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……納得できるか、って言われると微妙だね、確かに。
[小首を傾げる仕種。
鏡写しのように、自身も首を傾げて]
……ってもさ、アイノ。
あの手品師さんが違うってわかってた、っていったけど。
……それって、他のひともどうだかわかってる……って事、なのかい?
[視線を逸らし、二階へと向かう背へ。
向けるのは、問いかけ]
……消去法、か。
[ひとり、残された女は小さく言葉を繰り返す]
この中に一人……。
少なくとも、今んところアタシは違う、と思ってるってことかね。
[ぱしゃり。
軽く手を動かすと、鈍い色に染まった水がゆれて音を立てる。
砕いた瓶の残りをこちらに向けなかった、という事は、そういう判断なのだろう]
いるとしたら、あの子らの中の、誰か。
……ちぃ、そろいもそろって、やり難いったらないね。
―― 奥の自室 ――
[扉の向こう。
通路を挟んだ一階で瓶が割れるような音が聞こえて僅かに眉を寄せる。
ペッカの答えを待っていたけれど、不穏な音にどうしたのだろうかと、表につながる扉に視線を向けるのは、仕方のないことだった。]
―― ベルンハードの部屋 ――
ん…。だよなァ
[コップを取り、水を飲み、卓へ戻した
ベルンハードの手は、震えていないように見えた。
ペッカは幼馴染たる彼の言葉に耳を傾けてから、
ひとつ、ふたつ歩を寄せ…卓へ片手をついた。]
人狼がひとりかどうかも、わかンねェ。
[ず、と額を寄せる態で――彼へ上体を傾けて]
[視線。
ベルンハードが、腰の望遠鏡に向ける其れ。
ペッカが、幼馴染みの瞳から逸らさぬ其れ。
何にか繰り返した言葉は、完結しない応え。
ペッカは、手探りで望遠鏡を腰から抜くと、
ごとりと卓上へ押しつけるように置いた。]
…お前ェが ひとりなンは、わかる。
[ぼやくように言いつつ、床の破片に目を向ける。
いつもならば、少女のやろうとしている事を察して押し止めもしたろうが。
疑念の欠片が、動きを鈍らせた]
……ま、とにかく。
このまま、知らぬ振り、って訳には……っと。
[自身も二階へ向かおうか、と思った所にかけられる、声。
振り返れば、先に訪れた町衆の姿]
なんだい?
……ああ……町のほうは、静かなもんだった、と。
わかったよ。
[町の方には何事もなかったらしい、という話を聞いて、一つ、息を吐く]
でも、すぐに疑いは晴れない、ってんだね。
……ま、仕方ない。
まだ、確証はないからねぇ……。
―― 二階 ――
[割れた瓶の口の部分を、ごん、と扉にぶつける。
軽く二度。間をあけて、もう一度。]
この中に一匹、人狼がいます。
ドリーを食べちゃった人狼です。
[絵本を読むような口調で言って、扉から一歩距離を置いた。]
[確証。誰が出せるのかもわからない、それ。
女はひとつ、息を吐くと、二階へ目を向ける]
……取りあえず、もうしばらくはここで大人しくしてるさ。
んじゃ、アタシは今の話をあの子らに伝えてくるよ。
[じゃあね、と言いつつ、ひらり、手を振って歩き出す。
リボンと耳飾が、ゆれた]
[わからない、と繰り返すペッカに、へら、と情けない笑みを浮かべる。]
それじゃあ……俺にもわからないなあ……
[凝と見てくる幼馴染の視線に、僅かに瞳をそらし。
――ごとり、と言う音のあとに響いた声に、小さく息を呑んだ。]
――ペッカ……
[一人、といわれて僅かにためらう。
幼馴染の名を呼んでも、続く言葉は何も浮かばず。
扉のところで止まる足音。
そして続く音と言葉に、ぴたり、と動きを止めた]
アイノ……
[アイノの声に、昨日からのやり取りが意味していたことを察して、低く唸る。
逃げ場はない。
目の前には傷つけたくない幼馴染。
扉の向こうに居るのは傷つけるつもりはなかった少女――けれど、厄介なことになるのなら、食べようとも思っていた、少女。
どうすればいいのかと、ひたすらに思考を回転させた。]
[扉の向こうで聞こえる会話にわずかに眉を寄せる。
はぁ、と小さく息をついて。]
扉はあいてる、入りたいなら入ってくれば。
[冷たくも響く声で告げながら、目の前の幼馴染に僅かに苦笑を向けた。]
悪いな……
[幼馴染ではなくアイノがそうだったのかと独り言ちながら扉と幼馴染の間に立つ。]
わかンねェと言や、――コイツもわかンねェ。
[扉の外から聞こえた音と声。
ペッカは、アイノの妙に抑揚のついた語調に言ち。
少し声を常より大きなものにして返答をする。]
… 此処に居ンのァ、俺とビーだぜ。
[絵本の中の人狼じゃない。そう念を押す響き。]
ウルスラ姐も居ンのか?
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