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……はぁーもう何なん今の……
わっけわからん。
[顔を顰めつつ、がしがしと頭を掻いた。
見上げるとそこにある藤の群れは、さっきと違って目を擦っても消えない]
……はぁ、とりあえず探すか。
おーい。
さっきのウサ公ー、じゃなくても誰でもいいけどぉ。
誰かおらんのー?
[深々と吐いた溜息の後。
とりあえずその辺をうろつきながら、張り上げる声は何処まで届くか**]
[公園のベンチから立ち上がった時。
くらりと感じた、めまい。
貧血かな? と呑気な事を思っていたら――]
お家に、帰ってきちゃったんだ…。
[目の前は一面藤色に囲まれていて。
鼻先をくすぐる甘いにおいは、いつもかぎ慣れているものだったから。
つい、そんなことを漏らしていても。]
かぎ? ねじ? さがす?
[てんてんと跳ねるうさぎ。
こんどはたくさん話しかけてきて。
よく解らないけれど。
よく解らないままに。
うなづきを繰り返すと、一方的な話は終わり。]
あ、まってうさぎ――っひゃっ!
[もっと詳しく聞こうと、走り去ろうとするうさぎを追いかけて。
藤の小高い丘を転げ落ちた。]
いたたた…。
[さいわい、硬いものにぶつからなかったらしく。
花まみれになりながらようやく身を起こすと、鞄から転げ落ちたスマートフォン。
画面を見ると、時計の表示も日にちもまるで不思議な模様のようで。
それでも十三回の鐘がなる前。
公園に居た時に届いていたらしい実家からのメールは、普通に表示されている。]
あ、お家にも八重藤ってあったんだ…。
[見落としていた本文と写真には。
花つきが悪くなってしまった八重藤と、綴られた近々樹木医を招くという短い近況がもうひとつ。]
[呼びかけた後、もう一度、胸元に手を当てる]
……これ以上悪化したら、間違いなく呼び戻されるよなぁ。
でも、そしたらこっちで進学できないし……。
[そうしないと危ない、けれど、そうすると望む進路に行けない。
どっちも大事な事で、だから、どっちが自分の正解なのかわからない思考ループは、考えてはぽい、とし続けてきたもの]
……ま、今ここで考えてても仕方ない、か。
[幾度目かのループの後、思考はまたぽいされる。
そうやって繰り返していること、その想いが何かと響き合っているなんて気づく由もなく]
……この林、どこまで続いてるんだろーなぁ。
[意識を向けるのは、そんな事]
…何を頼まれたんだろう。
[兎が溶けて行った先を眺めて呟くも、話を思い出そうとするでもない。
大事なことなら、そのうちまた、現れるだろう。
というより。]
すごい…
[改めて、辺りを見回して。
その一面の藤色にほうっと息を吐く。
なんとなく手を伸ばしかけて聞こえた、いくつかの声。
遠く呼びかけるそれに、そっと腕を下ろせば。]
…
[どうしよう、とまた藤色を眺めて。
返される声を聞く。
ここに居ると、わざわざ存在を伝えるなんて。
――――――出来ない。]
あ、やっぱり。
[先程よりも近くに聞こえた声の方向へと視線を向けて]
此処にいまーす。
……ぁ。
[思わず返事をした後で、考える。
不可思議な現象の中に置かれたこの状況で、はたして声をあげて良かったのだろうか。
鈍いのは、運動神経だけでは無かったようで、元々小さな身体をより縮こまらせた。]
[時代劇だってあるから、和服も、着慣れてないわけじゃないけど]
[花嫁衣装っていうのは、やっぱり動くには向いてない]
[だから、よちよちよたよた。端から見ると、しずしずと歩いているように見えるのかも]
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