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[アイノ>>39の言葉にしょんぼりと肩を落とし。]
そんなこと俺がいうほうがおかしいだろー。
[むりむりと手を振り。
人狼はいない、と言い切る少女にわずかに瞳を細めた。]
そうだね……ドロテアにそんなことはいえないよなあ……
まあ、なんとかなるよ、きっと。
[ぽんと、軽く肩をたたいて。
土砂崩れの現場を見に行くというのには、気をつけて、と見送るのだった。]
―― 土砂崩れの現場 ――
[――ペッカは、今日も岩を抱え上げる。
回復した陽気で乾きゆく泥まみれの岩は、
粉を吹いて滑りやすいが落とさぬように。
連日、早朝からの作業にも拘らず土砂は僅かしか
掘り進めない。…独りでは動かせない岩も在る。]
よい、 せっ
[またひとつ、岩を除ける。
捨てた岩は土留めになるように斜面へと転がす。]
[その後もしばらく椅子に座ってうだうだとしていたら、父親に仕事をしないならどっかでていけ、とばかりに宿から放り出された。]
あー、もう……ちょっとぐらいいいじゃないか、なぁ……
[やれやれとため息をついて、土砂崩れの現場でも見に行くかな、と足をすすめた。]
[額から噴き出しては、目元へ流れくる汗が滲みる。
拭う手間も惜しめば泳いでいるのとさして変らず。
こめかみから頤へ伝う滴は、俯くと涙にも似た。]
…ありゃ。
[幾つ目の岩を投げ落とした頃か――ペッカの手が
持ち上げようとした岩を掴めずずるりと落とした。
自らの手のひらを眺めようとしても、
張った筋肉は僅か震えただけで腕は垂れたまま。]
… おし。休憩。
[休み下手の水夫は、疲労を自覚してひとり呟く。]
―― 土砂崩れ現場 ――
[放り出されるときについでにパンと果実酒の入ったビンをかごに放り込んで持ってきた。
散歩ついでに外で食べるのもいいだろうと。
土砂崩れの現場にたどり着けば、幼馴染が居るのが見える]
あー、ペッカ、やっぱりここにいたのかぁ
[ひらひらと手を振りながら、アイノも居るのだろうかときょろりと周囲を見渡した。]
ビーか。おう、おはようさん。
[幼馴染みへ無造作に振り返そうとした腕は、
腰ほどの高さまでしか持ち上がらなかった。
ペッカは肩を竦めてベルンハードへ向き直る。
――と、]
――おっ?!
なんだお前ェ、
いつからそこ居ンだよ…アイノっ
なんだ、まだペッカに声を掛けてなかったんだ。
[驚くペッカの様子に笑いながらアイノにもひらりと手を振り。]
ペッカもがんばるよねー……
でもあんまり無理しないようにしなよ。
[ほんの少しずつ動かされている岩を見ながら幼馴染をねぎらう。]
─自宅─
……んー……やっぱり、足りない、なぁ。
[作業台の上、並ぶ色とりどりの糸。
それを眺めて、こぼすのは嘆息]
ほんの、ちょっとの差だっただけに、悔しいわよねぇ……。
[街まで糸を調達に行こうとしたのは、崖崩れの起きる数日前。
その後、ちょっとした用事で足止めを食らった結果が、今]
……ついてない、なぁ……。
[ぼやくように言いつつ、作業台の上の糸を片付け]
ま、愚痴ってても仕方ない、か。
ちょいと、気晴らしに散歩でも出ようかね。
─町の広場─
[デザイン帳を入れた鞄を肩に掛け、向かったのは広場]
……あー……何か、差し入れ調達して話にでも行くか。
[そこまで来て思い至ったのは、同僚の事。
気晴らしに話に、と言われた事を思い出して]
んじゃ、何を持っていくか、かねぇ。
[足を止め、思案顔で呟いた]
[年少のアイノに、最前の光景も見られたろうかと
尖り気味の口をいちど結んで、ペッカは息をつく。]
…まあ、声かけるに
間は悪かったかもしンねェが。
[幼馴染みへ応えも含め何か用かとアイノに尋ねる。
流れ来る汗を思い出す態で、頭に巻いた布を取ると
すこし乱暴に日焼けした顔を其れで拭って――――]
…別に、頑張ってねェ。
[常とさして変わらず、愛想なしに低く言い置く。]
[然し幼馴染みの労いに、肩の力は幾分抜ける。
ペッカは強張った腕を揺すってさりげなく解す。]
町のほうでも、
いい加減にこの有りさまにゃ気づいてンだろ。
反対側からも、掘ってくるかもしンねえ。
…出くわすなら、
真ン中よりゃ向こう寄りがいいやな。
[勝った気がするから。
子供じみて単純な想いは、衒いもなく零した。]
うーん。
[今日も道は閉ざされたまま。暇を持て余して、自室でジャグリングの練習をしている。
昨日手品に使った四つのボールを、ベッドに腰掛けたまま宙に投げて。受けて。また投げて。]
……暇ですね。
[唐突に飽きて手を止めれば、ぽとぽとと床にベッドに落ちるボール。]
どうしましょうか。
[それを拾い上げ、行く宛てもなしに部屋を出た。]
そりゃあ、気づいてなかったらどれだけ街の住人は間抜けなんだって話だよねえ。
[手にしたかごの果実酒のビンをみて、飲むか?と幼馴染に向ける。]
どれだけの範囲が土砂で埋まったのかわからないけど……
まあ、街の人間ががんばってくれたらこっちでがんばるよりは早いだろうなあ。
[それでも負けず嫌いな幼馴染の言葉>>50に可笑しそうに笑って。]
ペッカ一人でそうできたなら、そりゃあすごいことだねぇ
[しみじみと呟いた。]
まあなァ。
単にこの村に用事がねえから、とかだったら
土砂崩れ以前に死活問題な気もすらァね。
――お、気が利くじゃねえかよ!
[向く酒瓶に、にやんとペッカの口端が上がる。
シャツの端で急いで泥塗れの手のひらを拭うと、
ベルンハードから果実酒を喜んで受け取った。]
ん。 …だなァ、すげえよな。
[手伝いを頼むということを考える素振りもない。
瓶の果実酒を呷り、ぐ、ぐ、と2回喉を鳴らすと
ペッカは甘ェ、と歯をむき出しにして笑いながら
ベルンハードのふくよかな手へと酒瓶を戻した。]
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