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[ヴァルテリに見られている事など気が付かず、
投票の結果やアイノの事もまだ知らずに。
ただマティアスを見つめて。]
ごめんな…ごめん、な…。
[涙が頬を伝えば、腕で目を擦る。]
[マティアスの寝ていた部屋の壊れた扉
その割れた角にこびりついたものを
細い指先で剥がして握り込む]
…暖かいお茶でも、淹れますわ。
ね、皆様も。
[涙を流すユノラフを始め
マティアスの死に心痛める面々を見渡して。
出来るだけ穏やかな声を、向けた]
[涙を流すユノラフを見る。
ニルスは、なにを思っているのかと、彼のほうへも視線を向ける。
アイノことを聞かれれば、断ることなくただ、あるがままに伝えて。
お茶をいれると言うイェンニにゆっくりと頷いた]
それがよかろうて。
[居間へと戻って、揺り椅子にすわる。
投票箱は、またもとの位置に。
投票された紙は、テーブルの上に、おかれたまま]
[どのくらい泣いただろう。
友の亡骸は、既に熱も色も無い]
[自分の身体に付いた血も、カラカラに乾いて張り付いていた]
[耳に、誰かの言葉が残る]
“人狼が、憎い?”
[あの時、自分に問いかけたのは――]
…………。
[――誰だっただろう。
そして自分は何と答え、その人は何と返したのだろう]
“――「自分がやった」って嘘をついても良いとは思うけど”
[嘘。……嘘? ほんとうに?]
[泣いているウルスラ(>>22)や、立ち尽くすユノラフ(>>53)にも気づかず、ぼんやりと虚ろな表情で、血まみれのままマティアスの部屋を出る]
[マティアスの部屋を去る前、
叶うならばウルスラの肩を一度、撫で
それから調理場へと向かう
薬缶にたっぷりのお湯を沸かしながら
流し台に洗われた果物ナイフを見る]
…処刑、なんて。
ほんとうに…
[ポツリ、落としてから。
茶葉の入った缶を取り出して
ティーポットへと入れる]
[アイノが、自分との同票で死んだと言う話は聞こえていた(>>52)]
[白紙票が混ざっていれば、気がつくだろう。なのに、何故?]
[無意識のうちに名前を書いていたのだろうか]
[それとも――。
そんな狡い思惑などお見通しだと言わんばかりに、誰かの名前が記されるよう何らかの細工が施されていたのか]
[居間のテーブルを見ると、そこに散らばる投票用紙(>>62)には、確かに自分の筆跡で“アイノ”と記されている一枚が、あった]
[居間のソファに、身を沈める。マティアスの血がこびりついたまま。虚ろな表情で]
[いずれにせよ。
絨毯に絡まったマティアスを、共に解放してくれた少女(>>1:160)を。
何か感謝を告げる方法はないか、と頭を撫でたら動揺していた少女(>>1:176)を。
自分の浅はかで卑怯な弱さと甘さのせいで、死なせてしまったのは確かなのだ]
[本来であれば、代わりに冷たくなっていたのは自分だったはずなのに]
………っ。
[喉を詰まらせ、頭を抱える]
[揺り椅子に座ったまま。
虚ろな表情のクレストがソファで苦悩する様を眺める。
口のきけぬ彼は、票を集めていた。
それがどういう意味か――]
……お前さんも、疑われておるなぁ。
[その名を記しておいて、しれっとそんな声を、かけた。
筆記用具をもたぬ彼の返事は期待せぬままに]
…処刑、も。
何ならわたくしがしましたのに。
ヴァルテリ様、お疲れじゃありませんか?
[洗われた果物ナイフから薄い血の匂いを感じて目を細める]
[誰も投票しなければ面白いというレイヨの言葉には、なにも返さなかった。
たった一票とはいえ、入っていたことが不思議ではある。
イェンニから届く声に、ゆるりと瞬き]
なに……たまたま、アイノがきたからの……
疲れは、せぬが。
折角の娘であれば、食べたかったがいたしかたあるまいて。
[ちらりと舐めた血の味を思い返し、吐息を零す]
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