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だめなの。
ちいあにさまもいっしょなの!
[ペンを引き寄せると、短冊に丸を描き始める。
しかし空きがなくて隙間を縫うように描かれた丸もどきは、やはり伸びきった輪ゴムみたいになってしまった。
よく見ると、ギンの丸と正確な鏡像になっているのが、分かったかもしれないが、ちかはそんなことにも気づかないまま、水色の色鉛筆でスイの丸に色を塗った]
ほら、できた!
>>46
え!?
[スイはちかの剣幕に気圧される。
一生懸命に自分の分の丸を描いてくれている姿を見て、なんとも言えない表情になり、ぽろぽろと泣き始めた]
あ、あ、ありがとう。ちか。
[出来上がった短冊をまぶしそうに見つめた]
バスは明日着こうが早く着いても聞き分けられようが。
[窓の外を気にしていたが]
ここまで行ったれば皆も安心するがよかろう。
俺は籠を編めば落ち着いてのが良い。
[竹籤を炙って曲げては器用に*編みこんでいく*]
ちいあにさま、どうして泣くの?
かぜひいた?
甘えるの!いっぱい甘えるの!
[泣き出したスイに慌てて、ユウキから離れ、今度はギンごとスイを抱きしめる]
ほら、あったかいよ。
ね?
……うむ、よきかな。
[スイを抱きしめるちかを見送る。
無意識に、煙草を探ろうと手を動かしたが、途中で気づいて、止める]
いかんな。
最近なかったんだが……。
[スイはちかに抱きつかれ、びくっと震えた]
だ、だだだだだ、だいじょうぶ。
嬉しくて、涙が出ちゃっただけなんだ。
[体は小刻みに震えている。
何度も深呼吸をして、ギンを見た。
頷いて、手が触れるか触れない程度の慎重な手つきで、ゆっくりとちかを抱きしめる]
ちか、あったかいね。
[すんと*鼻を鳴らした*]
うれしくて涙?うれしくても涙が出るの?
[不思議そうな顔をして。
しかしスイのほうからも抱きしめられると]
うん、あったかいね・・・。
[何度も何度も、スイの背中を優しく*撫でた*]
[竹篭を床で揺らして調子を確かめては手直しを加える]
少し調子の外れていようが、温かみはあろう。
[穏やかに微笑むその口からは、静かなハミングが子守唄のように*紡がれていく*]
……つれないなぁ。
[眉を寄せながらもくすぐったそうに笑った。
ふわりと微かに揺れる、白の衣]
煙草を吸うより、我慢が身体に悪い事もあるんだ。
摂生に努めるべき者がとは思うが。
[言い訳がましく言って、口元に手を当てた]
あら、今でも私はユウキさんのことを世界で一番好いているのがわかりません?
それはもう、多額の保険金を賭けるくらいに。
[ヌイの紡ぐメロディに目を細め、窓辺へと近づく。
窓枠に寄りかかり、庭に降る桜の花弁に*手を伸べた*]
きーんらんどーんすの 帯しめなーがら
はなよめごーりょうは なーぜ泣ーくのだろー
ぶーんきんしーまだに 髪結いなーがら
はなよめごーりょうは なーぜ泣ーくのだろー
[襖にもたれかかったまま、口ずさむ]
[不意に反対の襖が開き、ギンが滑り込み
袖を引っ張った。]
おお、ギン。呼びにきてくれたの?
いい子だね。[そっと頭を撫でる。]
…でも、もう少しこうしていたいなぁ。
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