらが悲しんでちゃ駄目だよね。
[一生懸命に笑顔になった]
[ギンはちかの頬にすり寄せ、目を細めてごろごろと鳴く。
>>23 ヌイに にゃあんと鳴いた。
父さんと呼ばれている自覚はあるのかもしれない]
何してたんだっけ。
[ぼんやりとした記憶を手繰る]
何だか……凄く楽しくて幸せだった気がします。
奪われてしまったものが、全部戻って来たような……。だから私、ようやく満足して……。
……満足?
私、何を奪われましたか?
[頭を振って考えを中断する。握り締めた掌の中には、変わった模様のお金があった]
[マイペースなヌイの言葉に笑って]
嫁にいったかは判らないが。
まあ、あまり心配しなくても大丈夫だろう。
[根拠はないが、力強く言い切ってみせて、チカのことはユウキたちが優しくしているのを確認してから]
とりあえず、何も食べてなさそうなアンを呼んで来るよ。
ハンカチは汚すものでしょうに。
子供のお洋服と一緒よねぇ。
[詰め終わった弁当箱三つ。
手ぬぐいに包んで食卓に置くと、やがて目を離した隙に消えてなくなる]
そうだな。ついでに少し自分の部屋の掃除をして来よう。
いつまでもツキハナを頼っては悪いしね。ははは。
[言いながら、茶の間を出て行く。
アンを見つけて茶の間へ呼んだあとは、
一度、自分の部屋へ行くに違いない。*]
ハンカチは悲しいのを受け止めてくれたんだ、
ちかの気にすることじゃない。
[眼差しに、笑みを返しながらも、少し眉が寄る]
父さんに出来るのは、寒くないんだぞ、って教えてやることだな。
心も、寒いと風邪をひいてしまうから。
[ギンを抱き上げるちかの頭に、手を伸ばした]
辛いことがあったら、吐きだして、甘えなさい。
なにかわからなくても、甘えていい。
それが、一番のおくすりだ。
ううん、違う……
あたし、そんなつもりじゃなかった。母さんも、父さんも、困らせるつもり、ない……
[身体に向かって振り下ろされる銀色の光。滴る紅色。繰り返される、記憶]
おぎゃ……おぎゃあ……
[河原に泣き声が響いている。その姿は、時に人の形を取り、時にただの水溶液になり]
よごしてもいいの?こんなにきれいなのに。そっかぁ・・・。
[涙を綺麗に拭い取って柔らかなギンの毛並みに鼻先を埋めながら、ふと炬燵の端に置きっぱなしていた自分の短冊を見つける]
あ・・・結ぶのわすれてた。
[手を伸ばして取ると、指の先で丸をなぞっていく]
ネギあにさま・・・ナっちゃん、リンちゃん・・・。
・・・あれ?
[思わず、ぎゅ、とギンを抱きしめる。
申し訳なさそうな目で、スイを見た]
ごめんなさい、ちいあにさま・・・。
誰か泣いていますか?
[声を頼りに河原を歩いていくと、赤ん坊が泣いている]
……あいや。
[泣きじゃくる子に、躊躇いがちに手を伸ばそうと]
よ、よしよし?泣いてはいけませんよ。
ええと。母さんはどうやって抱いていたでしたか……。
[ずっと遠い記憶を辿って母の姿を思い出している]
……あんぎゃあ、あんぎゃあ
[伸ばされた手に、泣く声を高め。やがて泣き疲れたか、声はだんだん小さくなり]
うにゅ……う
[小さな手を握りしめたまま、河原にこてりと転がる]
[>>39 ギンは大げさににゃあんと頷いた。
>>40 チカの鼻が頭に当たってくすぐったそうに頭をふるふるとしている]
え?
[スイはちかの謝罪に首を傾げる。
手元の短冊を見て、自分がそこに居ないことに気づいたけれど、にこりと笑った]
おいらはいいよ。
ギンも描いてくれたんだね。ちかは優しいな。
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