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まぁ、確かに一通だけじゃなく、どばーって投函されたらそれはそれで早期解決だけどねぇ。
でもこの手紙ってどうやら人間が投函しているわけでもないようなんだ。
じゃぁ何かって言われてもわたしもさっぱりだからわかんないんだけど…。
[でもなんとなく感覚で異次元辺りから飛ばされてきているような感じは手に取るたびに解る訳で]
…宇宙からの交信? それとも未来からの手紙…?
[だんだんと問題がかけ離れていくのを感じた。]
郵便受け見張っていたら、誘拐犯来るかも知れませんね。
[少し笑って、喫茶店の扉を開く。
むせるような暑い空気が流れ込み、サヨは顔を顰めた]
[頭を下げるモミジに慌てて手を振って]
誤解させてごめん…。
ん〜、確かにアンって子だけの人攫いだったら普通に外部の人間って思うけども…。
たださぁ、何でこんな地元でも限られた人しか立ち寄らない喫茶店の自由帳に名前が記載されていて、挙句赤いインクで消されていたわけじゃない?
外部の誘拐犯がそこまで手を込んだことをやるかなって事が一つ引っかかったのと。
あと村の人でも常連でもない人間が、わざわざこんな手の込んだことをするのかなぁって思ったのもあるかなぁ?
って何でわたし警察でもないのに推理してんだろ? 常連っていっても大概高校生なのに、人攫いって出来るんかって話よね…。
[突っ走りすぎた自分の妄想をかき消すように、ポルテは一気にコーヒーを飲み干した。]
[名前の書かれた頁にたどり着く、名前を上から指でなぞっていく。そこには確かに9人の名前と赤く塗りつぶされたアンの名前があった]
だれよ、こんなの書いたの。
[近くにあったボールペンを手にとって、ぐりぐりと自分の名前を黒で塗りつぶす]
よし、赤になんか負けないんだから。
[ふふんと鼻で笑ったところで息を飲む。ぶわりと黒のインクが水に滲むように延びて、そのまま消えうせた]
そうか。一晩郵便受けに張り込み…ってそんなのやりたくない。
[小夜の言葉に想像するも一瞬でかき消し。]
てかあの自由帳に描かれていた絵って何だろうね? しかも菊ばぁちゃんの狐ってのも気になるし…。それとわたし的には手紙の投函…。
これって本当にただの人攫いなの、かなぁ?
[と、現実を確認するかのように、リウが手にする特大オムライスを眺めながら独り言のような*呟き*]
[ポルテの推理にふと思うことがあった]
……アンを攫った狐が化けてるんだとしたら、割と納得行くかなって思ったんですけどね。
[そこまで言って、余りにも自分の考えが現実離れしていることに気づく]
……ないか。いくらなんでも。
私も、おかしくなってるのかな。
[学校に向かうサヨの姿を見送って]
大変だ……。
今日だけは勉強が手につく気しないよ。
[謎だらけの失踪騒ぎ。しかも消えたノンがそれなりに親しい人物とあっては]
誘拐犯の方が、姿が見えるだけマシなのかな。
[ポルテの話を聞き]
「否 人攫い」??
確かに人攫いじゃないですけど。
でも他の人にもあの子を攫う理由はないですよね。
とすると…
狐…とか、そういう話なんでしょうか?
幽霊とかそういうものは信じていないんですけど。
[アンが消えた---
その次の日、ヤスナリは学校の近 くにある夜刀神社に来ていた。神 社の裏山にある湖にくると水面を 凝視する]
まさか、な・・・。
[ぱしゃり。水面で何かが跳ねた。
音のした方を見ても何の姿も見当たらず]
ここ、生き物いるんだっけ・・・??
あの・・・魚・・・なーんか見たことあるような気がすんだよな・・・
[ぽつり、呟く。]
だけど、この神社、魚の神様奉ってるなんてきいたことないし・・・。
[来る時には参道に狛犬も見ている]
だけど、この湖、底見えねーなぁ・・・
[ぱしゃり、と水面に手をつけてみた]
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