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[家屋へ戻り、文机の上に置かれた帳面を手に取る。
帳面の頁には、予め書き込んでおいた医師の名前と白木蓮。]
持って行っとくか。
[帳面と羽ペンとインクを愛用のセカンドバッグに詰め込み、管理棟へと戻った。**]
[周囲で漏れる言葉や雰囲気は、何があったのかをそれとなく感じさせるものだった]
……こうなっては、いよいよ……
急がないと、……
[ぼそぼそと独りごち、傘を手にした己の左手を見下ろす。強い光の宿った、しかしどこか遠くを見るような瞳]
……
[それから泣いているニキに、どうぞ、と持っていたペンライトを差し出し]
[ニキがそれを受け取っても受け取らなくても、ドウゼンが来るのを見ると、一礼して]
僕は一旦失礼します。
また。
[その場にいる面々に声をかける。平坦な、いつも通りの口調。炊事場へ向かったり、事実を確認したりする事はなく、管理棟を後にし、外の*闇へ消え*]
[泣いて腫れた瞼にハンカチを当てているとまた不思議な声が私の中に響く]
チェロが........
伯父さんを殺した犯人はこの中にいるって言ってる.......
暗かったけど.....犯人を見たって.......
でもそれが誰なのかいくら聞いても......
答えてくれないの....
どうして......誰がこんなことしたの.....
私のたった一人の親族を奪った借り....
きっと返してやるから.....
[兎を強く抱きしめて俯きながらみんなに話した]
〔何を見ているのだ、と問われれば。
たっぷりと彼を見つめたまま指をぴんと立て。
緩やかに持ち上げて頭の上まで移動させると〕
木。
〔ぼそ、と一言。
指は背後のハナミズキを指し、視線は彼に。
緩やかに続く呼吸が口から白を紡ぎ〕
凄く綺麗、です
良い匂い
〔感想らしきものを続かせた。〕
〔その後も何か言葉を続けようと、
口を開きかけるものの、唐突に移動する白。
それは杏奈の視界の側を通り男の顔へ。〕
―― … あ。
〔ぽか、と口を開けて漏らす音。
何の準備も無く、其れは男に直撃した。
表情にこそ表れぬものの、心配はしているのか。
投げた、と思しき相手と男を交互に見つめ〕
―― … ?
〔知り合いなのだろうか、と首を傾ぐ〕
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