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[柔らかい髪をくしゃくしゃに撫でて満足したところで、
ツキハナに譲るべくスイを放そう。ぐへへ]
まあ。それだけかな。
いや、他にもあった気もしたけど。
[色々考え中]
まだ、親の知らないところで独りで苦しむような年じゃないでしょうに。
[スイの背中を、赤子にするように優しく叩く]
お母さんは、スイが幸せになりますようにって思ってるのよ?
>>43
じーちゃんはじーちゃんだもの。
じーちゃんじゃないかもしれないけど、いいんだ。おいら、じーちゃんのこと好きだよ。
>>44
そんな子供じゃないよ……でも、ありがとう。
[ツキハナの腕の中で、最初は小さく震えていたが、やがて落ち着くと*いつの間にか眠ってしまった*]
[ユウキの指摘に哀しい顔]
お、お、覚えてるわい。
でもあんまり話長いのもあれだから…!
お爺ちゃんは今日はもうアンの寝顔見てから寝よう。
[お爺ちゃんは日付変わると眠くて仕方ないらしい]
親にとって、子供はいつまでも子供なのよぉ。
[言ってから、それは父から見た自分もそうであるのだろうと思い、小さく笑う。
スイの顔を覗き込んだ]
寝ちゃったわ。
冗談です。
[ベックとは対照的に、にっこり笑んだ]
誰しも忘れていることはありますしね。
……良い夢を。
[眠りについた子どもを見ながら、囁く]
……ん、運ぶ、運ぶ。
[苦笑。煙草は結局、ポケットの中に戻った。
ツキハナに寄りかかるスイの頭を、そっと撫でる]
ガキは素直が一番だなぁ。
[今までよりも崩れた口調で呟くと、細い身体を受け取り、抱きかかえた]
目を離した隙に、大人になってしまうんでしょうねぇ。
[眩しいというように目を細めてから、ユウキの瞳を覗き込む]
何が、欲しいんですか?
[声を潜め、煙草の仕舞われた先を見つめた]
そーだなぁ。
[何処か、気のない返事。
が、眼を覗き込まれた上、次いだ問いかけにまたたいた]
欲しい? ああ。
[視線の動きに思い当たってようで、声をあげ]
……君が欲しい。
なんて。
[軽く笑った。
眠るスイを部屋へと運ぼうと歩みだして]
……ツキハナさんは。
なにか、したいことあるかな。
どうしたいか。
[背を向けたまま、問いかけた]
ベタですねぇ。
[近づいて、指先でユウキの白衣をつまんで振り向かせる]
私の望みは……。
思い出せません。
[背伸びをして、先ほどより近く覗き込んだ。
浮かんでは消えるひっかかりを思いながら]
[伸ばした指先が、ユウキの頬を撫でた]
それは、どうでしょう。
[指先を見つめ、そこに残る感覚に顔を歪める]
“あなた”はそんなに――。
[優しく笑う人でしたか?と、掠れた声は雨音に負けるほど*微かだった*]
忘れることは、
残酷だけれど優しいからなぁ。
[眼を細める。
歪む顔に対して、淡い笑みをつくった。
細い雨にも流されてしまいそうなほどに薄い、刹那の表情。
動いた唇が紡いだのは、「お休み」の一言だけ。
そっと離れて、スイを部屋に寝かせに向かう。
しっかりと毛布をかけ、また、頭を撫でてから、*出て行った*]
― 夢 ―
[霜の声を聞くころになると、”ちか”はひたすら小さく小さく縮こまった。小さくなっていれば”さむさ”から見つからない、そう思って。薄い布団を頭から被り、ただただ、寒さと、暗闇と、孤独に耐えた]
「ちか、ほら、持ってきてやったよ」
「わあ、ゆうちゃん、いつもありがとう。庄屋さまはほんとうにおやさしいの。ありがとう」
[春、夏。”ちか”は野で食を得る。秋は山で。そして落穂を拾い、じっと冬を遣り過ごす。しかし、腹を満たすには、足りない]
「・・・まだ死なれるわけにはいかないもの・・・」
[”ゆう”は、聞こえないように口の中だけでそう呟く。”ちか”を感情の篭らぬ瞳で見据え、幾許かの食料を置くと、すぐに粗末な庵を後にした]
― 夢・*了* ―
[アンの部屋に顔を出して、寝てるかどうか確かめる。
眠るアンによぼよぼと近寄って、和む]
……。
[声もなく笑み、アンの頬をむにっとつまむ]
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