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[この笑みにも心当たりがありすぎた。
狼に代わる前の、人間はだいたい同種の笑みを浮かべるのだ]
違う。
おいらの世界は――
[ ―― 記憶は途切れる ]
― 屋上 ―
ああ、ほんとチート日記なんだな。
[幽霊でもどうも太陽の下に出ても大丈夫のようだった]
[無残な姿――といっても、自分の経験上、これはかなりましたである。ちゃんと五体満足じゃないか。
残骸にされていたり、バラバラでデコられていたり、そういう猟奇的なモンスターの趣味にされてはいなかった]
こんな日でも、朝日は綺麗だ。
んでも、あんまり、よく、みえ、な……
[この世界と本当によく似た世界。
違うところは、そこは、精霊も、妖精も、幽霊も、宇宙人もみんな心の中ではなく必ずいるところ。
何故自分がと呪った。何度も何度も死んだ。心ないお悔みも役目のまま受け入れてきた。
それでも――滅んでいいところだとは、微塵とも思わなかった。
自分の死は、物語の始まりで。
始まった物語は関わったものに何かを残していたのだから]
アン、……みんな……、創造主さま……
ごめん、ごめん……
[糸が切れたように、膝をつき。
太陽に項垂れて**]
/*
殺伐テンションをあげてやりたかったこと
・ヨシアキにクルミか我が身の保障かどっちがええか選ばせる
・ゼンジに詰み将棋を挑む
・どっかで目張りして洗剤2種類持って籠城
覚悟を決めてあげた時に限って落ちるこの仕様よ……
よし、今日は飲むぞー♪
[うとうととした眠りの中。
立ち去る前のデンゴの言葉を思い返している。
彼の疑問は、そのまま自分の疑問だった]
――どうして……
[小さな呟きが零れ落ちる]
[だって、たいしたことは話していない。
なんで、そんなふうに思ったのかなんて聞いてはいない。
何も知らないのは、同じだった。
繋がっていても、知らない。
聞くこともしなかったし、話すこともなかった。
それなのに、どうして――]
[うとうととした眠りは、些細な動きが傷に響いてあまり長く続かない。
ぼんやりとした思考を軽く頭を振って目覚めさせる。
店にまた人がやってきはじめ、血のあとなどに躁ぐ声は聞こえても、怪我をしているこちらに気づく様子はない]
……へんな、世界……
[擦れた声で呟き。
デンゴが置いていってくれたペットボトルをしくはっくしてあける。
蓋を開ける段階で悩み。
手が使えないことで悩み。
蓋に咀みついてぐりぐり巡してようやくあいたというありさま。
それでも、のどの渇きを癒せたらほっと吐息を零す]
[汚れた手を拭って、手帳を開く。
3rdの動きがつぎつぎと書かれていて]
え……?
[「3rdは12thの死体を見た」
「3rdは日記を返してもらった」という文字が見えた。
そして、自身の未来には「屋上で12thの死体をみる」
「4thに会う」、「5thに会う」、「9thに会う」
そして、もう一つ。
「死亡」とだけかかれていた]
……生き残る、って、決めてるんだって。
[手帳にそんなツッコミをいれて、よろよろと立ち上がる。
腕の傷は鈍く痛み続けている。
痛みは治まるどころか酷くなっているけれど、手当てなんてこれ以上何をすればいいのかわからない。
だから結局何も出来ないまま、動く階段のほうへと向かった]
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