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―― 早春の尾根 ――
[…ことしの早春、雪解けの進む頃。
薄青い小花が咲き乱れる連山の尾根。
濃霧の朝、その一帯でひとしれず
女の爪ほどの蝶が一斉に羽化する。
――そこをいくらか外れた山腹に、
草薮の乱れた痕跡が残っていた。]
[踏み荒らされたと思しき草薮。
…壊されたらしき養蜂箱の残骸。
側頭部の大きく裂けた頭巾の切れ端と、
既に黒ずんだ血痕、
頭皮や頭蓋骨の一部と共に
獣の爪で剥ぎ取られたらしき人間の右耳。]
[ぶんぶん]
[ぶんぶん]
…蜂?
[頭上を飛び回る1匹の蜂が、目に入る。
スズメバチだろうか。状況から、恐らくイェンニはこの蜂に刺されたのだろう。
しかし…どこから?]
ダグ。
[近くにいる、ダグの顔を見るが、答えてくれたかどうか]
[手を押さえている所を見ると、恐らく刺されたのはここだろう。
ショック症状を起こしていない事に安堵するも、このままにしておいてはいずれ――]
…悪い。
[彼女の手に唇を寄せ、毒を吸い出す。
死なないでくれ、間に合ってくれ、と、祈りながら*]
[ <ヴァプンアァット>
ヴァルプルギスの夜に現れなかった男に、
蜂蜜酒が遅れた理由を尋ねた者はいない。
数年前、ひと冬を戻らなかったときにも
村から養蜂家を探しに来た者はいない。
立ち戻ったときに、迎える側も
迎えられる側も長閑な常の笑顔。
「独り」を衣服のように脱ぎ着する男は、
馳せ来たユノラフがイェンニに寄り添う
姿を眺め――ベールの下で唇を端引いた。]
/*
▲マティアス:ユノラフさんのSAN値ガリガリ削り隊
▲ユノラフ:と見せかけて場合によっては襲撃パスへのルート分岐あり
と思ってるんですけど、どうしたら面白くなるかしら?
…ユノラフの声は、
やさしいんじゃないかい。
[投げかけ。
――ふぅん と 蜂が旋回する。
ユノラフに名を呼ばれた養蜂家は、
たのむよ、とだけ応え足元の壷へ片足をのせた*]
ねえ、だれか。
だれか。
……寂しい。
[語りかけても、決して返ってこない聲。
永い時間の中、すでに…の知る仲間の殆どは
失われてしまった。]
[祖母は、ナッキの中でも珍しい人間好きだった。
普通は、退治しようとする人間を恐れ、
憎悪して近づくなんてことはしない。
変わり者の祖母。
たったの一度だけ、人間と恋をしたと言っていた。
身を明かしてもずっと一緒にいてくれた人間と、
恋をしたと。
その一度得た愛や温かさ、優しさを忘れられず、
何度も人里に下りて、人間の真似事をしていた。
その人が忘れられず、2度と恋はしなかったと
言っていたけども。]
[…は、祖母から何度もその話を聞いた。
聞く度に人間への憧れが募り、
両親や他の仲間の反対を押し切って祖母と共に
行く事を選んだ。
水底でひっそりと暮らし、外の世界を見てみたいと
好奇心もあったのかもしれない。
人の中で、人として生きる。
当たり前に出来れば、とても幸せで、楽しい時間、
楽しい世界だった]
[ナッキが本来、若く、生気あふれる人間を
引き摺り込んで血肉を与えて仲間にするか、
餌にして自分の力にする。
これが、邪険にされる理由の一つだったが、
…の祖母はそれをしなかった。
ただ、死の淵にいる者。
激しい悲しみは苦しみの中にいる者。
絶望し、自ら命を投げ出す者。
永遠の幸せを望む者。
その人間達を、誘って、夢を見せ、幸せを与えていた。
決して、自身の血肉を与えることはなく。
こうやって、私たちは幸せを与えるんだと、
聞いたせいか、人間を仲間に出来る事なんか…は
知らなかった]
[…が、死の淵にいたミハイルに行った行動は、
おそらくナッキの本能からくるものだったのだろう。
血与え、知らずの間に同じモノにして。
ミハイルが、湖に引き摺り込む事を楽園への誘いと
思っていたのも、…から血を受けた影響。]
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