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[神社に行くつもりはなく、適当に見送っておいた。
何故か炊事場にあった割烹着を拝借し、調理開始。]
腹が減っては戦は出来ませぬぞ、っとぉ。
[意外に手際がいい。割烹着は恐ろしく似合わないが。
献立は御飯と味噌汁、あと適当に焼き魚にする心算でいるようだ。]
結ぶ者ですか。
……ハナミズキの花言葉と関係があるんでしょうかね。
[テンマの言葉に写真屋の顔を一度見た後、引っ掻き傷を指でなぞる]
熊……かな?
[辞儀をしてスナックをつまむ。少ししてふと、昨夜の話題を出されると]
ええ。この村に伝わるという伝承のように……
被害者が出てしまった。
直接見てはいませんが……
人の手でも可能な様や状況なら、もっと違った騒ぎになる事でしょう。
[そして、思い出すように]
昨夜、兎を抱いた彼女は……
犯人は集まった人間の中にいる、と。
そう、兎が伝えたのだと言っていました。
はは、違いますか。
伝承を考えると、熊よりは狼と呼ばれるような風がつけた傷かもしれませんね。何にせよ……
[傷をなぞり終えると、テンマの顔を見つめ]
管理人さんのこともあるし、気をつけないといけませんよね。
そっか。伝承の通りなら、まだ続く、のかな?
それは、嫌だなあ……。
[ここに居るだろう人を指折り数えて]
犯人って、だって、化け物なんだよね?
それに、ここに居るのは俺の家族とその仕事仲間。雨園君と、医者のおっさん以外は女の人だし。あんまり想像できないなあ……。じゃあ何って聞かれても困るけど。
[そこまで言うと、魚の焼ける匂いにひくりと鼻を動かして]
……管理棟の方だ。少しはマシなもの、食えるかも。行く?
確かに…何も言わずに出て来たので 獏やニキさんの様子が気に掛かりますし。これ以上何も見つからないようならば帰りますか?[二人に声を掛けた。]
そうですね。
みんなが心配ですし、戻りましょうか。
[写真屋の顔を見た後、ゆっくりと歩く。周囲を見回してからハナミズキを見上げ]
そういえば、テンマさん……今日は体の調子は良いのですか?
そうですね。伝承では、「人狼」を倒すまで……
犠牲者は出続けたという事になっていますから。
……丁度、インディアンのような人数ですね。
[指折りする仕草にはぽつりと、独り言のように零し]
風の怪物は伝承では「人狼」と呼ばれた。
人狼……つまり、狼人間ですね。同じ名の怪物が出てくる伝説では……風の伝承でも、同じように。
それは人に化け、人を喰らう存在なのだとあります。
だからそれと疑われた容疑者達は、隣人を、血族をも怪しみ、殺し合ったのだと。
そんな事にならないうちに解決できればいいのですが。
[ふ、と傘の持ち手を握り締める。提案には頷き]
[結局、其々の借家に戻り、一夜を明かす。
朝になりテンマが神社へ向かうという話を聞くが、こちらに残ることにした。
誰かに伝承の事を教えてもらったのか、ふらり、一人外に出て、しばらくハナミズキの花を眺めていた。
また、どこからともなく声が聞こえる。
声の主が、2人になった…]
[伯父を殺した犯人がいるとチェロに聞かされ私は疑心暗鬼に陥る。状況の不明は目の前のすべての人に疑惑を抱き不審を募らせる]
(チェロ.......伯父さんを殺したのは誰なの?聞こえてるんでしょ?黙ってないで教えて.....)
[兎は黙っていたがやがて一人の男の名前を私に教える]
ニキ......イトシイボクノニキ.......
テンマハ.....ハンニンジャナイ....
ニキヲマモッテクレル.....ツヨイナカマ........
ナカマハモウヒトリイル..........
サガソウ.........サガソウ.......
「そして誰もいなくなった」……?
でも、化け物とどうやって戦ったらいいんだろ。
俺、超能力とか使えないぜ。殺し合いなんて言語道断だしなぁ。
[首を捻りながら、管理棟の方へと足を延ばす。
彼の手に力が入るのを見れば、思い出したように]
そうだ。手、平気? 昨日、何だか痛そうにしてたけど。
[言いながら、到着した管理棟の扉をきぃと開けた]
おはよーございまーす。
(テンマさんは犯人じゃない.....
そして私にはもう一人仲間がいる....)
[私はいつの間にか全幅の信頼を兎に寄せるようになっていた。どうしてこんなことが出来るのか一体何者なのかということは段々どうでもよくなっていく。わかることはこの兎は私を守ろうとしてくれている味方。伯父と同じように私がそんな目に合わないようにきっと守ろうとしているのだと私は思いこむようになっていた]
[ちょうど鮭を焼き終わったところで、管理棟入口から声が聞こえてきた。
割烹着のまま、出迎える。]
や、おはよう。
朝食はもうすぐ出来るぞ。
あとは飯が炊き上がるのを待つだけだ。
ええ、そんな事態にはなって欲しくないものです。
そうなってしまったら、それこそ「人狼」の……そして彼らの思うつぼです。
早く儀式を試みないと……
[歩きながら、手について聞かれると]
ああ……いえ。大丈夫です。
昔痛めただけ、ですので。
[無意識にか、少しだけ目を逸らして答え。
管理棟に辿り着き]
おはようございます。
[バクに続けて、中へ向けた挨拶を]
(それでこれから私はどうすればいいの?仲間を探すといっても私には手がかりひとつない)
[兎は答える]
ニキ.......イトシイニキ........
ダイジョウブ......トキガクレバ......ワカルカラ.......ワカルカラ......
[結局何をするとも言われず兎の声は遠くなり聴こえなくなった]
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